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2021年9月11日長月の弐

埼玉・所沢市
~少年時代の夢 革工房~

舞台は埼玉県所沢市。少年時代に憧れた西部劇が忘れられず、レザークラフト工房を始めた矢内昌巳さん(61歳)と妻のジェラさん(52歳)、長女のえくぼさん(30歳)が主人公です。
昌巳さんがレザークラフトに興味を持ったきっかけは、中学生の時にテレビで観た西部劇でした。ガンマンが身に着けている革製品を「かっこいい!」と惚れ込み、
「将来は革職人になりたい!」と夢を抱くように。しかし、工務店を営んでいた両親に説得され、専門学校卒業後は父親と同じ大工の道へ。そして30歳の時、社員旅行で訪れた温泉旅館で歌手としてフィリピンから来日していた妻のジェラさんと出会います。ジェラさんの歌声にハートを撃ち抜かれた昌巳さんは、3年の交際期間を経て結婚、3人の子どもが生まれました。そんな昌己さん、50歳を過ぎた頃に再び少年時代に抱いていた「革職人になる夢」が芽生えます。そして、大工として働く傍らレザークラフトの学校に通い腕を磨き続けました。こうして2015年、自宅の一部を改装し、『LEATHER工房YANAI』をオープンしました。
工房を始めて6年。今では昌巳さんの作品のファンが大勢います。所沢市内にある眼鏡屋さんの店主・石村さんもその一人です。オーダーメイドで作ってもらった革のエプロンに惚れ込み、お店の一角に昌己さんの作品を展示・販売するスペースを作ってくれました。また4年前からは、長女のえくぼさんも工房を手伝っています。最近は財布や小物などオリジナル作品も作れるようになってきました。
一度は諦めた革職人になりたいという夢を叶えた昌巳さん。応援してくれている妻のジェラさんと同じ革職人の世界に飛び込んだ長女のえくぼさん。笑顔が絶えない3人の日常や、お客さんたちとの心温まる交流をご紹介します。

昌巳さんが革製品で最も得意としているのが、カービングという革に施すデザイン。カービングは、1800年代後半にアメリカの馬具職人が広めたもので、西部劇に登場するガンマンのベルトなどにも使われています。厚さ3ミリほどの革に専用のカッターで切り込みを入れていくカービングは、力加減が難しく繊細な作業です。

長女のえくぼさんがオリジナル作品を作ります。2歳の誕生日を迎えた娘・美音ちゃんの足型を革に焼き付け、フォトフレームを作成しました。「あの頃は、こんなに小さかったんだ」と思い出に残る可愛い作品が出来ました!

工房では週4日、レザークラフト教室も開催しています。この日は半年前から通っている生徒さんがスマホケースの仕上げ作業をしていました。カービングで描いた猫の絵も立体的で、今にも飛び出してきそうです。「生徒さんとアイデアのキャッチボールができて楽しい」と語る昌巳さんでした。

工房の定休日とヘルパーとして働くジェラさんの休みが重なったこの日。群馬県で田舎暮らしを楽しんでいる昌巳さんの両親を訪ねました。両親の畑で収穫した野菜を使い、母の豊子さんとジェラさんが天ぷらを作ります。「新鮮で美味しい!」と、賑やかな昼食になりました。

楽園通信

LEATHER工房YANAI

展示販売だけではなく、
オーダーメイドで世界で一つの革製品も作ることが出来ます。
また、革製品のリメイクや修理も受け付けています。

革小物 600円~
トートバッグ 30,000円~
財布  35,000円~

レザークラフト体験教室
2時間 2,000円
※水~土曜、要予約

営業時間:午前10時~午後8時
定休日:火曜