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2019年4月27日卯月の四

岐阜・恵那市
~ 故郷の森守るきこり宿 ~

岐阜県恵那市が舞台。恵那市の北部に位置し、美しい坂折棚田がある中野方町で、去年、農家民宿を始めた鈴村今衛さん(70歳)と妻の八枝子さん(66歳)が主人公です。
中野方町出身の今衛さん、隣町出身の八枝子さんと27歳の時に結婚、2人の子供を育てます。電気工事の仕事をしながら、農業と林業を掛け持ちしていた今衛さんは、2000年の東海豪雨をきっかけに、森と真剣に向き合うようになります。土砂災害を防ぐ山作りを勉強するため森林塾に通い、2009年、地元の有志17人で木こり集団「杣組」を結成。故郷の森を手入れしてきました。
そして2年前に行われたアンケートで、10年後には中野方町に7~80軒の空き家が出ることが判明。故郷が無くなるかも知れないという危機感から、ご夫婦は町に人を呼んで活気付けたいと去年9月、農家民宿「銀木犀」を始めました。
故郷の魅力を発信していきたいと農家民宿を始めた鈴村さんご夫婦の日常と、地域の仲間との交流を紹介します。

この日、今衛さんは杣組のメンバーと間伐作業。作業は危険を伴うため、2人以上で行います。70歳の今衛さんもまだまだ現役です。チェーンソーで切り込みを入れ、狙った方向に木を倒していきます。間伐することで太陽の光が差し込んで、残された木が大きく育つため、健康な山作りには欠かせない大切な作業です。

鈴村家は大家族。母の八千枝さん(94歳)、今衛さんご夫婦、長男夫婦と2人の孫、4世代が暮らしています。民宿の看板は孫の衛志さん(10歳)がデザイン。この日は侑奈ちゃん(5歳)も手伝って、賑やかに夕食の準備です。八枝子さんが畑で育てた大根やご近所さんに頂いた野菜など、里の恵みをふんだんに使った料理が食卓に並びます。家族の笑顔を見ながらの晩酌。ご夫婦にとって至福の時です。

この日、中野方町で行われたのは、森の暮らしを体験できるツアー。林業や農業に興味のある参加者たちが県内外から集まりました。「杣組」も協力して間伐作業。切った間伐材は木の駅に出荷し、町の商店などで使用できる地域通貨、「モリ券」と交換。夜になると、参加者は町の農家民宿に分宿し、「銀木犀」にも5人が宿泊しました。八枝子さんとともに作る食事の美味しさや居心地の良さに、お客さんも大満足です。

中野方町に4軒ある農家民宿の主たちが、1軒の農家民宿に集まりました。それぞれの宿のお母さんが自慢の料理を持ちより、互いに近況を報告しあう親睦会です。去年9月、「銀木犀」と共に農家民宿を始めた安江さんご夫婦と飯田さんご夫婦。そして中野方町に移住し、今年3月から宿を始めた長江さん一家。中野方町にたくさんの人を呼んで活気付けたいと、皆さんは魅力を発信していきます。

楽園通信

なかのほう不動滝やさいの会

モリ券も使用できる、季節の野菜などを取り扱う直売所です。食堂も併設しており、地域の食材を使用した料理が楽しめます。

電話番号:0573-23-2166
営業時間:午前8時~午後3時
(土曜・日曜・祝日は午後4時まで)

恵那市坂折棚田保存会

鈴村さんご夫婦が営む「銀木犀」を始めとする、中野方町にある5軒の農家民宿の予約窓口です。体験したいこと、泊まる人数など、詳しくは「恵那市坂折棚田保存会」のホームページをご覧ください。

電話番号:0573-23-2032
問い合わせ時間:午前10時~午後4時
定休日:不定休
中野方町各宿 1泊2食付:8,000円