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2020年11月7日霜月の壱

栃木・小山市
~ 土の音響くオカリナ工房 ~

舞台は栃木県小山市。銀行を早期退職し、オカリナ工房を始めた板垣洋一さん(62歳)と妻の文子さん(61歳)が主人公です。
高校時代からギターが趣味で、一時期はプロを目指したほど音楽好きの洋一さん。
オカリナに興味を持ったのは陶器で有名な益子町で支店長をしていた時のこと。氏神様の祭り・土祭(ひじさい)で奉納された土笛(オカリナ)が、益子町の土で作られたものでは無いことを知ったのが全ての始まりでした。「陶器の町なのになぜ地元の土を使っていないのだろう?」。そんな疑問から「益子の土を使って自分でオカリナを作ってみよう」と洋一さんは考えたのです。でもオカリナは未知の楽器。まずは専門書を参考に試行錯誤。益子焼の窯元で土と陶芸技術も学びました。更にプロのオカリナ奏者のアドバイスを得て、次第に腕を上げていったのです。そして54歳で銀行を早期退職。オカリナ作りに本腰を入れ、57歳の時『オカリーナ工房・土音(ひじおと)』を構えました。
洋一さんが作るオカリナは仕上げ方で3種類に分かれます。もみ殻と炭を一緒に焼いた独特な風合いの黒陶モデル。拭き漆や色漆で仕上げた漆モデル。陶器のように2度焼きする釉薬モデル。どのモデルも郷愁誘ういい音色を奏でます。
自らもオカリナを演奏する洋一さんは、オカリナを広めたいとオカリナ教室で講師も務めています。そんな洋一さんの姿を見て、妻の文子さんは「これほどオカリナにのめり込むとは思わなかった」と笑顔で見守っています。
祭りで聞いたオカリナの音色に魅せられ、オカリナ作りを始めた洋一さんと支える文子さんの日常、そして音楽仲間たちとの交流の様子を紹介します。

オカリナの作り方は色々あるそうですが、洋一さんは表と裏を別々に成形し貼り合せて原型を作ります。その後、指穴を開けて荒調律をして朱泥を塗り2、3日乾燥させます。窯入れは月に2度程、1回に30本前後のオカリナを焼き上げます。窯出しの日は「いつもドキドキする」と洋一さん。特にもみ殻と炭を一緒に焼く「黒陶モデル」は、1つとして同じものが無い独特な焼き上がりが毎回楽しみなんです。

オカリナの演奏もする洋一さんは月に2回オカリナ教室の講師をしています。一緒に指導するのは中原蘭さん。蘭さんは洋一さんが作ったオカリナで演奏活動をしているプロのオカリナ奏者。オカリナに刻まれている「蘭」の落款は、いわば蘭さんのお墨付きの証なんです!そんな洋一さんと蘭さん、一緒にステージに立つこともあるんですよ。2人で奏でるオカリナの音色、是非聞いてみたいですね。

佐野市の「高谷オカリナの里」。ここはオカリナ愛好家が定期的に演奏会を開いている場所。この日は、演奏会へ向けて久しぶりにメンバー揃っての練習です。オカリナにアコーディオン、そして洋一さんはギターを弾き歌います。曲目は仲間が作曲し、洋一さんが作詞した『作原』という曲。オカリナの音色と洋一さんの歌声が、里の山々に心地よく響いていました!

小山市への移住定住を促進するプロモーションビデオの制作を頼まれた洋一さん。挿入する音楽に鳥や虫の音、風の音などを入れたいと、録音のため渡良瀬遊水地にやってきました。文子さんも手伝います。「小山にも行ったことがない所が一杯あるので、これからは夫の後を
ついて色々な所を巡りたい」と笑顔で話す文子さん。結婚して35年、これからもお2人仲良く人生を楽しんでください!

楽園通信

オカリーナ工房 土音(ひじおと)

洋一さんが作ったオカリナはインターネットで注文、購入できます。
黒陶モデル、漆モデル、釉薬モデルなど色々なオカリナがあります。
『オカリーナ工房 土音』でホームページを検索してください。

電話番号:0285-50-6199
問い合わせ:午前9時~午後5時

黒陶モデル:15,400円~

山野楽器 銀座本店

洋一さんのオカリナは東京・銀座でも購入できます。

電話番号:03-3562-5051
営業時間:午前11時~午後7時30分
(土曜・日曜、祝日は午前10時30分から)