これまでの放送

  • 年別にみる
  • 地域別にみる
2019年11月9日霜月の弐

新潟・胎内市
~ 天日干し米のおむすび食堂 ~

新潟県胎内市が舞台。昔ながらの天日干しで「はさがけ米」を作っている緒形文一さん(70歳)と、その美味しさを知ってもらおうと農家レストランを開いた妻の貞子さん(66歳)が主人公です。共働きのご夫婦は、文一さんの実家の米作りを手伝いながら3人の子供を育てます。熱心に米作りを続ける姿を見て、文一さんに田んぼを託したいという農家が次々と現れます。2007年、文一さんは地域の田んぼを管理する農業生産法人を設立。そして米作りを多くの人に知ってもらいたいと、田植えや稲刈りの農業体験も始め「はさがけ米」を作ります。参加者の昼食は貞子さんが担当。郷土料理中心のおかずを心がけて提供すると大好評に。これがきっかけで2014年、貞子さんは自宅から5分の場所に農家キッチン『ロッサ・ビエント』をオープンしました。
『ロッサ・ビエント』では「はさがけ米」を美味しく味わってもらえるよう、塩むすびで提供します。そして、おかずは貞子さんが作る郷土料理です。提供する料理は近所の方に頂いた野菜や、地元の直売所で購入したものを使用しています。
日々自慢の米作りに励む文一さんと、その米と美味しい料理を提供する貞子さん、そしてご夫婦を支える家族を紹介します。

貞子さんが1人で切り盛りする『ロッサ・ビエント』、朝8時からの準備で大忙しです。メニューは、貞子さん手作りの郷土料理と「はさがけ米」のおむすびで、その名も“塩結び(えんむすび)プレート”。他に、地元のコシヒカリを使ったパエリアもあります。貞子さんが米を炊く時のコツは、“氷を入れること”。こうすることで炊き上がりが違うそうです。お客さんも“普段食べるお米と全然違う!”と大満足。毎週通う常連さんもいるほどで、貞子さんもお客様に元気をもらえると笑顔いっぱいです。

今年も「はさがけ米」を作るための稲刈りが始まりました。文一さんが機械で一把、一把束ね、それを稲架(はさ)にかけていくという、手間と時間がかかる大変な作業です。そのため新潟市に暮らす長男一家や、次男に長女の婿や孫まで、家族総出でお手伝いです。田植えや稲刈りがあると集まってくれる家族を“ありがたい”と文一さん。こうして手間と時間をかけることで、美味しい「はさがけ米」が出来上がります。

夕方、はさがけ作業を終えたみなさんが家に帰ってきました。晩ご飯の準備は貞子さんを中心とした女性陣で行います。さあ、ご飯がすすむおかずが並びました。総勢10人、緒形家の夕食のメインとなるのは、炊きたての「はさがけ米」です。みんな美味しそうに食べています。“ここのお米が一番だ”とみなさん胸を張って言います。そんな姿に、文一さんも嬉しそうです!

“田んぼから出来たものに無駄なものはない”そう語る文一さん。この日は関川村からお客様です。伝統民芸品『猫ちぐら』の材料となる藁(わら)を取りにいらっしゃいました。「はさがけ米」を脱穀で出る藁は、猫の“ゆりがこ”『ちぐら』に欠かせません。また、精米するときに出る糠(ぬか)は、肥料になるので近所のご婦人が取りに来ます。この肥料を使った野菜は『ロッサ・ビエント』でも使われています。「はさがけ米」がつなぐ縁、素晴らしいですね!

楽園通信

農家キッチン ロッサ・ビエント

文一さんの「はさがけ米」で作るおむすびと、貞子さん自慢の郷土料理が味わえるレストランです。ほかに「パエリア」や、米粉で作る「とうふ白玉ぜんざい」もあります。

電話番号:0254-20-7127
営業時間:午前11時~午後5時

【メニュー】
塩結びプレート:1,080円
パエリア農家風:1,200円
とうふ白玉ぜんざい:700円
(すべてコーヒー付き)

ふれあい逢菜館

胎内市で作られる野菜やフルーツが買える直売所です。
米粉や米粉を使った商品もあります。

電話番号:0254-43-5511
営業時間:午前9時~午後6時