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2020年6月13日水無月の弐

もう一度会いたい 楽園の主人公
高知・四万十町 & 北海道・富良野市
~ ようこそ!私のつつじ山
& 丘の上の食いしん坊カフェ ~

かつての放送を再構成して、“もう一度会いたい楽園の主人公”2組をご紹介します。1組目の舞台は、清流・四万十川の流れ美しい高知県四万十町。主人公は、自宅の裏山に自生するツツジをコツコツ増やし、訪れる人をもてなしている川上昭美さん(64歳)です。町でクリーニング店を営む親さんと22歳で結婚し、店を切り盛りしながら2人の娘を育てた昭美さん。その後、ご夫婦は昭美さんの実家で暮らすように。2004年に父・哲夫さんが亡くなり、裏山に自生する「ツツジ」を守るように遺言を残しました。その後、昭美さんは荒れていた山の手入れを始め、11年かけて山を見事な「ツツジの山」にしたんです。4月になると遠くからでも分かるほど、明るいピンク色に染まる裏山。そのうち「近くで見たい」と人々が訪れるようになり、昭美さんは訪れる人を快く迎え、山の案内をするなどもてなすことも始めました。
放送から3年、今年の春もツツジは綺麗に咲きました。昭美さんのツツジの山は、さらに手を加えてどんどん進化しています!
(※2017年4月29日放送分を再構成)

こちらが、昭美さんが手入れをしているフジツツジです。藤の花に近い淡い赤紫色で、一般的なツツジに比べ、葉が小さく花が小ぶりであることが特徴です。100年以上前、植物学者が高知県で発見、新種として発表しました。学名は「Rhododendron tosaense Makino」。「tosaense(トサエンス)」、つまり“土佐の”という意味を持つ地元由来のツツジです。春にピンク一色となる“ツツジ山”を保つためには、年間を通じて地道な作業があります。その一つが山に育つ「フジツツジ」の木だけを残し、周囲に生えてくる別種類の木を伐採する作業。この日、昭美さんが伐採をしていると、なんと刈った場所から野うさぎがひょっこり!山に手を入れるということは、動植物との共存でもあります。そのため、機械ではなく、手で丁寧に伐採作業をするそうです。

昭美さんのお宅に続々と人が集まって来ました。この日は毎年行っている、ご近所さんを招待してのお花見会。たくさんの方々の歓声や笑い声で、山はとってもにぎやかです。かつては一緒に山の手入れもしていた昭美さんの姉・菊美さんは、お弁当屋さん。早起きして、山菜をたっぷり使ったお花見弁当を作って来てくれました。また、昭美さんの妹・久子さんは、母・節子さんを車椅子で外に連れ出し花見物です。「きれいね、こんなになると思わんかったね」と鮮やかな花に目を細めていました。昭美さんは、山で採れたワラビやタケノコでごちそうを作り、重箱に詰めて皆さんに振舞います。ワイワイ食べながら、ツツジを眺めるご近所の方々。こうして皆さんに喜んでもらえることが、昭美さんの喜びでもあります。

あれから3年。ビデオレターで元気な姿を見せてくれた昭美さん。今年の春も綺麗に咲いたツツジの写真も届きました!山の入口には、以前は無かった巨大な看板が。お孫さんの協力で新たに設置したそうです。昭美さんが山に登ると、綺麗に草を刈り、ロープや杭で手すりまで設置された小道が現れました。これは、昭美さんが鍬でコツコツ作業して手作りした遊歩道。上まで登った先は…ツツジが咲き終わった後の美しい新緑が広がり、清流・四万十川が一望出来ます。せせらぎや鳥の声が聞こえ、開放感にあふれた昭美さんお気に入りの場所。訪れる人々に喜んでもらいたい一心で、昭美さんは年々山に手を加えています。常に進化を続ける“ツツジの山”なのです。


2組目の舞台は、ラベンダーの季節を迎えた北海道富良野市。主人公は見晴らしの良い丘の上で、パスタやランチが評判のカフェレストランを始めた宮本直樹さん(58歳)と妻の睦さん(57歳)です。東京に暮らしていたお2人の前職は、オーケストラ奏者。海外公演で世界を回るうちに、沢山の美味しいものに出会ったお2人。自他ともに認める“食いしん坊”の直樹さんは、海外で食べた料理を再現することが趣味となり、周囲に振る舞うようになります。やがて「料理の道で生きていきたい」と楽団を退団し、直樹さんの生まれ故郷の富良野に夫婦で移住。2014年、農機具小屋を改装してカフェレストラン『halu CAFÉ』をオープンしました。“食いしん坊魂”全開の直樹さんの料理は、どれも手間暇かけた絶品の一皿。野菜や小麦、肉など富良野の食材にこだわり、そんな直樹さんの料理を求めて、お店には日々沢山のお客さんが訪れていました。放送から5年、お2人は新たな挑戦を始めていました。富良野の特産品で作る野菜のジャム作りです。食いしん坊ならではのアイデアで、地域を元気にしながら、頑張っています。
(※2015年8月1日放送分を再構成)

東京で暮らしていた頃は、世界中で食べた料理の味を再現しては楽しんでいた直樹さん。お店で出すメニューは、“本場イタリア・ローマのレシピで作るカルボナーラ”などその経験と腕前を活かしたものばかりです。しかも、地元・富良野の食材をふんだんに使っているのが特徴。富良野市は農業も畜産も盛んで、美味しい食材がたくさん手に入る土地です。こだわりの豚肉や牛肉、乳製品、新鮮な野菜たち…。お店でお出しするパンやパスタまでも、地元の農家さんが丹精込めて育てた小麦で作っています。そんな地元ならではの味に触れることが出来る『halu CAFÉ』、直樹さんの料理をお目当てに日々大勢のお客様がやってきます。そのため、空席待ちのお客様が出てしまうことも…。そんな時、あまりの忙しさにお手上げポーズをしながら「ぱーっ!」と叫んでしまった睦さん。てんてこ舞いになりながら頑張っていました。

宮本さんご夫婦が富良野へ移住した理由の一つが、直樹さんの両親の存在でした。父・博さんと母・美子さんは、共に90代。ご夫婦と両親の4人家族となりみんなで囲む食卓は、とてもにぎやかで楽しいものになったそうです。お父さんもお母さんも、「息子も嫁さんも、めんこい(かわいい)」と仰っていました。別の日、大きなサイロがある家を訪ねた直樹さんと睦さん。こちらの磯江光雄さんとアイ子さんも「もう一組の両親」なんです。お2人は直樹さん生みの親であり、直樹さんは子供がいなかったアイ子さんのお姉さん夫婦の養子となりました。磯江家ではお店のために、畑で育てた野菜をたくさん分けてくれます。“二組の父さん母さん”は、宮本さんご夫婦の心の支えとなってくれている温かな存在です。

放送からおよそ5年。お2人は新たな挑戦を始めていました。それは富良野の特産品で作る加工品、ジャム作り。中でもユニークなのが、野菜を使ったジャムです。例えば「青トマト」。夏が短い富良野では、夏の終わりに赤くならなかった沢山の青トマトが廃棄されてしまいます。お2人はそんな青トマトを無駄にしたくないと保存し、バルサミコ酢やコショウを加えてスパイシーなジャムに仕立てました。また、旬の時期に保存した「赤トマト」を使ったジャムは、トロリとして爽やかな甘さ。そして、特産のタマネギをオリーブオイルでじっくり炒め、バルサミコ酢やコショウなどを加えて作る「スパイシーオニオンジャム」。料理の隠し味に使うとコクが出るそうです。お店でどう使うかというと…富良野産豚に焼き目を付けてから柔らかく煮込み、さらにタマネギジャムを使用した特製ソースを塗りオーブンで焼き上げてスペアリブに。青トマトのジャムを添え、少しずつ付けて頂くと…爽やかな酸味とスパイシーな味わいがお肉の味を引き立て、その相性は抜群です!

楽園通信

ツツジ山

主人公・川上昭美さんが手入れをしている自宅裏山の「フジツツジ」の山。

今年の開花は終了していますのでご了承ください。
毎年4月頃に見ごろを迎えます。

halu CAFÉ

主人公、宮本さんご夫婦が営むカフェ。
お店は富良野市を見下ろす、小高い丘の上にあります。地元産の食材にこだわった料理はパスタが中心。他にもカレーやパンケーキなどのスイーツもあり、充実しています。
富良野を訪れた際は、食いしん坊夫婦の自慢の味、是非お試しあれ!

電話番号:0167-22-1266
営業時間:午前10時から午後5時
     (午後4時ラストオーダー)
定休日:6月は月曜日・火曜日定休
    7月から月曜日定休

※営業時間は変更されることがあるのでご確認ください