
千葉・富里市
~ つなぎは思い出 愛情そば ~

舞台は、成田空港の西側に位置する千葉県富里市。定年退職後、手打ち蕎麦のお店と千葉県の郷土料理「太巻き祭りずし」の料理教室を始めた、村上壽一(としかず)さん(72歳)が主人公です。
千葉市で生まれた壽一さんは専門学校を卒業後、地元の建設会社に就職。24歳の時、当時、働いていた建築現場の目の前にあった家の娘さんで、一つ年上の京子さんと出会い結婚しました。2人の子供を育てながら、忙しくも充実した日々を過ごしていた壽一さん。転機が訪れたのは、管理職となり仕事に余裕が出始めた50代を過ぎた頃。妻の京子さんに誘われ、「太巻き祭りずし」の料理教室に参加したことがきっかけでした。料理に興味を持つようになった壽一さんは、蕎麦打ちも習い始め、京子さんと2人で「いつか一緒に小さな飲食店をやりたいね」と夢を語るように。
ところが、壽一さんが60歳の時、京子さんが病気で亡くなってしまいます。妻に先立たれ、生きがいを失いかけていた壽一さん。そんな時、知人から畑をやらないかと勧められ、京子さんが好きだったヤマユリを育てます。すると農作業を通じて、たくさんの仲間ができるようになり、徐々に元気を取り戻していきました。そして、京子さんとの夢を実現させるため、壽一さんは再び料理教室に通い定年退職後の2014年、「太巻き祭りずし」の料理教室と手打ち蕎麦の店、『さと玄庵』をオープンしました。
京子さんとの思い出をつなぐお店を始めたことで、新たな生きがいを見つけた壽一さんと、応援する仲間との心温まる日常を紹介します。



一人一人のお客さんとの時間を大切にしたいと、壽一さんの手打ち蕎麦は1日10食限定です。さらにモンゴル高原から取り寄せている蕎麦の実も壽一さんのこだわり。天日干ししていて蕎麦本来の甘みや香りが強いので、少量の塩と蕎麦の実7、白米3の割合で炊いて蕎麦粥にしています。この日、来店した山路さんご夫婦も、この蕎麦粥の大ファンなんです。



この日は、壽一さんが会員になっている千葉伝統郷土料理研究会の方と「太巻き祭りずし」を作ります。研究会の先輩である増谷さんは、15年前、壽一さんと妻の京子さんに「太巻き祭りずし」の作り方を教えてくれた先生でもあるんです。あの時に出会いが、今も壽一さんを支えています。今回、手打ち蕎麦を使った新しい「太巻き祭りずし」に挑戦しました。「お蕎麦とすし飯が合いますね!」と、会員の皆さんにも大好評。手打ち蕎麦と太巻き祭りずしのコラボレーション、大成功です!



朝、畑にやってきた壽一さん。この日は、農作業仲間と里芋の収穫です。午後には、お店で蕎麦打ち教室を開催。生徒は里芋の収穫を手伝ってくれた小笠原さんと八木さんです。収穫したばかりの里芋も天ぷらにして頂きました。気の合う仲間と人生を“一生懸命に楽しむ”壽一さんです。


隣町の八街市にやってきた壽一さん。この日は、一緒に農作業を楽しんでいる「ピーちゃんクラブ」の皆さんと千葉県の特産品の落花生を収穫します。なるほど、“ピーナッツ”だから、「ピーちゃんクラブ」なんですね。塩ゆでした新鮮な落花生は、甘い香りがして冷えたビールにぴったり!たくさんの仲間たちと一緒に過ごす毎日は、まさに“人生の楽園”です!




さと玄庵
壽一さんが作る手打ち蕎麦は、1日10食限定です。また、蕎麦打ちや太巻き祭りずしの料理教室は、事前に予約をお願いします。
電話番号:090-3408-8347
営業日時:木曜・土曜・日曜・祝日
午前11時30分~午後3時
【そば屋】
天せいろ:1,800円
※蕎麦の販売は1日10食限定
【料理体験教室】
手打ちそば(500g):3,500円~
※1名から受け付け
太巻き祭りずし(2本):3,500円~
※3名から受け付け