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2019年9月7日長月の壱

岡山・吉備中央町
~ 眺望楽しむ 古民家宿 ~

舞台は、岡山県の中央部に位置する吉備中央町。田園が広がるのどかな町で農家民宿を始めた田尻栄一さん(65歳)と妻の美幸さん(59歳)が主人公です。
熊本県出身の栄一さんは高校を卒業後、岡山県倉敷市の製鉄所に就職。50歳の時、美幸さんと結婚しました。転機が訪れたのは57歳の時。栄一さんに大腸がんが見つかり、病と向き合う生活を余儀なくされます。退院後、仕事に復帰しますが「定年後は田舎でのんびり暮らしたい」と考え始めた栄一さん。子どもと孫たちが住む岡山県内で、理想の土地を夫婦で探し始めました。そして、吉備中央町で巡り会ったのが現在の古民家。自宅前に広がる美しい田園風景に一目ぼれしたご夫婦は、すぐさま購入を決意。休日には倉敷市の自宅から吉備中央町に足を運び、築100年の古民家を少しずつ修復・改装しました。そして、栄一さんが定年退職した翌年の2014年6月、吉備中央町に移住。
のんびりとした田舎暮らしを始める予定でしたが、移住してすぐに二度目の転機が訪れます。還暦祝いで熊本県阿蘇の農家民宿に泊まった時、栄一さんは宿のもてなしに感動。「自分も農家民宿を始めたい!」と思い立ちます。こうして移住からわずか3か月後、母屋を客室にして『農家民宿 桜』を開業しました。
「田舎でのんびり暮らしたい」と絶景の地に移住し、「素敵な風景を沢山の人に見てもらいたい」と農家民宿を開いた田尻栄一さんと美幸さん。ご夫婦の奮闘ぶりと、応援してくれている家族や友人、民宿のお客さんとの交流を紹介します。

『農家民宿 桜』があるのは標高400メートル程の吉備高原。移住のきっかけとなった田園風景を楽しむために、民宿の展望デッキを手づくりしました。ご夫婦にとって、お気に入りの景色を眺めながらのコーヒータイムは至福のひととき。日本の原風景ともいえる美しい田園風景は、宿のお客様にも好評です。

夫婦でもてなすボリュームたっぷりの鶏肉料理は宿の自慢の一つ。お客様の食事がある程度進んだところで、ご夫婦も加わり乾杯します。「自分達が楽しめんと、お客さんも楽しめん!」と考える栄一さん。お客様からも「民宿に来ているというより、里帰りした気分」とありがたいお言葉を頂きました。宿を始めた頃は忙しすぎて、夫婦でぶつかることもありましたが、今では「夫婦仲良く、楽しく」が鉄則です。

ご夫婦が移り住んだのは8世帯20人が暮らす集落。お2人の楽しみは愛犬・ハナちゃんとのお散歩です。集落の人気者のハナちゃんのおかげで、地域の方と触れ合う機会が増えました。ご近所さんからも「何をするにも頼りになる」と温かいお言葉。移住して良かったと、改めて幸せを噛みしめるお2人です。

この日、家族や友人、ご近所さんに声をかけ『農家民宿 桜』恒例の、流しそうめん大会が始まりました。友人達と協力して作った樋の長さは、なんと15メートル!
街中ではなかなかできない体験に、お孫さんたちも大喜びです。子供たちも「両親が民宿を始めて楽しそう、賛成だった」と、ご夫婦のことを応援してくれていました。支えてくれる家族の存在に、心から感謝している田尻さんご夫婦です。

楽園通信

農家民宿 桜

田尻さんご夫婦が営む農家民宿。1日1組、2名から宿泊できます。ご夫婦自慢の鶏肉料理を味わってみてはいかがでしょうか。

電話番号:090-9458-2950
問い合わせ:午前8時~午後9時
※冬季休業あり

宿泊料金
1泊2食付き:9,200円