
宮崎・日之影町
~ 故郷で舞う 憧れの神楽 ~

宮崎県日之影町が舞台。44年ぶりに故郷にUターンし、子供の頃に憧れた伝統芸能・神楽に挑戦する興梠(こうろぎ)文雄さん(66歳)と、妻の頼子さん(65歳)が主人公です。高校卒業後に電電公社に就職し、大阪勤務となった文雄さん。堺市出身の頼子さんと出会い27歳で結婚、2人の子供を育てます。九州への移動を希望し、41歳で佐賀県鳥栖市へ転勤。そして50代、農家の父が棚田で大けがを負ったのをきっかけに、定年後のUターンを決意。2016年に退職して夫婦で文雄さんの故郷、日之影町へ移住しました。
11月から2月にかけ、18の集落で神楽が奉納される日之影町。地域の人たちの娯楽や親睦、慰労を目的とした伝統行事です。ご夫婦が暮らす大楠集落でも、昼には神社で、夜には公民館で「夜神楽」が奉納されます。年に一度の神楽に向け、舞手となる男衆が集まって夜遅くまで練習します。
神楽奉納の前日、「夜神楽」の会場となる公民館の準備に追われる男衆。頼子さんは、集落の女性たちと一緒に料理作りなどを手伝い、夫を陰ながら支えます。そしていよいよ年に1度の神楽奉納が始まりました…。
退職後、故郷にUターンして子供の頃から憧れだった神楽を舞う文雄さんと、それを見守る頼子さん。ご夫婦の日常と、神楽奉納に向けた奮闘振りを紹介します。



文雄さんはUターンをきっかけに、父がコメ作りをしていた棚田をユズ畑に切り替えました。この日は皆さんで剪定作業です。父の邦幸さんから指導を仰ぎます。枝をにぎやかにするのが技なんだそう。母のミナトさんはトゲの処理をお手伝いです。文雄さんが育て、収穫するユズは、黄色くなる前の青いユズ。町の名産でもある「柚子ごしょう」の材料などに利用されています。



神楽奉納の前日。神社に飾るしめ縄を受け取りに、文雄さんは町のわら細工工房へ向かいました。大切に作ったしめ縄なので、受け渡しもわら細工の職人さんが丁寧に行います。夜には「夜神楽」の会場となる公民館を集落の男衆で模様替え。文雄さん、飾り方を覚えるのに真剣です。神楽に関われるのは、男衆のみ。女性陣も、少しでも手伝いたいと、餅まき用の餅を用意。明日が楽しみですね。



当日。神社でいよいよ神楽奉納が始まりました。文雄さんは演目の1つ「鎮守」を舞います。子供の頃から憧れていた神楽。文雄さんの思い、神様に届いているはずです!神社での奉納の後は「夜神楽」です。お客さんも続々と集まりました。文雄さん、今度は集落のベテランと舞います。頼子さんも、お客さんにおでんやなますを振舞うなど、お手伝いです。最後は恒例の餅まき。無事やり切りました!



男衆の神楽に負けるもんかと、女性陣は太鼓の活動を始めています。町内の夏祭りで披露する予定だそうです。練習しているのは、「青雲橋音頭」。この太鼓は35年前、母・ミナトさんの時代から始まりました。一時、途絶えてしまいましたが、ご夫婦が暮らすようになって再結成したそうです。文雄さんも裏方としてお手伝いです。頼子さんにとっても、ここは自分の故郷です!



TR列車の宿
旧高千穂鉄道の車両を使用した、簡易宿泊施設です。
列車内に泊まれる珍しい宿です。
電話番号:0987-87-2600
問い合わせ:午前8時30分~午後5時30分
【料金】
1人部屋:3,500円
4人部屋:10,000円


日之影温泉駅
TR列車の宿の隣にある、かつての駅舎を利用した温泉です。
温泉のほかに、レストランなどもあります。
電話番号:0982-87-2690
営業時間:午前10時~午後9時
【料金】
大人:500円
中学生:400円
小学生:300円