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2019年12月14日師走の弐

三重・伊勢市
~ 感謝のひと皿 ジビエ料理 ~

三重県伊勢市が舞台。伊勢神宮の外宮と内宮を結ぶ街道沿いで、ジビエ料理専門店を開いた村瀬滋さん(61歳)と妻の弘美さん(62歳)が主人公です。
伊勢志摩出身のお2人は高校生の頃から付き合い始め、24歳で結婚しました。名古屋国税局に勤めていた滋さんは、27歳で大蔵省勤務となり家族で東京へ。激務に追われる中、フレンチの食べ歩きでストレスを発散するうちに、ジビエ料理の魅力に惹かれていきました。
39歳の時に大病を患い、名古屋に戻って始めた趣味が狩猟。獲物を自分でさばき、ジビエ料理を作っては家族に振る舞うようになりました。やがてジビエ料理のお店を開きたいと考えるようになった滋さん。猟で伊勢志摩に通ううち、「店を開くならこの地が良い」と思い立ち、50歳で伊勢市に引っ越します。働きながらジビエ料理を学ぶ夫を、弘美さんも応援していきました。そして2018年に定年退職すると、食肉加工施設「バンビ商会」を立ち上げ、ジビエの販売をスタート。そして今年の10月、ジビエ料理専門店『伊勢志摩ジビエBambi』をオープンしました。20年越しの夢を叶えたのです。
「ジビエ料理に人生を賭けたい、伊勢志摩のジビエを沢山の人に知ってもらいたい」と、ジビエ料理専門店を開いた村瀬滋さんと弘美さん。ご夫婦の奮闘ぶりと、応援してくれる地域の方々との交流の様子を紹介します。

「ジビエ」とはフランス語で、狩猟で得た野生の鳥や獣の食肉のこと。30代でジビエ料理に魅せられた滋さんは、自ら猟も行います。この日は2羽のカモを仕留めました。また、猟の師匠から「イノシシの子どもがかかった」と連絡があれば、急いで駆けつけます。「命を頂いている。一番の供養は美味しかったと言ってもらうこと」と話す滋さん。そのための努力は惜しみません。ジビエの鮮度を落とさぬよう、その日のうちにさばきます。

夫婦2人で切り盛りしている『伊勢志摩ジビエBambi』は滋さんが調理し、弘美さんが和装で接客します。お店の魅力は食材へのこだわり。肉の加工処理から料理までを徹底し、お客様に味わってもらいます。「肉にほとんどクセがなく、おいしい」とお客様からも大好評。滋さんは自らを“ジビエオタク”と称するほどのジビエ好き。そんな夫を弘美さんも応援し、支えてくれています。

この日、「バンビ商会」の食材が納品されました。昨日猟師さんから頂き、夜に滋さんが処理した鹿肉です。向かった先は志摩観光ホテル。伊勢志摩サミットで腕を振るった総料理長の樋口宏江シェフからの注文でした。「処理の仕方が素晴らしい鹿肉」と、お褒めの言葉を頂きました。このホテルで3年前から働くのが長男の渉さん。滋さんのジビエで育った料理人です。頼もしい!

営業を終えた厨房に長男・渉さんの姿がありました。滋さんが考案した新メニューの意見を聞くためです。出来上がったのは「イノシシのハラミのウイスキーフランベ」。脂が多く、敬遠されがちな部位をあえて使いました。「脂がすごく甘い」「もっとカリカリにしたら良いかも」とのアドバイスが。渉さんは18歳の時、父・滋さんの勧めもあって料理人の道に進みました。今では、親子で極める道となっています。

楽園通信

伊勢志摩ジビエBambi

滋さんと弘美さんが営むジビエ料理のお店です。
落ち着いた大人の隠れ家風の店内で、伊勢志摩産のジビエ料理が味わえます。
完全予約制で1日限定3組、最大で6名様までの対応です。

電話番号:0596-64-8000
営業時間:午後5時30分~深夜0時
定休日:日曜
※完全予約制