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2019年5月25日皐月の四

長野・平谷村&高知・大豊町
~ 新緑の絶景山里暮らし ~

今回は1時間拡大スペシャル。新緑の絶景の地で、山里暮らしを楽しんでいる2組のご夫婦を紹介します。
1組目の舞台は長野県平谷村。村の90%以上が山林という大自然に囲まれたこの地で、定年退職後にカフェを始めた岡田能典さん(62歳)と妻の光江さん(59歳)が主人公。
愛知県出身の能典さん。25歳の時に友人の紹介で光江さんと出会い結婚。2人の子どもが生まれ、充実した日々を送っていました。2人が平谷村と出会ったのは、能典さんが50歳を過ぎた頃。能典さんの会社の先輩が平谷村にログハウスを購入したため、夫婦で遊びに行くことに。すっかり平谷村を気に入ったお2人は、その後、何度も村へ通うようになりました。さらに、先輩のログハウスの隣に中古物件を見つけて迷わず購入。休日は平谷村に通い、先輩夫婦と交流する日々が続きました。しかし3年前、ご夫婦を悲しみが襲います。お世話になった先輩 谷川さんが病気で他界してしまったのです。先輩のログハウスが売りに出されると聞いた能典さんは、「思い出の詰まった先輩のログハウスが手放されてしまうのは忍びない」と思いを強くしていきます。もともと、定年後はカフェを始めようと夢見ていた能典さんでしたが、先輩のログハウスを目にする度、「カフェをするならここしかない」と考えるようになりました。その後、何とか光江さんの承諾を得て、先輩のログハウスを購入。そして能典さんは定年を迎え、去年9月『高原カフェ こもれび』をオープンしました。

『高原カフェ こもれび』の営業は週5日。平日の営業は1人でこなす能典さんですが、お客さんがいない時間は、庭に出てのんびりとしたひとときを楽しみます。週末になると、愛知県の自宅から車で2時間半かけ、妻の光江さんが手伝いに来てくれます。光江さんが作る週末限定のランチはカフェの自慢の1つ。支えてくれる光江さんの存在に、能典さんも感謝していています。

地域活動にも積極的に参加する能典さん。この日は、自然を通して村の振興に取り組む「ひらや自然コンシェルジュ」の会に参加しました。タラの芽など、山菜を採取しながら自然散策を楽しみました。散策の後は『高原カフェ こもれび』でお昼ご飯。山の恵みを味わいます。ここでも頼りになるのが光江さん。カフェは定休日ですが、手伝いに駆けつけてくれました。平谷村の自然に触れ、山暮らしを満喫している岡田さんご夫婦です。

2組目の舞台は、山々に囲まれ自然豊かな高知県大豊町。山間部にある集落、大平地区で、四季折々の花々が咲く庭園をコツコツ手づくりしている都築将子さん(73歳)と夫の一久さん(75歳)が主人公。5月には新緑まぶしい山の中にアヤメ、ヤマシャクヤクなどの花が咲き、ご夫婦手作りのベンチや古民家を改装した休憩所などが訪れる人を癒やします。18000㎡を超える広い庭園は元々、田んぼや畑があった場所。過疎化により荒れた土地をなんとかしたいと、ご夫婦は11年の年月をかけ、樹木や花々を植えました。現在、大平地区に暮らすのは、12世帯。みんなで支え合いながら暮らしています。
地元出身の将子さん。一久さんと結婚後は、2人の娘と共に大阪で暮らしました。将子さんにとってずっと気がかりだったのが、高齢化が進む故郷、大平地区のこと。将子さんの母親が亡くなると、実家を守るために2008年、夫婦でUターンしました。この時からコツコツと山の整備を始めたんです。
敷地の中には、花だけでなく手づくりの展望テラスや、地元の方言をあれこれと紹介したユニークなボードなど、訪れる人を楽しませるご夫婦のアイデアが一杯!
また、古い蚕小屋を改装して「ギャラリー夢来里(むらざと)」を2011年にオープンします。50歳の時から油絵を学び始めた将子さんが描いた、素朴な風景画や地元で行われていた昔の風習のイラストなどを展示しています。嫁入り道中や四季の行事の絵を眺め、訪れる人はみな「懐かしい」と大盛り上がり!
「夢来里」は一般に開放していて、花咲く春には沢山のお客さんが訪れます。気さくで話好きなご夫婦は、お茶と手づくりのおやつでおもてなし。楽しいご夫婦の人柄と奇麗な草花に魅了され、毎週通ってくるファンもいるほど。ご夫婦の生きがいは、植物や敷地の説明をし、お客さんと交流すること。敷地の整備は今も続いており日々、花の手入れや造園作業に奮闘、壮大な山里で夢追う都築さんご夫婦です。

300種類を超える樹木や山野草、花々を植えた夫婦の庭園。その面積は東京ドームのグラウンドより広いんです。空き家だった古民家を改装した休憩所の前は奇麗に小道が整備された「和花と山野草の庭」。紫が鮮やかな「イチハツ」や、1つの茎に1輪咲き、2~3日で散るという短命花「ヤマシャクヤク」などが咲いています。ご夫婦が“秘密の花園”と呼ぶ庭では、「ウマノアシガタ」という黄色くつやつやした光沢が特徴の山野草が咲き誇ります。訪れた人は「景色が奇麗」「贅沢」「癒やされる」と庭園を満喫。また、歩き疲れたら休憩所で絶景を眺めながらゆっくり出来ます。将子さんは知り合いが来る時にはお茶と手作りのぼたもちを準備し、心尽くしのもてなしをします。まさに至れり尽くせりなんです。
夫婦で荒れ地の開墾を始めて11年。「夫婦で100歳と、99歳までやりたい」と語る一久さんと将子さん。夢はまだまだ広がります!

標高約350mの高地に都築さんご夫婦が暮らす大平地区があります。12世帯、18人が住む限界集落です。高齢化がすすみ、地域の皆さんのことをいつも気にかけている都築さんご夫婦。健康や無事の確認もかねて一軒一軒訪ねて回り、手料理をおすそ分けしたりもしています。そんな都築さんご夫婦に地域の皆さんは「この2人に助けられよる」「ありがたい」と厚い信頼を寄せています。会えば話しが尽きることはありません。みんなが家族のような集落です。また、ご夫婦は4年前から高知大学「地域協働学部」の学生の実習を受け入れ始めました。地域の活性化や地域のリーダーの育成などに特化した珍しい学部。ご夫婦はみんなにタケノコの収穫に郷土料理、木の伐採から簡単な建築に至るまで様々な指導をしています。学生たちとは年齢が孫ほど離れていますが、恋愛の相談もされるほど仲良し!また、ご夫婦は地域住民と学生を繋ぐ役割もしていて、更に大平地区を、にぎやかに元気にしています。

楽園通信

高原カフェ こもれび

窓の景色を眺めながらコーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか。
光江さんのランチは土日のみ、10食限定です。
平日は能典さん1人で切り盛りしているため、お待たせしてしまうことがあります。ご了承ください。

営業時間:午前10時~午後5時
定休日:火曜・水曜
※臨時休業あり

こもれびランチ(土曜・日曜のみ):1,000円
ブレンドコーヒー:500円
※ランチは限定10食

ギャラリー夢来里(むらざと)

ギャラリーでは、将子さんが描いた素朴な地元風景の油絵や昭和30年代の大平地区の四季の習わしを描いたイラストなど懐かしい作品を展示しています。また、ご夫婦手づくり絶景の庭園で、たくさんの草木や花々に囲まれ心休まるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか?

閉館日:不定休
開館時間:午前9時~午後5時