
兵庫・篠山市
~ 宿場町の学校カフェ ~

兵庫県の中東部に位置する篠山市が舞台。自宅で焼き菓子工房を開き、廃校した小学校でカフェを始めた原田久美子さん(58歳)が主人公です。
お菓子作りが大好きな久美子さん。結婚して2人の子どもが生まれてからは、誕生日のケーキを始め、子どもたちにお菓子を手作りしてきました。子育てが一段落してからは、地域のイベントで販売するなど、本格的に焼き菓子作りを始めた久美子さん。夫である優さんの賛成もあり、8年前に自宅の一角を改装、『焼き菓子工房KURURI』を開きました。さらに「いずれはカフェも開きたい」という目標があった久美子さんは、篠山市主催のビジネススクールにも通うように。そんな久美子さんに2年前、チャンスが訪れます。廃校となった地元の旧福住小学校で「誰かカフェをしないか」と話が持ち上がったのです。「みんなで立ち上げてみんなで作りたい」と、久美子さんは立候補。廃校のまま放っておくのは忍びないと、集まった地域の方と共に教室をリフォーム。こうして2018年10月、カフェ『めしと、つけもんと、パンと、』をオープンしました。
「地元の食材を生かした焼き菓子とごはんで地域を盛り上げたい、みんなに喜んでもらいたい」と、頑張る原田久美子さん。久美子さんの奮闘ぶりと、支えてくれるご家族、応援してくれる地域の方々との交流の様子を紹介します。



カフェの自慢は店名にもある「めし」。ふっくらツヤツヤに炊き上げたご飯に、漬物と、久美子さんの作る週替わりのおかずは、お客さんからも大好評です。久美子さんが工房で手作りした焼き菓子やパンも店頭に並び、カフェの営業日は地元の人や口コミで来たお客さんで賑わいます。廃校となった小学校に、笑顔と笑い声が帰ってきました!


『焼き菓子工房KURURI』のお菓子やパンは、久美子さんが一つ一つ手作りしています。この日作っているのはスノーボールと、地元産の米粉と黒豆きな粉がたっぷりの、シフォンケーキ。食材には、久美子さんの大好きな福住の美味しいものが詰まっています。
焼き菓子作りにパン作り、カフェ営業…テキパキとこなす久美子さんですが、始めたころは失敗続きだったとか。「悩んだらとことん落ち込んで、友達にヘルプミーと言うと来てくれる」と笑顔で話す久美子さん。支えてくれる友人に感謝しています。



あいにくの雪となったこの日、旧福住小学校で月に一度のオープンデーが行われました。校舎で様々なイベントが行われる中、久美子さんのカフェ、『めしと、つけもんと、パンと、』では、福住のお雑煮でお客さんをもてなします。カフェは憩いの場となり、一層賑やか。パワフルに頑張る久美子さんは町の若者にとって、「あとを追いかけたい福住のお母さん」だそうです。地域にかかせない存在として愛されています!



車で40分かけ神戸市へ向かった久美子さん。人気の洋菓子店で働く長女・光梨さんを迎えに来たんです。仕事終わりを待つ久美子さんは、母の顔になっていました。
久しぶりに実家に戻った光梨さんと、家族団らん。今も現役で米作りをしている92歳の義父・貞次さんとともに、鶏のすき焼きを囲みます。「お菓子の道に進んで、将来はお母さんとお店がしたい」と目標を口にする光梨さん。改めて娘の思いを聞き、嬉しそうな久美子さんでした。




一本杉販売所
福住地区への入口にある農産物販売所。黒豆など、篠山市の農作物と並んで、久美子さんのパンと焼き菓子が売られています。
『焼き菓子工房KURURI』の菓子やパンは、久美子さんが一つ一つ手作りしているため、売り切れの際はご了承ください。
電話番号:079-506-3313
営業時間:午前10時~午後4時
定休日:水曜・木曜
スノーボール:150円
ビスコッティ:200円



めしと、つけもんと、パンと、
廃校した小学校を利用して始めたカフェ『めしと、つけもんと、パンと、』。
貞次さんが丹精を込めて作ったお米を、漬物と久美子さんのおかずで召し上がってください。パンや焼き菓子のお供に、温かいゆずティーを飲んでみてはいかがでしょうか。
営業日:木曜・土曜・日曜
営業時間:午前11時~午後4時
めしと味噌汁とつけもん:500円
※週替わりのおかずは別料金
ゆずティー:330円