これまでの放送

  • 年別にみる
  • 地域別にみる
2021年12月4日師走の壱

埼玉・鶴ヶ島市
~昭和の原風景で愛情野菜~

舞台は埼玉県鶴ヶ島市。早期退職後、実践研修を経て2017年に新規就農した藤本浩さん(60歳)と姉さん女房の泰子さん(69歳)が主人公です。
埼玉県出身の浩さんは高校を卒業後、県立学校の事務職員として働き始め、赴任先で教諭をしていた泰子さんと出会い23歳で結婚。共働きをしながら2人の子どもを育てました。転機が訪れたのは40代の時。学校給食で使用する食材探しで農家を訪ねた際、農業の面白さを知り憧れるように。そして泰子さんには「いつか農業をやりたいから早期退職を考えている」と思いを伝えました。泰子さんが一足先に定年退職を迎えると、2年後に浩さんも52歳で早期退職し、農業大学校で1年間学びました。卒業後、野菜を作って販売するという実践研修を経て、2017年に新規就農を果たしました。
農家になって4年。地元と将来のため土と向き合い、切磋琢磨しながら“こうと決めたら一直線”の浩さんと、優しく支える妻の泰子さん。そんな2人を温かく見守る家族やご近所さんとの交流を紹介します。

浩さんの畑があるのは、どこか昭和の原風景を思わせる屋敷林や、作物を守るための防風林がある五味ヶ谷地区。借りている畑は全部で3000坪あり、その一角にある里芋の収穫に取り掛かるご夫婦。芋の掘り起こしなど力仕事は浩さん、もぎ取りなどの細かい作業は泰子さんと阿吽の呼吸で進めていきます。その後も芋についた泥を落としたり、袋詰めしたりと大変な作業が続きますが、「お客さんがおいしく食べている顔を思い浮かべれば頑張れる!」と農作業に精を出しています。

農家になったばかりのころ、朝から晩まで畑作業を手伝い、帰宅後は家事に追われていることに気付いた泰子さん。「自分の時間がないのはおかしい!」と働き方の見直しを要求しました。すると泰子さんの要望が通り、特別な作業がない限り、午後は夫婦別行動。自宅で趣味の裁縫をする泰子さんです。一方の浩さんは、農業大学校時代にお世話になった南雲卓さん(79歳)の作業場、通称“なぐもカフェ”へ。相談に乗ってくれる師匠であり、父のように慕っています。夫婦の時間も大切にしながら、それぞれの時間で気分をリフレッシュさせ日々の農業に励んでいます。

日曜日、近くに住む長女の紀子さん家族が遊びに来ました。孫の前では目じりも下がり、ジイジとバアバの表情になるご夫婦。食卓に並ぶのはジイジとバアバが育てた野菜を使った芋煮や野菜炒め、天ぷらなど。父親が農家になると聞いた時は反対することもなかった紀子さんですが、「お母さんが巻き込まれたな…」と思っていたそうです。そんな娘の気持ちもつゆ知らず、我が道を行く浩さん。そんな夫をうまくコントロールしながら支えている泰子さんです。

この日、JAいるま野の研修農場に赴いた浩さん。農家がより専門的な技術や栽培知識を学ぶ農業塾で月に2回、講師を務めています。今回は、のらぼう菜の苗植えをするため畝を作り、マルチ張りを生徒に指導していきます。「自分の経験をもとに教えてくれるからわかりやすい」と高評価。これまで、どこでどうつまずいて来たかを知る浩さんだからこそ、伝えられる農業の知恵があります。全員が上質でより多くの野菜が出荷できるようにと願う浩さんです。

楽園通信

ベジタブルバル ベースT

畑仲間でもあるシェフの栗原さんが営むお店。
栗原さんが育てた野菜や、藤本さんご夫婦が育てた野菜もよく使われています。

電話:049-227-3583
営業時間:午前11時30分~午後11時
(金・土曜、祝前日は午前0時まで)
定休日:月曜
※感染状況により、営業時間が変更になる場合もあります。
※車・自転車でお越しの際は近くのパーキングをご利用ください。

TAIRAYA川越霞ヶ関店

藤本さんご夫婦が育てた野菜は、川越市近郊野菜コーナーにて販売しています。
季節や収穫量によって店頭に並ぶ量は限られていますので、売り切れの際はご了承ください。

電話:049-237-1510
営業時間:午前9時~午後9時