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2021年10月16日神無月の参

埼玉・ときがわ町
~自給自足を楽しむ農家民宿~

舞台は、埼玉県の中部に位置するときがわ町。無理のない自給自足をテーマに農家民宿を営む金子勝彦さん(44歳)とパートナーの阿部由佳さん(28歳)が主人公です。埼玉県川越市出身の勝彦さんは、大学卒業後、料理人となり海外のホテルで経験を積みました。しかし2012年、香港でカフェの立ち上げに携わる中、その忙しさや重圧に苦しむようになりました。無理せず自然体で暮らしたいと故郷・川越市に帰ってきた勝彦さん。老人ホームで給食を作る仕事に就き、その傍らに農業を始めるようになりました。すると、小さな種から食べられるまでに育つ農作物のすごさに感動し、次第に自給的な暮らしに興味を持ち始めます。その後、栃木県那須町で電気を使わない自然に即した暮らしを実践する『非電化工房』の研修に1年間参加。勝彦さんが目指す自給的な暮らしがより具体的なものとなりました。そして2016年、勝彦さんは『農家民宿 楽屋(らくや)』を開業。2018年、同じ『非電化工房』出身で自給的暮らしを目指していた由佳さんが『楽屋』を訪ね意気投合。2019年、勝彦さんと由佳さんの共同生活が始まりました。今回は、無理のない自給自足を楽しみながら農家民宿を営むお2人の暮らし、地元の人たちとの交流を紹介します。

お2人が実践する、無理のない自給自足。米や麦を自家栽培するのは勿論、大豆を味噌にしたり、梅干しを漬けたりと、長期間保存が出来る加工品も作っています。中でも収穫した野菜を太陽熱で乾燥させる「ソーラーフードドライヤー」は由佳さんの手作り。箱の中は太陽熱で60~80度まで上昇し、晴れていれば1日ほどで乾燥野菜が出来上がります。由佳さんは「ソーラーフードドライヤー」を使い、トマト、ナス、ゴーヤなど多種多様な野菜を乾燥させ保存食として使っています。

『農家民宿 楽屋』にお客さまがやってきました。『楽屋』は一日1組限定。宿の魅力は、畑で収穫した野菜を使い、みんなで夕食を作りながら交流することです。この日のメニューは『鶏むね肉のステーキ』と『ベイクドビーンズスープ』。料理はほとんどが自家製ですが、メインのお肉はスーパーで買ったもの。「全てを自分たちで作らず、スーパーの食材も利用する」これが勝彦さんと由佳さんのモットー。お客さまも美味しい料理に、満面の笑顔が溢れました。

ナスの収穫作業。「手早く収穫しないと、直射日光で鮮度が落ちてしまう」と語る勝彦さん。スピード重視の収穫作業をサポートしてくれる由佳さんは大事な存在です。夕方、勝彦さんは収穫し箱詰めしたナスを、農家仲間で“畑の先生”と慕う藤田芳宏さんの作業場へ運びました。野菜は食品宅配業者へ出荷してもらっています。藤田さんは、「いろんな野菜を作ろうと提案してくれる勝彦さんのおかげで、農業を飽きずに楽しくやれている」と語りました。

勝彦さんはうどんの製麺所を営む髙柳正志さん、ステーキ店の店主・塙雅文さんと一緒に地元の名物パスタ料理を試作しました。出来上がったミートソースパスタは、
麺が高柳さん、ソースに勝彦さんのトマトと塙さんの熟成肉がコラボレーションしたもの。「これはうまい!将来は商品化したい!」と笑顔で話す3人。無理せず楽しみながら、どんどん夢を叶えていきます。

楽園通信

農家民宿 楽屋

畑での収穫から料理まで自給自足の暮らしを体験できます。
詳しくはホームページをご覧ください。

一日1組限定 6名まで
宿泊料 夕朝食付き7,500円