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2021年1月16日睦月の弐

埼玉・さいたま市
~ 故郷で始めた農園ライフ ~

舞台は、埼玉県さいたま市。近代ビルが立ち並ぶ新都心の東に広がるのが、首都圏に残された大規模緑地空間「見沼たんぼ」です。この地で、早期退職後に新規就農した小林弘治さん(54歳)と妻の紀子さん(50歳)が主人公です。
東京都豊島区出身の弘治さんは、6歳からさいたま市で育ちました。大学卒業後は東京の大手広告会社に就職し、ビオラ奏者の紀子さんと結婚。紀子さんは20代の頃、趣味の農業に熱中していたそうです。弘治さんは、紀子さんから野菜作りの話を聞くうちに「大切な食べ物を自分で作る仕事をやってみたい」と思うように。新規就農の夢に、紀子さんも大賛成でした。そして弘治さんは46歳で早期退職。就農予備校で野菜作りの基礎を学び、故郷の「見沼たんぼ」に畑を借りて『こばやし農園』を開きました。
広告マンから農家に転身した弘治さん。天候などに左右され、当初はなかなか軌道に乗りませんでした。そこで、借りている畑の土壌を詳しく調査し、それぞれの畑に合う作物を研究しました。立派に育った野菜は、「味が濃い」「香りがする」と、お客さんからも大好評です。
「おいしい野菜をたくさんの人に食べてもらい、地域を盛り上げたい」と奮闘する弘治さん。故郷「見沼たんぼ」での野菜作りと、それを応援してくれる人々との交流の様子を紹介します。

現在『こばやし農園』は、8か所の畑を借り、およそ80品種の野菜を育てています。冬野菜のカブも「あやめ雪」「聖護院カブ」「津田カブ」など6種類があります。そんな弘治さんの野菜作りのこだわりは、「農薬や化学肥料を使わないこと」。畑の雑草を堆肥代わりに栽培しています。

この日訪ねたのは、地元のパン屋さん『魔女のコッペンパ』。立派に育った野菜を、大勢の人に食べてもらいたいと、お店の軒先に野菜を置かせてもらっています。店長の菅原さんからは「弘治さんは真面目で、それが野菜作りに表れていると思う。とってもおいしい」と嬉しいお言葉をいただきました。

一日の作業が終わって帰宅。持ち帰った野菜で紀子さんが夕食を作ります。カブのお味噌汁に、大根と玉子の煮物。カラシ菜と水菜のサラダなど、野菜中心の献立です。おいしい野菜料理に箸が進みます。食後は、紀子さんのビオラ演奏です。タイトルのないこの曲は、かつて紀子さんが畑で作業していた時に閃いた曲なんだそうです。

弘治さんは「見沼たんぼ」で新たなチャレンジも始めます。実は今年から稲作を始めようと田んぼも借りたんです。これから稲作を教えてくれる吉田忠男さんは、「見沼たんぼ」を守る活動を続けています。「見沼たんぼというからには、やっぱり田んぼやらないと」と意気込む弘治さん。米作りの師匠の元、新たな一歩を踏み出しました。

楽園通信

浦和くらしの博物館 民家園

浦和くらしの博物館民家園では、市内に残された昔懐かしい建物を見学することができます。ゆっくり散策してみてはいかがでしょうか。

電話番号:048-878-5025
開館時間:午前9時~午後4時30分
休館日:月曜(祝日は除く)
    祝日の翌日(土・日・祝日は除く)

魔女のコッペンパ

弘治さんの野菜も並ぶパン屋さんです。
自慢のパンは30種類。店内でランチを楽しむこともできます。

電話番号:048-685-3013
営業時間:午前10時~午後6時
定休日:月曜・木曜

こばやし農園

主人公・小林弘治さんの農園です。
野菜の直売もしていますので、詳しくは「見沼・こばやし農園」で検索してみてください。

直売日時:火曜・木曜~日曜
     午前10時~正午
※不定休