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2020年3月14日弥生の弐

千葉・山武市
~ 笑顔満開 ばあちゃんピザ ~

舞台は房総半島の九十九里浜に面する千葉県山武市。平均年齢75歳の仲間と一緒にピザ店を始めた橋本京子さん(81歳)が主人公です。
旧蓮沼村(現・山武市蓮沼)で生まれ育ち、洋裁の専門学校を卒業し家事手伝いをしていた京子さん。地元青年会の活動で6歳年上の和信さんと出会い21歳で結婚。2男1女が生まれ幸せな日々を送っていました。しかし、京子さんが39歳の時、夫・和信さん(当時45歳)が膵臓ガンで亡くなってしまいます。子供たちのため、生活のため、京子さんは飲食業や生命保険の外交員など仕事に明け暮れる日々。気が付くと夫・和信さんの死から10年が経っていました。そんなある日、今度は長男・信吾さんが交通事故に遭い27歳の若さで亡くなってしまったのです。夫、長男を亡くした悲しみを紛らわすかのように、地域の婦人会活動に没頭する京子さん。その後、主婦仲間で「笑(しょう)の会」を立ち上げ、みんなと一緒に趣味に打ち込み、徐々に元気を取り戻していきました。しかし、そんな京子さんを今度は病が襲います。くも膜下出血で入院。幸い大事には至らず、後遺症もありませんでした。退院後は体力作りにと仲間とグラウンドゴルフを楽しむように。グラウンド横には休憩小屋を建てピザ用の薪窯を作り、ピザを焼いてはみんなに振る舞いました。すると、そのピザが美味しいと評判になり、みんなでピザ屋を始めようと思い立ちます。こうして、市が管理する施設を仲間と借り、昨年6月『BaBa(ババ)ピザ』をオープンしました。
店名の『BaBaピザ』は、平均年齢75歳と高齢者ばかりなので「婆」をローマ字表記したもの。営業は金、土、日の週末3日間。人気のピザは、九十九里浜で獲れたハマグリをたっぷりトッピングした「ハマグリのピザ」。厚めでもっちりタイプの生地もハマグリの煮汁を混ぜたホワイトソースで味付けしています。81歳の京子さんと70歳から83歳の「笑の会」メンバー5人が生地づくりから接客まで元気にこなします。
夫と長男の早過ぎる死。そして自身を襲った大病。波乱万丈な人生を経て、『BaBaピザ』という新たな生きがいを見つけた橋本京子さんと、平均年齢75歳の笑顔満開なお母さんたちの姿を紹介します。

お店から車で5分ほどの場所にある京子さんの自宅。広いリビングには趣味で作った様々な作品が飾ってあります。水墨画、油絵、水彩画や陶芸。そして和紙に柿渋を塗った「一閑張り」も。さらに、古い着物などをリサイクルした洋裁と京子さんの趣味は多彩です。

営業日。さっそく常連さんが来店しました。ご注文はイワシピザとミックスピザ。イワシピザは、ホワイトソースを塗った上に、山武市特産の「海水ネギ」をたっぷりのせて、九十九里で水揚げされたイワシをトッピング。「海水ネギの甘くてシャキシャキした食感とイワシの香ばしさが美味しい!」と、ほとんどのお客さんがオーダーするほど人気です。お客さんの「美味しい!」に背中を押され、さらにBaBaパワー全開で頑張っています!

閉店した午後3時。昼食は皆さん持ち寄りです。この日のおかずは、「サンマの卯の花漬け」にエシャレット入りの「松前漬け」、そして郷土料理「イワシのごま漬け」。さらに焼きおにぎりとカップ麺です。食事をしながら四方山話に花が咲きます。
気の合う仲間たちで始めた『BaBaピザ』。以前は楽しまなくちゃと無理をしていた時もありましたが、今は自然と楽しめている京子さんです。

『BaBaピザ』の定休日。調理場では味噌づくりが行われていました。この地域では年に一回、大豆を持ち寄り、各家で使う1年分のお味噌をみんなで作ります。さらに、この日は「笑の会」で使うお味噌も作っていました。一体何に使うのかというと…地元で「みそやんき」と呼ばれる、みそ焼きおにぎりに使います。「笑の会」では「みそやんき」を年に3回、近くの道の駅で販売しているんです。京子さんは、みんなで集まっておしゃべりすることが一番楽しいと満面の笑顔でした。

楽園通信

BaBaピザ

橋本京子さんを始め「笑の会」のメンバーで営んでいるピザ店です。
地元の野菜や九十九里浜で獲れたハマグリなどを使ったピザが人気です。もっちりとした厚い生地が絶品です!

電話番号:090-8343-7261
営業日時:金曜・土曜・日曜 午前11時~午後3時

【メニュー】
ミックスピザ:800円
イワシとネギのピザ:800円
ハマグリピザ:1,000円