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2019年9月14日長月の弐

山梨・北杜市
~ 八ヶ岳の麓で 農業暮らし ~

今回は八ヶ岳に南アルプス、さらに富士山を望む高原の町、山梨県北杜市が舞台。東京から移住し農家になった東正隆さん(54歳)と妻の章子さん(54歳)が主人公です。赤や紫のジャガイモや珍しいカボチャなど少量多品目、100種類を超える野菜を育てているお2人。日々土にまみれ額に汗して農業に勤しんでいますが、5年前まではオフィス街で働く証券マンでした。
長崎県出身の正隆さんは、東京の大学を卒業後、証券会社に就職。別の証券会社に勤めていた章子さんと出会い、31歳の時に結婚。共働きで多忙な毎日を送っていたご夫婦でしたが2人の息子のために、空気が良いところで過ごしたいと思うように。そこで北杜市に中古の家を購入し、週末は山梨県で過ごすのが一家の楽しみとなりました。やがて野菜作りに興味を持った正隆さんは、49歳で早期退職し、北杜市に単身移住。農業大学校で野菜作りを一から学ぶうちに、地元農家の高齢化を目の当たりにし「農家になる」と決心します。その夢をサポートするために章子さんと次男・隆平さんも北杜市に移住。地元の高齢者から畑を借り、農家として新たなスタートを切りました。
さらにご夫婦は、2018年8月、自家製野菜を使った料理を提供する農園カフェ『ベジモア・ガーデン』もオープン。閉店した地元のカフェを購入し、カフェの脇にあるブルーベリー畑もそのまま譲り受けました。店は木・金・土、週3日の営業。前菜と自家製生パスタは正隆さんが、ブルーベリーを使ったマフィンやパンケーキなどスイーツは章子さんが担当。また今年、東京の高校を卒業した長男の純平さんも合流し、厨房担当として料理作りを手伝っています。さらには店の裏手で「甲州地どり」の育成まで始めた正隆さん。次から次へと、新しいことに挑戦しています。
証券マン時代とは全く違う、農家としての新たな人生を楽しんでいる東さんご夫婦とご家族の皆さん。その暮らしは忙しくもストレスがなく、充実しているそうです。

農家になって5年目の東さんご夫婦。サツマイモのように赤いジャガイモ「ノーザンルビー」や、生で食べることが出来るカボチャ「コリンキー」など珍しい野菜がたくさん!高齢の農家さんが使わなくなったハウスや畑などを借りて、100種類以上の野菜を育てています。標高およそ1000メートルの北杜市。高原ならではの、夏でも涼しい気候や昼と夜の温度差により、野菜の甘みや柔らかさが増して美味しくなるそう。これぞ、北杜市小淵沢町の農家が誇る「高原野菜」。高齢化により農業の担い手が少なくなっている現状を食い止めたいという熱い思いで、正隆さんは立ち上がったんです。

ジャガイモの収穫などで早朝から休みなく農作業を頑張ったお2人。そんな時のお楽しみが…明るいうちに仕事を切り上げて、風そよぐデッキで乾杯!おつまみはもちろん、農園で収穫した新鮮野菜です。赤や紫のジャガイモのフライに、掘りたてのニンニクはオイルで揚げてアヒージョにしました。コリンキーやキュウリなどのスティック野菜は、みずみずしくパリパリした食感です。一杯やりながら「疲れが吹っ飛ぶよね」と笑顔で語る東さんご夫婦。東京から一緒にやってきた愛犬・犬(けん)ちゃんもデッキでのんびり。まさに至福のひとときです。

去年、閉店したカフェを再利用し、新鮮野菜が自慢の農園カフェ「ベジモア・ガーデン」をオープンさせたお2人。ランチセットの前菜は、採れたての新鮮な野菜の盛り合わせ。ボリュームたっぷりで彩りにもこだわっています。この夏から厨房に立ちシェフを担当しているのが、長男の純平さん。自家製バジルをふんだんに使ったジェノベーゼは純平さんの得意料理です。正隆さんが作る自家製パスタは生パスタならではのモチモチ感がたまりません。そして、章子さんは店の前で採れたブルーベリーをふんだんに使ってマフィンなど様々なスイーツを作ります。「美味しい」と言ってくれるお客さんの笑顔が何よりの励みだと語る東さんご夫婦です。

この日やってきたのは、正隆さんの師匠である農家、五味斉さんの畑。収穫のタイミングを逃して、巨大に育ってしまったズッキーニを頂きに来ました。皮が厚く、種も多い巨大ズッキーニは、市場価値がなく農家としては困りもの。このズッキーニを利用して美味しい加工品を作っているんです。向かった先は、「ベジモア・ガーデン」の近所にある「ベジモア・キッチン」。加工を担当する姉の美由紀さんが、収穫したズッキーニとタマネギを荒く刻み、トマトペースト、ニンニク、スパイスなどを入れ半日ほど煮込みます。出来上がったのは、トマトの旨みに高原野菜がたっぷり入った「つぶつぶケチャップ」!名前の通り、食感が楽しくスパイシーで美味しいと評判です!

新たなことにどんどんチャレンジする東さんご夫婦。今年の8月からは、山梨名物の「甲州地どり」を育て始めました。卵用とお肉用を平飼いしているため、元気な鶏たちがネットをかいくぐり脱走しちゃうことも。そんなときに頼りになるのが、動物好きな次男の隆平くん。逃げ惑う鶏をすばやく追いかけ確保してくれます。お肉用は「夏の間に涼しい所で育ってきなさい」と預かったもので、初めての育成。ヒナから育てて120日目あたりで出荷するそうですが、その可愛らしさに「愛着が湧いて出荷できないかもしれない…」と複雑な心境を語る正隆さんでした。

楽園通信

道の駅こぶちさわ

新鮮な高原野菜がたくさん揃っています。
東さんご夫婦が育てた野菜や、お姉さんが作る「つぶつぶケチャップ」も購入できます。

電話番号:0551-36-3280
営業時間:午前9時~午後7時
(10月以降は午後6時まで)

ベジモア・ガーデン

東さんご夫婦が丁寧に育てた新鮮野菜が味わえるメニューがたくさんあります。
午前11時30分~午後1時30分からのランチタイムは完全予約制です。事前のご予約をお願いします。

電話番号:0551-35-9389
営業日:木曜・金曜・土曜
    午前10時~午後3時

【ランチメニュー】
自家製バジルのジェノベーゼ:1,350円
つぶつぶケチャップのオムライス:1,500円

※旬の野菜プレート付き