
山梨・甲斐市
~ 笑顔を届けるフルーツ農園 ~

舞台は山梨県甲斐市。あま~い果物を食べてみんなに笑顔になってもらいたいと、桃やブドウなどの果樹栽培をしている小林聡さん(58歳)と、妻の由紀子さん(57歳)が主人公です。
甲斐市出身の聡さんは大学で情報学を学び、卒業後は電子機器メーカーに就職。エンジニアとしてテレビやカメラの技術開発に取り組みました。31歳の時、友人の紹介で外資系銀行に勤めていた由紀子さんと出会い結婚。3人の子どもに恵まれます。聡さんの実家は甲斐市で農業を営んでいたため、月に一度は家族と共に帰省し、みんなで農作業を手伝っていました。当時から、いずれは畑を継ごうと考えていた聡さん。その後、管理職となり、ものづくりの現場から離れていたことから「もう一度、ものを作る喜びを感じたい」と、53歳で早期退職を決断。家族の理解を得て、農業の道へと進むことにしたのです。約9か月間、山梨県の農業大学校に通い、桃とブドウの栽培方法を習得。2016年、甲斐市の双葉地区で『小林農園』をスタートさせました。
「人々に笑顔を届けたい」と果樹栽培に日々奮闘する聡さんと由紀子さん。頑張るご夫婦の日常と2人を支える家族、そして応援してくれる農家仲間や友人たちとの交流の様子を紹介します。



この日は、「あかつき」という桃の収穫日。今年は雨が多く、色づきが良くなかったそうですが、その果実は見ているだけで幸せになるほどに美しいピンク色!そして果肉は「みずみずしてくて上品な甘さになっている」と聡さんは話します。桃は傷みが早いため、収穫時期を迎えると一気に収穫しなければなりません。今回は4日間でおよそ1800個。ご夫婦だけではとても間に合わないため、収穫のお手伝いに、長女の恵瑠さんと次男の惇さんが来てくれました。見事な連携プレーでこの日の収穫は予定通り終了しました!



収穫は終わっても、まだ作業は続きます。自宅に持ち帰った桃の傷の有無をチェックし、大きさや重さで仕分け、一つ一つ丁寧に箱詰めしていきます。直売所に持っていく5キロ詰めの箱は、1列4個で4列、合計16個で5キロの重さにします。
ここは箱詰め担当の由紀子さんの腕の見せ所。隙間なくきれいに並べられた箱を量ってみると…ちょうど5キロ。「ぴったり~!」と笑顔がこぼれます。



箱詰めした桃を出荷するのは近所の直売所。丹精込めて育てた桃を商品棚に並べる瞬間は、感慨もひとしおです。「お客様が“おいしいよね”っていう姿を思い浮かべながらの箱詰めが楽しいし、やってて良かったと思うタイミング」。直売所からの帰り道、聡さんの農業大学校時代の後輩、中山雅弘さん広美さんご夫婦の畑にやってきました。お2人に今年の桃を食べてもらいます。「甘くておいしい!」中山さんご夫婦の笑顔を見て、うれしそうな聡さんと由紀子さんです。



3年前から、聡さんは東京でも桃やブドウなどの果物を販売しています。この日は、由紀子さんと子供たちが暮らす自宅の近くの産直市場に桃を出荷。今後はネットマルシェなども利用して、もっと多くの人に食べてもらいたいと考えています。久しぶりに自宅に戻った聡さんは、エンジニア時代の同期の鈴木秀明さんとリモートで再会。今年送った桃の感想を聞こうとすると、鈴木さんがリモート試食。「おいしい!」と笑顔いっぱいの親友に、思わず目頭が熱くなってしまった聡さんでした。



双葉 農の駅
地元の新鮮な農産物が集まる直売所です。
カリカリの甘い桃は地元ならではの味わいです!
電話番号:0551-20-0035
営業日時:午前9時~午後5時
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)


武蔵野新鮮館
東京都にある産直市場です。
これからはブドウが美味しくなるシーズンです!
電話番号:0422-54-7150
営業日時:午前10時~午後4時

K.Field Works 甲斐市小林農園
聡さんの栽培する果物は、今後、インターネット等での販売も計画しています。詳しくは、『K.Field Works 甲斐市小林農園』のホームページをご覧ください。