
神奈川・横浜市
~元ナースの優しい惣菜店~

舞台は神奈川県横浜市金沢区。3年前、惣菜と弁当の店『ままぐらんど』を始めた木我あつ子さん(57歳)と夫の巧さん(62歳)が主人公です。
新潟県南魚沼市出身のあつ子さんは、横浜の看護学校を卒業し看護師の仕事に就きました。26歳のとき歯科技工士をしていた巧さんと結婚。2人の娘が生まれ、子育てに仕事にと忙しい日々を送っていました。あつ子さんに転機が訪れたのは49歳のとき。パーキンソン病を発症したことがきっかけでした。「覚悟はしていた」と語るあつ子さんは「身体が動くうちにやりたいことをやろう」と看護師の仕事を辞めることを決意。あつ子さんの“やりたいこと”それが料理でした。長年の看護師経験から、健康な身体のためには“食が大切”ということを改めて実感したからです。また、料理の原点は新潟で暮らす母・マサエさんの影響でした。実家はよく親戚が集まる家で、マサエさんが手料理でもてなしていました。母の作る料理をみんなが笑顔で食べる。その光景が心に残り「いつの日か料理店を始めたい」そう思っていたのです。こうして病の発症から3年後、あつ子さんは52歳で病院を退職。調理師専門学校に1年半通い、料理を基礎から学びました。そして、調理師学校で出会った村田有紀さん(32歳)に手伝いをお願いし、2018年5月“ママがみんなを大地から支える”という意味を込め『ままぐらんど』をオープンしました。
『ままぐらんど』では毎日12種類ほどの惣菜を作り販売しています。あつ子さんは煮物・焼き物を中心に作り、有紀さんは揚げ物・炒め物などを担当します。こだわりは、薄味で飽きのこない味付け。さらに1週間内に同じ惣菜を出さないこと。そのため惣菜のレパートリーは80種類を超えます。米は故郷・新潟県南魚沼産コシヒカリの玄米を取寄せ、店で精米しガス窯で炊いています。惣菜や弁当は店内で食べることも可能で、日替わりでランチも提供しています。
平日仕事をしている夫・巧さんは、あつ子さんを毎日迎えに来て、閉店後掃除をしてくれます。また、週2回の買い出しも一緒に出掛け、鮮魚の下仕込みも手伝っています。「病気が心配だが、やりたいことをやらせてあげたい」と巧さんは語ります。
病気がきっかけで、好きなことをして生きようと決意し『ままぐらんど』を始めたあつ子さんと全力でサポートする巧さんの日常。そして応援してくれる仲間たちとの交流を紹介します。



定休日、あつ子さんは仕事がお休みの巧さんと買い出しへ市場に出かけます。乾物に野菜、魚介類などを大量に購入しました。通い始めて3年、顔見知りも増え買い出しが楽しくなってきました。そしてお店で仕込み。釣りが好きな巧さんには、魚をさばいてもらいます。中骨も丁寧に取り除き、綺麗にさばいてくれます。あつ子さんは、材料を切ったり、野菜の下処理をしたり、1週間分の献立を決めるなど大忙し。手間暇を惜しまないことが料理の味を深めます。


オープンからまもなく3年。友人たちが、ちょくちょく顔を出してくれます。この日は、子育ての時に知り合った諸橋さんが来てくれました。店内には、諸橋さんが小学生の時に描いた絵を開店祝いに譲ってもらい飾っています。「この絵を見ると元気が出る!」と笑顔で語るあつ子さんです。



ランチのお客様が落ち着いた午後、あつ子さんと有紀さんは新作の試作を始めました。1週間、毎日メニューを変えているため、時間を見つけては試作をしているお2人。この日は、季節野菜をたくさん使った豆乳やみその和風キッシュです。「美味しい。ゴーですね!」とあつ子さん。『季節野菜の豆乳みそキッシュ』新メニューに追加です!



この日は、長女・あゆみさん一家が遊びに来たので、愛情料理で迎えたあつ子さん。初孫の一ちゃんにメロメロです。そして、新潟に住む母・マサエさん、妹・さち子さんとテレビ電話でお話。生まれ育った新潟のご実家では、親戚がよく集まり、料理上手のマサエさんが手料理でもてなしていたそうです。それが、あつ子さんの料理の原点。優しい母の味をあつ子さんが受け継いでいます。




ままぐらんど
優しい味付けの惣菜を日替わりで楽しめます。
ランチは、お肉とお魚の2種類から選べます。
お惣菜やお弁当など、イートインも可能です。
なお、ランチとお弁当は前日までにお電話でご予約ください。
また、『食卓八景弁当』については、「横浜市金沢区おうちダイニング」のHPをご覧ください。
日替わり惣菜 50~380円
日替わり弁当 640円~
日替わりランチ 880円
電話:045-370-9148
営業時間:午前11時~午後7時30分
(金・土曜は午後6時まで)
定休日:日曜、祝日、月1回土曜