
山梨・市川三郷町
~山里を体験 古民家の宿~

次回の舞台は、山梨県市川三郷町。山間の小さな里、近萩集落にある古民家で農家民宿を始めた鈴木美樹さん(55歳)、夫の啓太さん(55歳)、美樹さんの母、青柳勇子さん(80歳)が主人公です。
美樹さんご家族が始めた宿は標高約600メートル、空気が澄んだ山間部にあります。宿の周りは豊かな自然に囲まれ、山菜が収穫できたり、野生の動物に遭遇することも。また眼下には町が広がり、目を上げるといくつもの山々を見渡せます。
市川三郷町出身の美樹さんは高校卒業後に上京。フラワーデザインスクールで学び、都内の生花店に就職しました。そのころ母の勇子さんは昔からの夢を実現したいと、近萩集落の古民家を借りて1人住むことに。最初は反対していた美樹さんでしたが、母のもとを訪れ自然に触れる度、山里暮らしの素晴らしさを感じるようになりました。そして2008年には、夫の啓太さんとともに近萩集落に移住。その後、勇子さんは膝の手術をきっかけに近くの家に引っ越すことになりました。空き家となった古民家を守りたいと、民宿のオープンを思い立った美樹さん。この提案に啓太さん、勇子さんも大賛成。そして、2019年4月、かつて飼っていた“愛犬(くう)”の名前をとり農家民宿『ちかはぎ空(くう)の家』をオープンしました。



家族3人で仕事は分担されています。広報、掃除、料理担当は美樹さん。宿に飾られた大きな生け花を手掛けるのは母の勇子さん。以前、造園業をしていた啓太さんは庭の手入れを担当しています。3人が協力して営む『空(くう)の家』です。



最近、勇子さんが夢中になっているもの、それはYouTube。集落のPRになればと孫の隼也さんと一緒に始めました。今日の企画は「うどん打ち」。同じ集落に住む早苗さんをゲストに招いて撮影です。ここで登場するのが昔ながらの製麺機。生地を伸ばして切ることが出来ます。麺を薪で釜茹でして完成。みんなで作った達成感でより一層おいしく感じられます。



この日は友人ご夫婦が、山菜摘みにやってきました。案内するのは勇子さんと啓太さん。宿の周りは山菜の宝庫です。勇子さんに教えてもらいながら、ユキノシタ、イタドリ、サンショウなどを摘んでいきます。収穫した山菜は美樹さんが天ぷらにしてくれました。春の野草は「苦みがあっておいしい」とご夫婦は大満足でした。



本日の宿泊は地元で桑のお茶を栽培しているハンさんご家族。野菜の収穫体験にでかけました。斜面にある眺めの良い畑には何種類もの野菜が植えられていて、いつでも収穫できるように準備しています。宿の夕食は、収穫した「かき菜」や「菜の花」などを使ったお総菜の他、町の特産「大塚にんじん」のサラダや猪、ヤマメなどの炭火焼きなど。山の恵みが詰まっています。




ちかはぎ空(くう)の家
美樹さん、啓太さん、勇子さんが営む宿。里山の魅力を、五感で感じることができます。
現在、宿泊は完全予約制。
宿のHPからご予約下さい。
また、カフェやランチのみの営業は行っておりません。
地元の桑畑で生まれた「ハンさんのおいしいくわ茶」(90g1944円)も販売しています。