
埼玉・東松山市
~ 母さんの梨はウメェ~ ~

舞台は梨の産地として知られている埼玉県東松山市。主人公は、梨好きが高じて梨園を始めた千葉有美子さん(51歳)です。
和歌山県出身の有美子さんは、神奈川県の大学を卒業し22歳で結婚。埼玉県で新生活を始め3人の娘が生まれました。その後、離婚を経験し仕事に子育てに1人で頑張っていました。有美子さんに転機が訪れたのは40代半ば。埼玉県農林公社が就農希望者を非常勤職員として採用する、との公募を知ったのが全てのきっかけでした。元々農業に興味があり、梨が好きだった有美子さんは迷わず応募し、採用されます。そして埼玉県の研修施設で半年、さらに農家で1年間梨の栽培を学びました。同時に高齢化や後継者不足で休耕畑、耕作放棄畑が増えている梨農家の実状も知ることに。「休耕畑を再生し次世代に梨畑を繋いで行こう」と有美子さんは改めて決意します。その強い思いを胸に44歳で梨農家として第一歩を踏み出したのです。
梨栽培を始めて7年、現在は「豊水(ほうすい)」、「新高(にいたか)」、「あきづき」、「王秋(おうしゅう)」など15種類の梨を栽培しています。販売は東松山市とお隣の滑川町の2か所の直売所で行っています。休日には一緒に暮らす長女・鮎佳さん(27歳)と三女・萌香さん(21歳)も手伝ってくれます。
有美子さんの梨園、屋号は『なしやさん』。黄色い幟に描かれているのは、梨の実とヤギ。実は有美子さん、ヤギ20匹をペットとして飼っているのです。それぞれに梨の品種に因んだ名前も付けています。中でも生後1か月の子ヤギ「天祐(てんゆう)」は自宅のベッドで一緒に寝るほど可愛がっています。それほどヤギ好き!そして梨好き!の有美子さんです。
大好きな梨で地域を盛り立てたい!と奮闘する有美子さんの姿と、それを支える家族の絆、そして、地域住民との交流の様子をご紹介します。



今は毎朝、梨の収穫に追われています。この日は「新高」の今シーズン初収穫です。梨の王様とも呼ばれている「新高」は大玉で酸味が少なく果汁がたっぷり。もぎたてを味見し、思わず笑みがこぼれた、梨好きの有美子さんでした!


“ウチの梨はウメェ~!”と、いつも宣伝してくれているペットのヤギたち。名前は美月(みずき)、香(かおり)、涼月(りょうげつ)など、みんな梨の品種と同じ名前なんです。生後1か月の天祐(てんゆう)は、いつも有美子さんの後をチョコチョコ追いかけています。その姿がカワイイ!一緒に寝ている有美子さんの気持がわかります。


この日は、有美子さんの誕生日。大学がお休み中の三女・萌香さんが料理の腕を振るい、ふわふわ卵のオムライスとハンバーグを作りました。東松山市のクラフトビール屋さんとコラボした梨のビールで乾杯です!萌香さんに抱負を聞かれ、「牛を飼う!」と答えた有美子さん。実は大学で畜産を学んだそうで、納得です!



市内の幼稚園児たちが梨狩りにやってきました。脚立に上り、自分の顔ほどの大きな梨を見つけ「このナシがいい!」と楽しい梨狩り体験。子ヤギの天佑(てんゆう)を見つけ「シカ?!シカ?!」と園児たち。賑やかな1日でした。




なしやさん
今シーズンは残り2品種「新高」と「王秋」のみ。
「新高」は10月中旬頃まで、「王秋」は11月上旬で終了予定です。
梨の加工品は『なしやさん』の直売所でも購入できます。
なお、今シーズンの梨狩りは終了しました。
電話番号:090-4089-2681
営業時間:午前10時~午後1時
※売り切れ次第終了
問い合わせ時間:午後2時~午後4時
【商品】
新高:5キロ 3,200円~
王秋:5キロ 4,000円~
梨パウンドケーキ:600円~
梨ゼリー:1個 150円
梨ようかん(5本入り):300円