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2020年10月24日神無月の四

群馬・上野村
~ 自然の贈りもの 草木染め ~

群馬県上野村が舞台。山の豊かな自然に惚れこみ移住、村の植物を使った草木染め工房を開いた三浦由紀さん(57歳)が主人公です。
大学卒業後、建築関係の仕事に就きながらも、「本当にやりたい事は何なのか」と模索する日々を送っていた由紀さん。39歳の時、「緑のふるさと協力隊」の募集記事を見つけ、応募しました。赴任先となった上野村で一年間、飲食店や山での作業を手伝いながら、村民との交流を深めていきます。そして翌年、山が芽吹く頃に任期を終えました。
ところが村で過ごすうちに、由紀さんにある思いが…。「一年で帰るのはもったいない。今年もまた上野村で山の芽吹きが見たい」と村に移住。みそ作りや木工クラフトなど、様々な自然体験ができる村の施設で働き始めました。ここで出会ったのが草木染め。観光客に教えるために専門知識を学ぶうち、趣味としても熱中するように。やがて、村のイベントで自分の作品を販売することになり、これが転機となりました。「自分の作品をみんなキレイだと言ってくれる。草木染めでやっていきたい!」。こうして由紀さんは2010年、工房を『紬樹(ゆき)の雫』と名付け、草木染め作家として新たな人生を歩み始めました。
「山の芽吹きをもう一度見たい」と上野村に移住し、草木染め工房を開いた由紀さん。
草木染めで村の魅力を伝えようと奮闘する由紀さんと、応援する地元の方々との交流の様子を紹介します。

栗のイガや桜の樹皮など、四季折々の村の植物を使って染める草木染め。この日、煮だしているのはコブナグサです。煮だしたコブナグサの染液に布を浸けて水で洗い流し、金属イオンが含まれた媒染液に浸けることで発色させ、定着させます。もう一度すすいで染液に戻すと…鮮やかなマンゴー色になってきました!その日の天気や気温によっても発色が変わる様子はまさに“一期一会”。由紀さんは毎回ワクワクするといいます。

朝、借りている畑で収穫です。畑と言っても、育てているのは野菜ではなく、染めの材料となる植物がほとんど。「上野村の素材にこだわった染めをしたい」と考えている由紀さんにとって、植物は大切な自然からの贈りもの。愛情いっぱいに育てています。この日収穫したのは藍。絹のストールを藍染めし、清々しい青色に染め上げました。

上野村に移住してからというもの、由紀さんはたくさんの人に支えられてきました。「緑のふるさと協力隊」の一年後輩の玉川漢乃さんは、染めの手伝いの他にネット販売用のストールの写真撮影など、何かと協力してくれます。工芸の先輩・青木岳男さんも「力になりたい。お手伝いがしたい」と、由紀さんを応援してくれています。
藤田源一郎とスエさんご夫婦は、移住した初日からのお付き合い。「謙虚な方で真っすぐ。三浦さんとは親子のよう」と、由紀さんを可愛がってくれています。支えてくれる温かい存在に、感謝の思いをかみしめる由紀さんでした。

この日は高崎市にやってきました。訪れたのは染めと織りの教室「canoan」。江戸時代末期から群馬県に伝わる上州座繰りで、まゆから糸をたぐります。由紀さんはこの糸を工房で染めました。その糸を使って中野紘子先生に教わりながら、織り進めます。誠実に真っすぐに、草木染めに向き合ってきた由紀さんの新たなチャレンジ。その姿は生き生きと輝いています!

楽園通信

上野村ふれあい館

「川の駅上野」のふれあい館では、由紀さんのストールが購入できます。数に限りがあるため、あらかじめご了承ください。

電話番号:0274-59-3223
営業時間:午前8時30分~午後5時30分
定休日:火曜

紬樹の雫

ネット販売をご希望の方は、「紬樹の雫」と検索してください。
詳しくは、「上野村産業情報センター」までお問い合わせください。

問い合わせ先:上野村産業情報センター
電話番号:0274-20-7070
問い合わせ時間:午前9時~午後5時