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2019年10月5日神無月の壱

長野・長野市
~ ヘーゼルナッツを名産に ~

今回は信州・長野市が舞台。「故郷で新たな名産品を作りたい」と挑戦する岡田浩史さん(59歳)と妻の珠実さん(58歳)が主人公。5年前から“世界三大ナッツの一つ”といわれるヘーゼルナッツの栽培を始め、生アイスのお店を開きました。
長野市出身の浩史さんは高校を卒業後、アイスクリーム店やパン店に勤務。26歳で珠実さんと結婚し、その後、厨房機械を扱う輸入商社に転職。2人の子どもが生まれました。
転機となったのは48歳。菓子の製造機械を輸入するためイタリアのトリノを訪れた時のことでした。一面に広がるヘーゼルナッツ畑を目にし、雪の中でも元気に実るヘーゼルナッツに衝撃を受けます。将来、故郷に新しい名産品が必要になると考えていた浩史さん。「ヘーゼルナッツなら長野でも作れるのでは?」との思いを強くします。2013年、53歳で会社を早期退職。翌年の春に遊休農地を借り、ヘーゼルナッツを植え始めました。同時に6次産業化するための拠点を作ろうと、食品加工会社を立ち上げます。さらに、信州産のおいしいヘーゼルナッツを多くの人に味わってもらいたいと『つくりたて生アイスの店 ふるフル』をオープンさせました。
ヘーゼルナッツは寒さに強く、病害虫にも強いことから、比較的栽培に手間がかからないと言われます。しかし、収穫は地面に落下した実をひたすら拾う大変な作業です。ご夫婦が愛情込めて育てた信州産ヘーゼルナッツは、様々なスイーツに生まれ変わります。
「地元に新たな名産品を作りたい」とヘーゼルナッツの栽培を始め、生アイスのお店も始めた岡田浩史さんと珠実さん。2人の奮闘ぶりと、応援してくれている家族や地域の方々との交流の様子を紹介します。

ヘーゼルナッツは、見た目はドングリに似ていますが、セイヨウハシバミという木の種です。日本ではあまりなじみがありませんが、お菓子作りに欠かせない素材です。浩史さんの畑では約100本のヘーゼルナッツの木を育てています。「やり始めたからには協力したい」と、珠実さんも夫の挑戦に賛同してお手伝いです。

信州産ヘーゼルナッツが自慢の『つくりたて生アイスの店 ふるフル』。ヘーゼルナッツはローストした後、ペーストにして生アイスに使われます。生アイスとは、一度も凍らせないアイスのこと。作ったその日にお客様に味わっていただきます。「濃厚で忘れられない味」と評判でリピーターも多く、土日には沢山のお客さんで賑わいます。

地域の男性陣が集まり、月に一度の親睦会「昭和会」が開かれました。浩史さんはここで5年前、「ヘーゼルナッツを長野市の名産にしたい」という夢を発表しました。リンゴ農家の米倉さんは故郷を思う気持ちに共感して、自分の畑にヘーゼルナッツの木を植えてくれました。「岡ちゃんが真剣にやっているから我々も協力したい」と応援してくれる地域の皆さん。浩史さんの地道に頑張る姿が故郷を動かし始めています。

夢に向かって頑張るご夫婦を支えているのが家族。休みの日は収穫を手伝ってくれます。この日、やって来たのは“未来の後継者”長男の晃治さん(29歳)。浩史さんと米倉さんも合流、「少しでも収穫を楽にできないか」と、ある実験が始まりました。落ち葉の集塵機を使ってヘーゼルナッツを吸い上げてみたのですが…まだまだ改良の余地がありそうです。「自分もアイデアを出したい」と晃治さん。浩史さんの夢はいつしか、みんなの夢になっていました!

楽園通信

つくりたて生アイスの店 ふるフル

岡田さんが愛情込めて作るヘーゼルナッツの生アイスや、季節ごとのフルーツソルベが味わってみてはいかがでしょうか。
お店ではヘーゼルナッツの加工品も手に入ります。

電話番号:026-251-3334
営業時間:午前10時~午後6時30分
     (日曜、祝日は午後6時まで)
定休日:火曜

【生アイス各種】
シングル:350円
ダブル:400円