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2019年7月6日文月の壱

静岡・西伊豆町
~ 夫婦の夢 わさび園 ~

静岡県西伊豆町が舞台。海と山が織りなす自然が美しいこの地で、夢を叶えてワサビ農家となった藤井幸光さん(51歳)と妻の千代美さん(51歳)が主人公。
静岡県下田市出身の幸光さんは高校3年生の時から、同級生の千代美さんと交際を始め22歳で結婚。千代美さんの実家のある西伊豆町で暮らし、2人の息子を育てました。充実した生活を送っていましたが、幸光さんが自動車販売会社から飲料メーカーに転職すると、20年もの間、転勤生活が続くことに。
希望が叶い、西伊豆町に戻ったのが5年前。すると、友人が行っていたワサビ栽培に興味を持つように。「ワサビ農家になりたい!」という思いを強めていった幸光さん。最初は反対だった千代美さんとじっくり話し合い、2人で挑戦することに。そして出会ったのが、20年近く放置されたワサビ田でした。幸光さんは会社に勤めながら、出勤前と帰宅後、千代美さんと山に通ってワサビ田を整備。そして2016年、念願だったワサビの初収穫を迎えることができました。「涙が出た」「食べてみて“これだ!”と思った」そう語るご夫婦は、2018年4月に『藤井わさび園』としてスタート。そして今年4月、幸光さんが早期退職し、夫婦揃ってワサビ農家となりました。
「美味しいワサビを作りたい、ワサビで地元を元気にしたい」と、新たな一歩を踏み出した藤井幸光さんと千代美さん。ご夫婦の奮闘ぶりと、応援してくれている地域の方々との交流を紹介します。

藤井さんご夫婦が借りているわさび田は約300坪。長年放置されていたワサビ田を見つけた当時は、崖が崩れた荒れ地でしたが、ワサビ田に注ぐ湧き水の美味しさに惹かれました。ワサビ栽培は水が命と言われています。この日も、朝から手入れが欠かせません。じっくり愛情をかけて育てることで、「辛さの中に甘みが感じられるおいしいワサビになる」と幸光さんは嬉しそうに話します。

千代美さんは自宅でワサビの加工品作りです。作るのは、ご飯によく合う「わさび味噌」と「わさびの二杯酢漬け」。わさび味噌には、辛味たっぷりの根と、不揃いのワサビも使います。わさびを擦らずに、形を残して刻み始めた千代美さん。実はこれ、千代美さんのこだわり。ワサビの辛味は細胞が壊れると出てくるので、形を残し、いつ食べても辛味が続くように工夫されているんです。日々ワサビと向き合い続けているからこそ、「ワサビの特性を生かして、美味しいワサビを食べてもらいたい」という千代美さんの思いが詰まっています。

この日、ご夫婦の姿はワサビ田のある山ではなく、海にありました。実は幸光さん、西伊豆町に戻ってから格安で船を譲り受け、素潜り漁も始めたんです。漁を終えて港に戻ったのは4時間後。この日は大きなサザエに、トコブシをゲットしました。ワサビ栽培に素潜り漁に、大忙しな幸光さんですが山と海の暮らしを満喫しています!

週末、親戚の皆さんが藤井家に集まりました。次男の拓人さんも、静岡市から駆け付けてくれました。食卓には、西伊豆の海の幸がずらりと並びます。幸光さんが捕ったサザエはお刺身で、擦りたての本ワサビを添えて頂きます。「やっぱりワサビは海の幸に合う!」料理の味を引き立ててくれるのは、ご夫婦が愛情込めて育てたワサビです。
4年前、ワサビ田を借りた幸光さんと千代美さん。大変だった荒地の整備を手伝ってくれたのは親戚の皆さんでした。皆さんも「伊豆半島一番のワサビ園になってほしい!」と応援してくれています。沢山の元気をもらった藤井さんご夫婦です。

楽園通信

農の駅 ほのぼの売店

新鮮な果物や野菜などが並ぶ、JAの直売所です。藤井さんご夫婦のワサビはここで購入することができます。千代美さん手作りのワサビ味噌と二杯酢漬けも人気です。

電話番号:0558-42-1151
営業時間:午前8時30分~午後4時

藤井わさび園

藤井さんご夫婦が育てるワサビは、インターネットでも販売しています。
詳しくは、『藤井わさび園』のホームページをご覧ください。