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2019年5月18日皐月の参

岐阜・垂井町
~ 手作り木工房と和みカフェ ~

舞台は、田園広がるのどかな山里、岐阜県不破郡垂井町。自然豊かなこの地で、仕事を早期退職し、夢を叶えて木工職人になったばかりの黒川大輔さん(52歳)が主人公。食器から家具、小規模な家まで造ることが出来る腕前で、作業する木工房と、隣接するカフェの建物も大輔さんが造ったというから驚きです!
隣の『Cafe 木工房 結』は木工展示室を兼ねた店舗で、妻の永世子さん(53歳)が切り盛りしています。大輔さんが作った可愛らしいお皿やカトラリーに、永世子さん手づくりのスイーツを盛り付けておもてなし。椅子やテーブル、本棚などの家具も全て大輔さんの作品という徹底ぶりです。
高校卒業後、工業高校の教師となった大輔さん。永世子さんと結婚し、2人の娘が生まれました。「一旦やりだしたら、とことんまでする」性分の大輔さん。プライベートの趣味、トライアスロンを極め、全国の大会で活躍するまでになりました。32歳の時、自宅のテーブルを作ったことがきっかけで木工にのめりこみ、今度は木工を極めようと思った大輔さん。技術の向上を求めて家具職人の下に通い、技を習得。さらに建築技術も学ぼうと、午前は建築現場で大工修業、午後は定時制高校で教鞭をとる生活に。そんな大輔さんは仕事の合間を縫って、趣味の木工房も自ら造りあげました。やがて生まれた新たな夢、「木を使ったもの作りを、生業にしたい!」そして、作品の展示室を兼ねたカフェを建築。2013年にまずは永世子さんが『Cafe 木工房 結』をオープンさせ、娘たちが独立したことで、大輔さんもこの春、定時制高校の教員を早期退職。晴れて木工職人となりました。
新たな一歩を踏み出したばかりの大輔さん。注文を受けてから制作に取り掛かり、心を込めて丁寧に作り上げます。大輔さんが得意としているのが北欧スタイルの家具。全て手作業で作られ、使うほどに体にフィットし、味わいが出るそうで「長く使って欲しい」という思いが込められています。
また、『Cafe 木工房 結』では、「建物も家具もすべて夫の手作り、自分もそこにこだわりたい」という永世子さんの考えから、厳選素材で手作りしたスイーツを、大輔さんの木の器で提供。「温かみがあって素敵」と、お客さんにも大好評です。
この春、新たに始まったばかりの大輔さんの木工ライフ。木工にカフェ、木を通じて新たに広がる周囲との交流など、充実の新生活を駆け抜けています!

小さな器から、テーブルや椅子などの家具まで作る大輔さん。この日作ったのはアメリカ生まれの楕円形ケース「シェーカーボックス」です。日本の“曲げわっぱ”の技法を使い、薄い板を熱湯で柔らかくしてから曲げて作ります。接着剤をつけて乾かし、表面にやすりをかけます。底板など接着面には一ミリの隙間もなく大輔さんの繊細さが光ります。使う人のことを第一に考える大輔さん。隙間が少しでもあれば、それは不良品、と言い切ります。完成品を手に「退職して余裕があったので、完璧にできた」と嬉しそうに笑っていました。

大輔さんの木工房に隣接する『Cafe 木工房 結』。店内に一歩入れば木の香りが広がります。作品の展示室を兼ねているため、お客さんが使うテーブルや椅子、お皿やカトラリーに至るまですべて大輔さんの手作りです。さらに、カフェの自慢は永世子さんが選び抜いた美味しい卵や、自ら収穫した食材を使ったこだわりの手作りスイーツやドリンク。「作品は実物を見てもらうのが大事で、ここが展示場も兼、寛いでもらうカフェ」と話す永世子さん。大輔さんの木工への挑戦を誰より理解し、応援してくれています。

お店から車で一時間ほどの滋賀県長浜市に向かった大輔さん。家作りの師匠・清水陽介さんに、退職したことを報告しに来たんです。出会って9年の清水さんは、大輔さんにとってはまさに“師匠”。工房を持ちたいけど予算がない…と悩んでいた時「カフェや木工房を手づくりしたら」と勧めてくれたのも清水さんでした。そんな清水さんは今、古民家を改装中。ここに宿泊施設とカフェを併設した家づくり塾を開く予定なんです。清水さんもまた、木で夢を追いかけています!

新たな一歩を踏み出したご夫婦を支えてきたのが家族。次女の結子さんは、夢を叶えてパティシエとなり、隣町で評判の洋菓子店で働いています。「楽しそうにやっているので、木工の道に進んでくれてうれしい」と話す結子さん。大輔さんのよき理解者です。そして長女の葵さんは幼い頃から動物好き。動物の病理学の研究者として、地元を離れ、茨城県で頑張っています。大輔さんは、娘たちがそれぞれ独立したことで、安心して退職し木工の道に進むことができました。葵さん、結子さんもまた、夢を叶えたからこそ、父を応援してくれています!

楽園通信

慈鶏園

こちらでは絶品と評判の生みたて卵が買えます。平飼いのニワトリたちが生んだ卵は、濃厚な黄身と弾力のある白身が自慢です!

電話番号:0584-23-1584
営業時間:午前9時~午後6時

Cafe 木工房 結

黒川さんご夫婦が営む作品展示を兼ねたカフェ。金曜・土曜・日曜の午後のみの営業、温かみのある空間で、手作りスイーツが味わえます。木工作品は、大輔さんが心を込めて一つ一つ手づくりするため、納品まで時間がかかります。ご了承ください。

電話番号:090-7957-3166
営業時間:【金曜】午後1時~午後4時
【土曜・日曜】午後1時~午後5時

※木工に関するお問い合わせは午前10時~午後6時