
埼玉・川島町
~梁が見守る 兄弟カフェ~

舞台は、埼玉県比企郡川島町。のどかな田園風景が広がるこの地で、築約240年の実家の母屋を改築して喫茶店を開いた関口智巳さん(67歳)と兄・進さん(72歳)が主人公。
進さんと智巳さんは5歳違いの兄弟。世の中のためになる仕事に就きたいと、兄・進さんは小学校の教師になり、真理さんと結婚。弟の智巳さんは刑事に憧れて警察官となり、恵子さんと結婚しました。そんな兄弟が思い描いた定年後の夢。智巳さんはカフェを、クリスチャンの進さんは牧師になって教会を開くことでした。
その一方で気掛かりだったのは、朽ちていく母屋のことでした。「こんな立派なけやきの梁を持つ家はなかなかない。どうにか保っていきたい」と思いを強くしていきます。“日曜日は教会に、他の日はカフェにしたい”。そんな2つの夢を叶えてくれたのは、代々守り続けてきた母屋でした。1年がかりの改築を経て、2013年5月、『カフェけやき』をオープンしました。
「大切な実家を残したい。けやきの梁と柱をみんなに見てもらいたい」と、実家の母屋を改築して喫茶店を開いた智巳さん進さん兄弟。お2人と、共に店を支える家族の奮闘ぶり、応援してくれる地域の方々との交流の様子を紹介します。



『カフェけやき』では、10種類以上のコーヒーを楽しむことができます。中でもマスターの智巳さんのイチ押しはブルーマウンテン。苦味・酸味・甘味・コクのバランスが抜群。そしてオーナーの進さんが、丁寧にお客様のもとへ運びます。料理を担当するのは智巳さんの妻・恵子さんと、進さんの妻・真理さん。お2人が作るどこか懐かしい喫茶店メニューは、お客様から好評です。店の司令塔は進さんの次男・英知さん。『カフェけやき』の頼もしいメンバーです。



定休日。兄弟は朝からカフェの目の前で畑仕事です。実家は農家でも、野菜作りは兄弟ともにほぼ素人です。畑の師匠であり智巳さんの幼なじみ、飯島さんに教わりながらジャガイモの種芋を作り、天日で乾かして植え付けました。
一方、兄弟の妻、真理さんと恵子さんは共通の趣味であるステンドグラス作りを楽しんでいました。手間は掛かりますが、それだけに奥が深いとおっしゃるお2人。夫婦それぞれ、大切なひとときを満喫しました。



そして日曜日の午後。『カフェけやき』は教会に姿を変えます。兄の進さんは教師を定年退職後、61歳で牧師になりました。弟・智巳さんも教会のお手伝いをします。力強い兄・進さんの姿に「カフェのオーナーとは段違い。兄貴らしい」と智巳さん。礼拝の参加者からも「真面目な方。説教の時は情熱的」とうれしいお言葉をいただきました。地元の皆さんにとっても大切な場所になっています。



『カフェけやき』はもうすぐ8周年を迎えます。毎年この時期は、オープン記念の特別メニュー「けやきガレット」が人気です。真理さんと恵子さんはその年ごとに具材をアレンジしています。今年は人気のミートソース味で勝負。2種類のガレットを試作しました。これまで何でも家族で相談して決めてきた関口家。8年間を振り返り、智巳さんが改めて家族への感謝を伝えました。これからも皆さんで力を合わせて頑張ってくださいね!




カフェけやき
智巳さん自慢のコーヒーは10種類以上から選べます。けやきの梁が見守るレトロな空間で、ほっと一息ついてみてはいかがでしょうか。
ご来店の際は、事前にお電話などでご予約ください。
電話番号:049-299-8552
営業時間:午前11時~午後5時
定休日:日・月曜、祝日の翌日
※要予約