
埼玉・東松山市
~ お父さんの夢 鳩レース ~

埼玉県東松山市が舞台。少年時代の夢をかなえるため、鳩レースの大会入賞を目指す新井康夫さん(69歳)と、妻のみさ子さん(69歳)が主人公です。
東松山市で農家の次男として育った康夫さん。レース鳩に興味を持ったきっかけは、昭和39年、戦後復興をかけた祭典として行われた東京オリンピックの開会式でした。秋晴れの空に放たれた8000羽のレース鳩をテレビで観た中学生の康夫さんは「いつか自分もたくさんの鳩を空に飛ばしてみたい!」と思うように。
高校卒業後、東松山市の動物園の飼育員として働き始めた康夫さんは、30歳のとき、みさ子さんとお見合い結婚。同じころ、レース鳩を飼い始め、大会にも出場しましたが、2人の子供が生まれると家計が厳しくなり、鳩レースを断念することに。しかし、定年退職が近づくと、「もう一度、レース鳩を育てて大会に出場したい!」と思い立ち、康夫さんはコツコツと鳥小屋をリフォーム。定年退職後、鳩の訓練を始め、2017年ついに本格的に鳩レースへの復帰を果たしました。
子どもの頃にテレビで観た、東京オリンピックの映像が忘れられず、レース鳩を育て始めた新井康夫さんと、それを支える妻のみさ子さんの日常を紹介します。



今年の秋に行われる鳩レースの大会で上位入賞を目指している康夫さんは、毎朝、鳩を空に放して運動させています。そんな康夫さんのもう一つの夢は、子供たちのために『ふれあい動物園』を作ること。烏骨鶏や東天紅、キンケイ、アローカナなど8種類の鳥を育てています。一方、妻のみさ子さんの趣味は自宅前の畑でお花や野菜を育てること。でも鳩の方は…ちょっと苦手なんだそうです。それぞれが好きなことを、好きなように楽しむ。それがお2人のモットーです。



お2人は10年以上前から食べきれない野菜などの直売もしています。野菜は50円か100円のワンコイン。烏骨鶏とアローカナの卵は5個入りで200円です。直売所も康夫さんの手作りです。ご近所の常連さんからは「新鮮で安い!」と大好評。これからも期待に応えて野菜づくりも頑張りましょう。



この日、康夫さんは鳩たちと一緒に、自宅から10キロほど離れた熊谷市の河川敷にきました。ここから鳩を放して放鳩訓練という大会を想定した実践訓練を行うそうです。自宅の鳥小屋までの目標タイムは15分~20分。鳩たちのあとを追い、自宅へ戻った康夫さん。急いで鳥小屋をチェックすると…鳩たちは無事に戻ってきていました。目標タイムもクリアです。この調子で秋の大会も頑張りましょう。



この日は、群馬県から息子夫婦と孫が遊びにきました。長男・雅也さんと妻の奈央子さん、孫の奏海ちゃんと伶ちゃんです。奏海ちゃんと伶ちゃんはエサやりのお手伝い。奏海ちゃんの将来の夢は獣医さんです。動物好きの血は、しっかりと孫にも受け継がれています。そして長男の雅也さんは「父はあきらめない人。母は、そんな父に文句を言いながらもサポートしてくれる、バランスの取れている夫婦」と仰っていました。子供は親をよく見ています。康夫さん、みさ子さん!幸せですね。