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2021年12月11日師走の弐

茨城・小美玉市
~野菜が笑う 農家レストラン~

茨城県小美玉市で農家レストラン『野菜が笑う台所 あかね』を始めた川﨑和江さん(68歳)と、農業をしながら支える夫の洋治さん(69歳)が主人公です。
小美玉市生まれの和江さんは、幼い頃から父親が病気がちだったため、中学を卒業して直ぐに大阪の叔母が営むハンドバッグ工場に就職しました。3年勤めた後、帰郷した和江さんは、代々続く農家の長男・洋治さんと出会い20歳の時に結婚。洋治さんの両親と農業をしながら2人の子供を育て上げ、44歳のときに通信制の高校を卒業しました。そんな頑張り屋の和江さんを61歳の時に病魔が襲います。検診で乳がんが見つかったのです。幸い早期発見でしたが、転移リスクを考え左胸の切除を決意します。それが転機となり改めて自分の人生を見つめ直した和江さんは「命のある限り、やりたいことをやって生きよう」と心に誓いました。自分のやりたいことは何なのか?考えた時に思い出したのが、大阪で初めて食べたうどんの味。ふわーっとした優しい味に感動したことでした。実は和江さん、大阪のうどんの味に魅せられ、そこから料理に興味を持ち30代の時に調理師の免許を取ったほど料理好きだったのです。「そうだ、おいしいものは生きる力を与えてくれる。自分のやりたいことは、レストランを開くことだ」。そう確信した和江さんは、2015年、自宅敷地内で農家レストラン『野菜が笑う台所 あかね』をオープンしました。店名の“あかね”は、以前、洋治さんと一緒に見た夕焼け空の茜色にちなんでいます。
病を乗り越え、「自分の命ある限り、やりたいことをやって頑張って生きたい」。そう心に誓いレストランを始めた和江さんと、さつま芋などの栽培を続けながら和江さんを支える洋治さんと家族の姿。そしてレストランに集う人々との温かい交流を紹介します。

営業日。和江さんはまだ暗いうちから厨房に立ち、小鉢のおかずを作ります。一人で料理を作るこの時間が大好きだそうです。そんな和江さんのもう一つのお楽しみの時間がやってきました。それは朝日を眺め、写真を撮る時間です。「朝日を浴びる時が、一番元気が出る!」と、この日一日のパワーをチャージしました。

洋治さんはさつま芋の収穫のため、畑へ向かいます。洋治さんと長男・紀明さんが営む茜農園は9万坪あり、紅はるかや安納こがねなどのさつま芋やじゃがいもを育てています。インドネシアからの農業技能実習生と一緒に機械に乗り込み、掘り出されたサツマイモを皆で素早く仕分けしていきます。ここでとれたさつま芋は、干し芋にも加工され、農園の直売所などで販売されます。

レストランには農園のスタッフも来てくれます。この日は、休憩時間を使ってインドネシアスタッフのエコさんとロミナーさんが来てくれました。インドネシアの方にも「おまかせランチ」は大人気です。「おいしい、おいしい」と、和江さんの作った料理に箸が止まりません。エコさんとロミナーさんにとって、和江さんは“日本のお母さん”。インドネシアにいる時も、日本の母の味を恋しく思ったそうです。そんなお2人の食事の様子を見て、和江さんも幸せそうです。

和江さんと洋治さんはよくドライブに出かけます。夕方、和江さんの趣味の一つ、夕焼け空の写真を撮るために、霞ヶ浦湖畔にやってきました。晴れた空にゆっくりと太陽が沈んでいきます。その様子を仲良く眺めながら、次々と茜色に色づいた景色を写真におさめました。この日の夕日は、新たな目標に向かって突き進むお二人を応援してくれているようでした。

楽園通信

野菜が笑う台所 あかね

「おまかせランチ」はたくさんの小鉢や野菜の天ぷらが並ぶ、野菜が主役のランチが味わえます。1日25食限定のため、お電話での予約をお勧めします。

おまかせランチ 1,200円
きのこのピザ   920円
トマトのパスタ 1,030円

電話番号 0299-53-0466
営業時間 午前11時30分~午後2時30分
定休日 水、日曜 ※臨時休業あり

茜農園農産物直売所

茜農園のさつま芋で作った干し芋を購入することができます。
チョコレートでコーティングした干し芋も評判です!

干し芋(平切り) 500円
干し芋(丸干し) 750円
チョコホイ    350円

電話番号 0299-56-4432
営業時間 午前9時~午後5時
※問い合わせ 午前10時~午後4時
不定休