
山梨・南アルプス市
~仲間つなぐ完熟ハチミツ~

舞台は山梨県南アルプス市。この地に移住し、3年前に養蜂家となった梅澤直美さん(43歳)が主人公です。
横浜市で生まれ育った直美さんは、大学を卒業後、都内にある美容関連の会社に就職。22歳の時に友人と富士山に登ったのがきっかけで登山にのめりこみました。そして30代半ばでカナダに渡り、登山の技術を学ぶ学校に通い始めました。帰国後はその経験をいかして、登山用品のメーカーに勤務。しかし「山の近くに住みたい」という思いが募り、地域おこし協力隊として南アルプス市に移住しました。この時の活動で養蜂に興味を持った直美さんは、地域の人たちの後押しもあり養蜂家を目指すことに。そして2018年、地域おこし協力隊の任期を終え、養蜂家として新たな人生のスタートを切りました。
最初は10箱の巣箱から始めた養蜂も、現在では26箱になりました。直美さんのハチミツは、自身の「ナミオ」というニックネームから「730(ナミオ)HONEY」と名付けました。「730HONEY」は、時期によって咲いている花を追い求めて巣箱を移動する「転地養蜂」を採用しています。それによって、ミツバチが長く花に接することができ、蜜のバリエーションも増えるのだそうです。「ミツバチがとってきたハチミツを、そのまま届けたい」という直美さん。加熱せずシンプルな濾過のみで瓶詰めしているハチミツは、それぞれの花の香りが深いと評判です。
養蜂家になってからは、地域の方々の結びつきもより深くなりました。巣箱を置くための畑を貸してくれる地主さん、受粉のために巣箱をお貸しするサクランボ農家、商品を置かせてくれるパン屋さんに、イベントの手助けをしてくれるオープンカフェのオーナー。仲間と助け合うミツバチの世界に触れることで、人と繋がることの大切さを改めて感じたそうです。
南アルプスの麓で出会った「ミツバチ」から、多くを学んだ直美さん。地元の人たちに助けられながら、ミツバチとともに夢を追いかける暮らしを紹介します。



この日は、養蜂の体験会です。ミツバチの世界を知ってもらいたいと3年前から始めました。参加してくれたご家族と一緒に巣箱の中のミツバチを観察します。初めて知るミツバチの生態は驚くことばかり。
観察のあとは採蜜です。ハチミツがたっぷり溜まった板を遠心分離機にセットすると、蜜がどんどん分離されていきます。さっそく採りたてのハチミツを味見。参加したご家族は、「花の味がする」と感激でした。



巣箱を移動する前日の夜。ミツバチが外に出ないように巣箱の出入り口を閉め、翌朝、40キロほどの巣箱を運び出します。今回の移動先は、隣町のハーブ園。およそ300種類のハーブを育てています。植物は受粉しハチミツも採れる。ミツバチがみんなを幸せにしてくれます。



訪ねたのは友人のサクランボ農園。この春、受粉のために農園に置いた巣箱から採れたハチミツを届けに来ました。人の手でもできる受粉の作業ですが、ミツバチの手伝いがあると体力的に楽になり、品質も良くなるそうです。直美さんのミツバチのおかげで、今年は豊作だったそうです。帰りにサクランボと野菜をいただきました。



自宅に戻ると夕食の準備。今晩はハチミツマスタードソースをかけた、ジャガイモのソテーなど、野菜たっぷりのメニューです。デザートは農園の友人から教えてもらった「炭酸水に漬けたサクランボ」。炭酸が果肉に浸透して、はじけるよう食感になります。大好きなワインに合わせて、今日の疲れを癒すひとときを堪能します。




ベーカリールーブル
地元の食材を使ったパンが評判のお店です。730HONEYのハチミツや、730HONEYを使ったパンも販売しています。
営業時間 午前9時~午後7時
定休日 日曜、祝日
※臨時休業あり
詳しくはホームページをご確認ください。



730HONEY
主人公・直美さんが営む730HONEYでは、花の香りが豊かなハチミツを販売しています。
100g瓶 1,100円~
240g瓶 2,380円
テイスティングセット 1,730円
「730HONEY」で検索してください。