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2022年1月22日睦月の参

栃木県・市貝町編
~笑って食べて眠る 里山ライフ~

舞台は田畑が広がるのどかな里山、栃木県市貝町。5年前、この町に移住し農家になった倉本祐樹さん(38歳)と妻の芙美さん(36歳)が主人公です。
岡山県出身の祐樹さん。アパレルの仕事に就いたものの、それまであまり自分の生き方について深く考えたことはなく、目標を見失っていました。そこで何か新しいことに挑戦しようと、23歳で退職し海外ボランティアを経験します。帰国後は市貝町にあった若者の自立支援施設で働くことに。しかしその施設が閉鎖となり、宇都宮市へ移住して心機一転、カフェを開業します。そんな祐樹さんの姿を店員として側で見ていたのが、のちに妻となる芙美さんでした。2人は11年前に結婚し、長男・奏くんが誕生するも、カフェは農家から届く新鮮野菜を使った料理が人気となり大忙し。そんな中で、「自分でも野菜を育ててみたい、農業を学びたい」という新たな目標が生まれた祐樹さん。家族で過ごす時間がなかなか取れなかったこともあり、思い切ってカフェを閉店します。その後祐樹さんは、市貝町の農家に通って野菜作りを学び、料理も一から勉強したいと和食店で修行に励みました。その後、娘の凛ちゃん・和湖ちゃんが誕生。2018年、一家5人で市貝町に移住して農家としての生活をスタートさせます。そして、自家製野菜の美味しさを伝えようと、野菜の宅配と予約制のお弁当販売を始めました。2人が目指す暮らし、「よく笑い」「よく食べ」「よく眠る」から一文字ずつとり、屋号は『わたね』としました。
ご夫婦が目指すのは「忙しすぎない暮らし」。倉本さんご夫婦ならではのスローライフの形がそこにはありました。これからも元気な子供達と一緒ににぎやかな里山暮らしは続いていきます。

ご夫婦が育てる野菜は、なんと100品目以上!珍しい品種も沢山あります。丹精込めて栽培した野菜の美味しさを知って欲しいと、レシピを考案しお客さんに提案したりと工夫を凝らして販売しています。収穫後に野菜を下処理する作業場が、自宅にある立派な「長屋門」。かつて大きな農家だったこの家に残された、貴重な建造物です。ご夫婦が移住場所を探している時に、この長屋門を見て「ここに住みたい!」と思ったそうです。少しずつ手を加え修繕しながら、この先の時代にも伝えていくつもりです。
また奏くん、凜ちゃん、和湖ちゃんの3人の子供たちが遊ぶのは、自宅裏の森。生い茂った木々を間伐し手を入れて作ったこの森は、まさにアミューズメントパーク!ブランコや輪投げ、広場などもあり、子供たちは自然の中で元気いっぱい駆け巡ります。

倉本家の朝。一家5人で食卓を囲み、にぎやかな朝食の時間です。カフェを経営していた頃は、家族でゆっくり団欒する時間はほとんどなかったそう。今は子供たちと楽しく会話をしながら食事をしたり、家族でお出かけをしたり。今のこうした暮らしが、夫婦の憧れていた幸せの形なんです。
この日訪れたのは、移住前に祐樹さんが1年間農業の研修をした、「爽菜農園」。園主の小野寺徹さん・幸絵さんご夫婦はこの農園で、自然の力を信じて自給自足に近い暮らしをしています。当時、祐樹さん・芙美さんのことを「家族のように迎えてくれた」という小野寺さんご夫婦は、目標であり憧れの存在だといいます。お2人とは常に農業に関する情報交換をしたり、共同で栽培を行ったりと交流が続いています。

週に一日は定期便の野菜配達の日。前日に収穫し丁寧に処理した野菜を、箱に詰めていきます。人数の多い家庭にはサイズの大きいものを、一人暮らしの方には食べ切りやすいものを…と、振り分けにも倉本さんご夫婦ならではのこだわりが。そして、一軒一軒、手書きのメッセージも欠かさず添えてお渡しします。野菜の美味しさだけでなく、定期便を利用するお客さんのことを考えた工夫や思いやりも喜ばれています。そしてこの日は、次女・和湖ちゃん5歳の誕生日!長男の奏くんが腕をふるい、得意料理のオムライスを作ってくれました。最後にケチャップで「おめでとう!」と書いて完成。一家揃って祝うにぎやかなバースデーです。こうして子供の成長をしっかり見届け、喜びを分かち合う。これこそが祐樹さんと芙美さんが願っていた生活です。

隣町の友人からイベント用にと注文が入り、お弁当づくりが始まりました。ゆずの果肉を一つ一つくり抜いて器にしたり、煮物は素材によって出汁を変えたりと、ここにも倉本さんご夫婦ならでは細やかなこだわりが光ります。お弁当を開けたときに季節感や今の里山の雰囲気が伝わるよう、盛り付けも工夫をしているそうです。今日のお届け先の「友人」とは、なんと以前番組に出演してくださった主人公で竹細工職人の五月女さんご夫婦。ちょうど竹林整備のワークショップを開催していて、参加者のランチとして注文してくれました。色彩豊かな『わたね』のお弁当を見て「宝石箱のよう!」と言う五月女さん。倉本さんご夫婦とは知り合ってもう8年。移住前から交流が続く大切な仲間です。

ご夫婦が子供達を招いて定期的に開催しているイベントがあります。それは「かっぱ先生の昆虫観察会」。里山の自然を子供達に体験してもらおうと、自然観察の指導をしてくれるのが、「かっぱ先生」こと伊村務さん。この日は畑に出て、いろんな生き物と触れあいました。野菜を食べているモンシロチョウの幼虫や、その幼虫を捕食する肉食のカメムシなど…、先生の分かりやすく楽しい説明に、みんな目を輝かせて楽しんでいます。
こうして地域の方々や友人、家族に支えられ、「忙しすぎない暮らし」を実現している倉本さんご夫婦。毎日「今日も楽しかった!やりきった!」と眠りにつく瞬間が幸せだと言います。「よく笑い、よく食べ、よく眠る」そんな暮らしをこれからもずっと、家族仲良く続けていって下さいね!

楽園通信

わたね

新鮮野菜の定期便、手作りのお弁当配達を行なっています。

電話:非公開

実店舗はありません。
野菜の定期便は、現在新規受付をしていません。

お弁当は栃木県芳賀郡近郊、宇都宮市のみの配達
注文は5個以上、10日前までの予約制です。
【メニュー】 
・里山旬菜弁当 1,300円〜