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2019年8月10日葉月の弐

香川・東かがわ市
~ 田園の週末カフェ ~

舞台は瀬戸内海に面した、香川県東かがわ市。定年退職後に農家を継ぎ、米と野菜、ブルーベリーを育て、更に週1日だけのカフェも始めた木村勉さん(66歳)と久美子さん(63歳)が主人公です。
東かがわ市で農家の長男として生まれた勉さん。大学を卒業後、高松市の建設会社に就職。しかし、通勤時間がかかるため、25歳で地元の役場に再就職しました。役場の仕事に慣れた28歳の時、看護師をしていた久美子さんと結婚。夫婦共働きで農業もしながら2人の娘を育てました。そんな勉さんに転機が訪れたのは、娘たちが独立した50代半ば。久美子さんの「定年後、どうするの?」という一言がきっかけでした。当時、何も考えていなかったという勉さん。するとフルーツ好きの久美子さんから、定年後の楽しみにとブルーベリーの苗木を2本プレゼントされました。これが全ての始まりでした。育ててみると想像以上に沢山の実がなり、ブルーベリーの栽培に熱中。苗木を増やすと、手作業で行う授粉が大変になり、授粉用にミツバチを飼い始めます。その後、ブルーベリーは順調に収穫量が増え、食べきれない程に。そこで、勉さんはジャムを作ろうと加工場を建てる準備を開始。すると、知り合いから「加工場を作るならカフェもやったら」という声があがり一念発起。小さなログハウスを建て、2018年4月「木村農園カフェ&ジャム工房」をオープンしました。
カフェの営業は週1日、土曜日のみ。自家製ブルーベリージャム&ハチミツが味わえるモーニングのセットや、特製のランチが人気です。市外から訪れるお客さんも多く、地元の方々も憩いの場所が出来たと喜んでいます。2本のブルーベリーの木からカフェのオープンまで夢を広げた木村さんご夫婦。お2人の日常や地域の方々との交流を紹介します。

久美子さんがプレゼントした2本の苗木から始まったブルーベリー栽培。何度も失敗しながら現在130本まで増やしました。今年も収穫の時期を迎えます。今年は晴れの日が少なくちょっと甘みが少ないそうですが、勉さんが一生懸命育てたブルーベリーを久美子さんがジャムに仕上げました。程よい甘さで人気のブルーベリージャムはカフェで販売も行っています。

「木村農園カフェ&ジャム工房」の1番人気はモーニングセット。飲み物代にプラス200円でトースト、サラダ、ヨーグルトが付いています。自家製ブルーベリージャム&ハチミツはトーストとの相性抜群です。予約制の「おまかせランチ」は、久美子さんの特製ローストビーフ、広大な田んぼで育てた「ヒノヒカリ」のご飯、自家製野菜を使った小鉢7品ほどが並ぶ、大満足なランチ。「お肉が柔らかくて美味しい」「野菜本来の甘みが味わえる」とお客さんに好評です。

普段は父・功さんと3人暮らしの木村家ですが、この日は長女の実里さんと孫の遥人くん、次女の実咲さんが来てくれてとても賑やかです。御年90歳、農作業の手伝いもしてくれる功さんは、新しいことに挑戦するご夫婦を見て「2人が元気に一生懸命やることが楽しみです」と喜んでいます。父の言葉に、勉さん思わず涙。勉さんにとって父・功さんは永遠の師匠です。娘さんたちも生き生きとしたご夫婦の姿に安心。家族みんながご夫婦のことを支え応援しています。

この日、地元の集落の神社に男衆が集まりました。竹で作った輪に茅を結びつけ、茅の輪を作ります。毎年夏に行われる神事「夏越(なごし)の祓(はらえ)」。立派な茅の輪が完成し、夕方、集落の人たちがお参りにやってきました。茅の輪をくぐり、宮司さんが祝詞をあげます。勉さんは、ここへ来ると夏の日の記憶が蘇ります。昔は、子どもが多く、おもちゃ屋さんが来たり、映画を上映していたそうです。だんだんと人が減ってしまっている集落ですが、「一つひとつの行事を大切にして後世に伝えたい」と勉さんは言います。

楽園通信

木村農園カフェ&ジャム工房

週1日、土曜日のみの営業。「モーニングセット」や「おまかせランチ」がおすすめです!

電話番号:0879-27-2728
営業日時:土曜 午前8時~午後2時
※臨時休業あり

【メニュー】
モーニングセット:飲み物代+200円
※午前11時まで

おまかせランチ:1,300円
※限定10食、木曜日までに要予約

スコップビーン田町焙煎所

「木村農園カフェ&ジャム工房」自慢の美味しいコーヒー。その秘密は、高松市にあるこちらのお店。世界各国30種類の豆からお好みで自家焙煎してくれ、マスターのいれたコーヒーを店内で飲む事も出来ます。

電話番号:087-802-6188
営業時間:午前11時30分~午後7時
(土曜・日曜、祝日は午後6時まで)

【メニュー】
コーヒー豆(100g):500円~
ホットコーヒー:200円