
茨城・石岡市
~風渡る田園カフェ~

舞台は茨城県石岡市。“にほんの里100選”に選ばれた八郷(やさと)地区で、ブルーベリー栽培とカフェの『岡野ファーム』を始めた栗原良子(よしこ)さん(58歳)と夫の智広さん(55歳)が主人公です。
石岡市で農家の長女として生まれた良子さんは、栄養士として福祉施設などで調理の仕事をしていました。30歳の時に大手通信会社に勤めていた智広さんと結婚。2人の子供が生まれ、子育てに仕事に頑張っていました。良子さんに転機が訪れたのは50歳を過ぎたころ。良子さんの妹・博美さんがすい臓ガンを患い、妹の側にいてあげたいと良子さんは仕事を辞め看病に専念しました。しかし1年後、博美さんは53歳で亡くなってしまいました。悲しみの中、良子さんと智広さんは、「一度きりの人生、無限ではない人生、後悔しないように生きよう」と心に誓ったのです。そして栄養士の経験を生かし、身体にいい料理を提供するお店を開くことを決意。智広さんの早期退職を機に実家に戻り築40年の母屋を改装して、今年6月にカフェ『岡野ファーム』をオープンしました。
「岡野」は良子さんの旧姓で実家は代々続く梨農家。しかし、父・岡野敏夫さん(85歳)が体力的に梨栽培を続けることが困難に。そこで智広さんが畑を継ぎ、カフェのオープンに先立ち去年ブルーベリーの栽培を始めました。およそ1000坪の畑に鉢で並ぶブルーベリーは、予約制で食べ放題の摘み取り体験が出来ます。
カフェでは栄養士の資格を持つ良子さんが作るランチが人気です。地元食材を使った9種類の前菜と茨城県産ブランド豚の生姜焼き。更にドリンクとジェラートも付いて1,500円です。ジェラートはイタリア製のジェラートマシーンで作る本格派。「あずき」や「黒ゴマ」など和風ジェラートの他に、智広さんが育てたブルーベリーをふんだんに使ったブルーベリージェラートなどの単品メニューもあります。
妹の死を機に「一度きりの人生、後悔しないように生きよう」そう心に誓い、故郷でブルーベリー栽培とカフェを始めた良子さんと智広さん。お2人の暮らしぶりと支える家族の姿、カフェに集う常連客との交流を紹介します。



営業日。サイクリング途中のお客様がやってきました。『岡野ファーム』では、テイクアウトもできるように、しょうが焼きをどんぶりにしたランチBOXを用意しています。お腹をすかせたサイクリストは、外のオープンテラスでペロリとたいらげました。店内では智広さんの知り合い、地域活性化の活動をしている若者たちがランチです。「地域に憩いの場が出来てうれしい」と笑顔の若者たち。“地域を元気にしたい”その思いは智広さんも一緒です。



智広さんの元同僚・三浦さんご家族が、ブルーベリー摘みにやってきました。
『岡野ファーム』で栽培しているブルーベリーは600本24種類。完熟したブルーベリーは甘酸っぱく、三浦さんご家族も「おいしい!」とブルーベリーを摘む手が止まらない様子でした!



定休日。お2人は買い出しです。最初に向かったのは『のむらファーム』。新鮮な卵を購入します。ここの卵以外にも野菜や豚肉など地産地消を心掛けているおニ人です。次に向かったハーブティーの専門店では、岡野ファームオリジナルのハーブティーをブレンドしてもらいました。色鮮やかで落ち着く香りのハーブティーにお2人大満足!



この日は、長女・遥さんの誕生日です。長男・康平さんも顔を出し賑やかな食卓です。夕飯のメニューは見た目にも華やかなチラシ寿司。両親がブルーベリー栽培とカフェを始めたことを「楽しそうで、見ていてうれしい」と語る康平さんと遥さん。たまにカフェも手伝うそうです。家族の支えとお2人の努力で、日々前進を続ける『岡野ファーム』です。




岡野ファーム
ランチは地元食材を使った9種類の前菜と茨城県産ブランド豚の生姜焼きに良子さん手作りのジェラートもついています。
カフェのメニューはコーヒー、ハーブティー、各種ジェラートなど。
ランチ並びにランチBOXはそれぞれ1日20食限定です。ご予約をお勧めします!
なお、今シーズンのブルーベリー摘みは終了しています。
ランチセット 1,500円
常陸黒ごまジェラート 600円
ブルーベリージェラート 450円
営業時間 午前10時~午後4時
定休日 月曜日