舞台は埼玉県秩父市。2018年7月に『うどん・そばの店　大澤』を始めた大澤保夫さん(64歳)と西俊久さん(63歳)が主人公です。
秩父市で生まれ育った大澤さんと西さんは、中学から高校まで同じ学校に通った同級生。高校卒業後、大澤さんは地元の消防署に就職。29歳のときに明子さんと結婚し、2人の男の子が生まれました。西さんは、東京で食品販売の仕事に就きましたが、3年後地元に戻りスーパーマーケットに再就職。26歳のときに明恵さんと結婚し、2人の子どもが生まれました。趣味で大澤さんが“うどん打ち”、西さんが“蕎麦打ち”を始めたのは58歳の時。打てば打つほど大澤さんはうどん、西さんは蕎麦の奥深さに魅せられ、徐々に腕を上げていきます。定年退職後、大澤さんは空き家になっていた築150年の実家を使って、うどん屋を始めたいと準備を進めていました。一方、西さんは蕎麦打ちの腕を買われ、道の駅で蕎麦を打っていました。
そんな2人が再会したのは、定年退職してから2年が経った去年。大澤さんの姉が通っていた蕎麦打ち教室で、西さんが蕎麦打ちの指導をしていたことがきっかけでした。姉から話を聞いた大澤さんは西さんに連絡を取り「店を始めるから手伝って欲しい」と誘ったのです。幸い、西さんが勤めていた道の駅では“蕎麦の手打ち”を止めることが決まっていたので西さんは快諾。こうして築150年の大澤さんの実家を修理、改装し、2018年7月、『うどん・そばの店　大澤』をオープンしました。
大きな打ち台で2人向かい合ってうどんと蕎麦を打ちます。大澤さんのうどんは、讃岐うどんのようなコシの強さが自慢。手打ちの証拠“耳”の部分をサービスで全食に付けています。西さんの蕎麦は二八。喉越しがよく蕎麦の香りが引き立ちます。看板メニューは「肉汁うどん」と「肉汁そば」。お昼にはサラリーマンなどが多く来店する中、2人の様子を見に同級生が来ることもしばしば。学生時代の思い出話しに花が咲きます。
趣味が高じて『うどん・そばの店　大澤』を始めた大澤保夫さんと西俊久さん。開店して1年半。まだまだ試行錯誤しながら店を切り盛りする2人と、それを支える妻、そして同級生たちとの交流をご紹介します。