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2019年8月17日葉月の参

広島・安芸高田市
~ 笑顔集う 母娘のジェラート ~

舞台はのどかな田園風景が広がる安芸高田市。今年4月、手作りジェラートが自慢の「ばぁばの蔵かふぇ」をオープンした末田美穂さん(61歳)と母の政江さん(91歳)が今回の主人公です。地域を元気にしたいと、「フキ」や「桑の実」といった、周辺で採れる野菜や果物を使った素朴なジェラートを提供し、地元の人々やお客さんに喜ばれています。
安芸高田市に生まれ育った美穂さん。祖父母は農家、父と母の政江さんは小学校教諭、5歳年上の姉がいました。美穂さんは年頃になると都会での暮らしに憧れ、高校進学と同時に広島市内で暮らすように。22歳で結婚し、専業主婦として2人の息子を育てました。しかし、夫との価値観の違いで思い悩むようなり、さらに頼りにしていた姉が病気で他界。悲しみに打ちひしがれる美穂さんでしたが、末田家を守らなければならないという思いが強まり、41歳で離婚を決断しました。息子たちのために必死に働く美穂さん。一方で、父親が12年前に亡くなったため、母の政江さんは一人暮らしを余儀なくされていました。美穂さんは政江さんを一人にしておけないと、5年前に故郷にUターン。すると…「自分の故郷はこんなに素敵な場所だったんだ」と故郷の良さを再発見します。同時に、高齢化が進む故郷を活性化させたいと思い立ち「アイスが大好きだから、アイスのお店を始めたい」と倉庫だった自宅の蔵を改装。ジェラート作りの講習に通い試作も重ねました。そして、今年4月に「ばぁばの蔵かふぇ」をオープン。
美穂さんは様々な食材を試し、珍しいジェラートを次々と考案。母の政江さんには、会計や洗い物などを手伝ってもらっています。以前は部屋にこもりふさぎ込んでいた政江さんは、「今はこれが生きがい。毎日が楽しくてしょうがない。」と笑顔で語ります。
故郷を元気にしたいとジェラート店を始めた美穂さんと政江さん、そして美穂さんのチャレンジを応援し支えてくれる周囲の仲間たち。美穂さんの夢はまだまだ広がり、周囲の山や神社を整備したり、自宅を人が集まるコミュニティースペースにしたいと意気込みます。もっともっと、素敵な場所にしていって下さいね!

一品一品丁寧に、美穂さんが作るジェラート。フキや桑の実など、素朴で地元ならではの食材にこだわります。また、素材の味を生かすために、普通のジェラートに比べかなり甘さを控えめにしています。この日は、親戚の詔おじちゃんの畑で頂く新鮮なフキでジェラートの仕込みです。自生のものより苦みが少ない愛知早生という品種のフキは、葉や茎、筋も丸ごと使います。低脂肪牛乳や生クリーム、砂糖などを混ぜて作る「ホワイトベース」と、茹でたフキをミキサーにかけます。こうして出来るのがジェラートの元。24時間、冷凍庫で凍らせて寝かせ、注文を受けてから機械で粉砕してお客様にお出しします。空気を送りながら刃で細かく砕くので、ふんわり滑らかな仕上がりです。

美穂さんは地元の農家とも手を組んで、故郷おこしの輪を広げたいと考えています。
「ばぁばの蔵かふぇ」のお客さんとして知り合った岡田裕樹さんは、25歳の若手農家。大規模な農場でネギやレタスを栽培しています。高齢化が進む地元では貴重な存在です。頑張る若者をサポートしたい美穂さんは、今、レタスのジェラートも構想中。
さらに、美穂さんがやってきたのは親戚の詔おじちゃんの農園。お目当ては桑の実です!はしごを使い、はるか高いところにある桑の実を収穫していきます。「あった!あれも採りたい~!」とどんな場所へも果敢に登って行く美穂さん。お客さんを喜ばせるジェラートを作るためなら、妥協を許さずどこまでも突き進む美穂さん、さすがです。

お店が休みの日、母・政江さんは趣味のクラフトバンドを使ったバッグ作りを楽しみます。人知れず、部屋でこっそりやる趣味のことを“悪さ”と呼ぶ政江さん。「いつも悪さして作りよる」と言いながら見せてくれたのは…色とりどり、デザインも様々な手作りバッグの山!一つ作るのに1~2週間かかり、力もいる作業。これこそが元気の秘訣なんでしょうね。一方、美穂さんは休みの日でもジェラートの試作に夢中です。新たな食材は…なんと地元特産の青ネギ!ホワイトベースと共にミキサーにかけて、凍らせる前に一口味見。美穂さんの感想は「面白い!」。チャレンジ精神旺盛な美穂さんの新作ジェラート、一体どんな味になるのでしょうか。

何をするにも常に一生懸命、前向きに頑張る末田さん親子に魅かれて、お店に集う仲間が増えています。蔵をリフォームしてくれた会社の住吉直子さんは、常連客の一人。この日、新作ジェラートの試食をお願いしました。自宅の畑で採れたマクワウリのジェラートには「美味しい!懐かしい味じゃろうね。」と好評!一方、青ネギジェラートに対しては口に入れた途端「ネギ!青臭い!」と絶句。地元の特産・青ネギを何とかジェラートにしたいと意気込む美穂さん。改良を重ね商品化できるように頑張るそうです。
もう一人のお仲間、橋本輝雄さんは、美穂さんの同級生。ボランティアでお店のチラシを作ってくれます。母娘の似顔絵が描かれた手作りの温かいチラシ。沢山コピーして持って来てくれるので、政江さんが色鉛筆で塗り絵を楽しみながら仕上げます。

楽園通信

ばぁばの蔵かふぇ

美穂さん自慢の手作りジェラートは季節ごとにおよそ6種類。
地元の食材を使い、素材そのものの味が生かされたジェラートが味わえます。

【メニュー】
手作りジェラート:400円
※1日30食限定

営業日:金曜・土曜・日曜
営業時間:午前10時~午後5時

エコミュージアム川根

毎朝手打ちするそばは、地元産のそば粉を使用しています。
地元で収穫した野菜の天ぷらや、アユなどの郷土料理も味わえます。

【メニュー】
ざるそば:650円
エビおろしそば:930円

電話番号:0826-58-0001
営業時間:午前11時~午後6時
※そばのみ午後3時まで、水曜休み
※前日までに要予約