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2020年8月29日葉月の伍

茨城・常陸太田市
~ 丁寧に生きる 男の農業 ~

舞台は茨城県常陸太田市。脱サラし4年前に農業を始めた蛭田元勝さん(51歳)が主人公です。
埼玉県桶川市で生まれ茨城県日立市で育った元勝さん。高校卒業後は電気設備エンジニアとして働いていました。趣味は自転車競技やトライアスロン。大会出場のため持久力のある体を作りたいと、食べ物に関心を持ったことがきっかけで、次第に農業に興味を抱くようになっていきました。その結果、「自分で食べるものは自分で作ろう」と考えた元勝さんは、43歳のとき一念発起。会社を辞め長野県の農業法人に就職し農業の世界へ足を踏み入れました。その後、水戸市の学校で野菜作りの基礎を3か月間学び、さらに、常陸太田市の農家で有機野菜の栽培から販売までを1年半学びました。そして2016年、47歳で野菜農家として第一歩を踏み出しました。
元勝さんの農業は農薬を使わない少量多品目栽培。現在は枝豆、ナス、トマトなど10種類程が収穫期を迎えています。しかし、今年は連日の雨で生育が遅く収穫量も減っているそうで、毎日野菜の世話に明け暮れています。
野菜の販売は個人のお客さんを相手に宅配便と直接配達を行います。「おまかせ野菜BOX」と名付けた宅配便はS・M・Lの3種類のサイズがあります。日によって野菜の種類は変わりますが、Sサイズで8種類から11種類の野菜が入ります。配達契約のお客様は、日立市、水戸市を中心に40軒程。野菜を購入している飲食店の店主は「元勝さんの野菜は味がしっかりしていて美味しい。少量でも配達してくれるから助かる」と話します。お客様との信頼関係がしっかり出来ている証です。
元勝さんは、田園風景が広がる常陸太田市折橋町の借家で1人暮らし。一室には趣味の自転車が8台保管されています。色々な競技大会に出ているうちに台数が増えたそう。現在は大会出場を休止していますが、農業が軌道に乗ったら、また出場したいとトレーニングを続けています。「農業を始めた動機は、持久力のある体を作るため。いずれ大会に出場して、農業からのフィードバックがあることを証明したい」と元勝さんは語ります。
“楽しくやりたいことをやる。農業も遊びもすべてに手を抜かず、きちんとやる丁寧な暮らし”それが元勝さんのライフスタイル。そんな元勝さんの日常と支えてくれる地域住民との交流の様子をご紹介します。

元勝さんの農業は少量多品目栽培。お客様に送る宅配便の「おまかせ野菜BOX」にも様々な野菜が入ります。この日は新鮮な野菜10種と「娘来た」という地元在来種の小豆を入れました。添えた手紙には、「娘来た」のオススメの食べ方を紹介。見た目は色がまだらですが、味が濃いので、ご飯に加えたり、水ようかんに入れると美味しいそうです。

元勝さんの趣味は自転車。早朝、畑仕事の前に1時間かけて山を駆け抜けます。20代の頃から数々のマウンテンバイクの大会に出場してきた元勝さんですが、今はお休み中。農業が軌道に乗ったら、また大会に出たいとトレーニングを続けています。農業も趣味もとことん真面目に向き合う。それが元勝さんの目指す“丁寧な暮らし”なんです。

野菜は宅配便の他に直接配達もしています。車で1時間かけ向かったのは水戸市内の飲食店2軒。動物性食品を使わない料理を提供しているヴィーガンカフェのオーナーは「元勝さんの野菜は味がしっかりしていて美味しい、人柄が味に出ている」と絶賛。そのオーナーからの紹介でお付き合いが始まった洋食店の店長さんは「農薬を使っていない野菜なので、お客様に提供するだけでなく、自宅での料理にも使ってます」と笑顔でした。

サラリーマン時代は外食が多かったという元勝さんですが、今はほぼ毎日自炊です。食材は傷んだり、売れ残ったりした野菜を使います。この日の夕食は空心菜炒め、ズッキーニのみそマヨ焼き、キャベツとベーコンの煮込み、そして元勝さんが自分で漬けた、らっきょう、卵黄の味噌漬け、みょうがのぬか漬けです。「料理は好きだけど決して得意じゃない」という元勝さんですが、初めて育てた野菜や珍しい野菜が取れたときはSNSで食べ方なども紹介しています。

楽園通信

ひるた農園

元勝さんが栽培した野菜は近隣市町村への配達の他、宅配便「おまかせ野菜BOX」での購入が可能です。

Facebook「ひるた農園」で検索してください。
問い合せ、注文など全てメールでお願いします。

【おまかせ野菜BOX(野菜8~12種類)】
S:2,200円
M:2,700円
L:3,200円
※送料&税込み