
千葉・南房総市
~ 里山の自家製天然酵母パン ~

今回は、千葉県南房総市が舞台。2016年に日曜日だけ営業するパン店『あぱん工房』を始めた芳賀敦子さん(58歳)が主人公です。
東京の両国で3人姉妹の末っ子として生まれた敦子さん。看護学校を卒業し都内の病院に勤務。22歳のとき8歳年上の裕さんと結婚。仕事を続けながら子育てをしていました。30代になると自然に囲まれた暮らしがしたいと房総半島に土地を見つけ東京から移住。4人目の子供が生まれ、子育て、家事に仕事と頑張っていました。
敦子さんに転機が訪れたのが50歳を越えた頃。看護師だから当たり前だと思っていた不規則な生活に疑問を感じ始め「もっと自然を感じながらゆったりと暮らしたい」と53歳で看護師を辞めました。その後は畑で野菜を育てたり仲間と味噌を作ったり、ハイキングを楽しむなど、のんびりとした生活を送っていました。
敦子さんの一番の趣味は20代から始めたパン作り。毎日の様にパンを焼き、時には友人たちにも分けていました。すると友人から「こんなに美味しいパンを作れるなら売ったら」との声が上がりパン店を始めることを決意。自宅横に工房を造り、2016年9月、56歳で週に1日だけ営業するパン店『あぱん工房』をオープンしました。
パンの販売は予約制。ぶどう、甘酒、酒粕の自家製天然酵母を使い作っています。甘酒の天然酵母で作る『全粒粉入り食パン』はモチモチの食感。ぶどうの天然酵母で作る『オレンジピールパン』『アップルロールパン』『ベーコンパン』などは「噛めば噛むほど味わいがある」と人気です。注文の多い日は30個程作っています。
『あぱん工房』を始めて3年、営業日以外は竹細工教室に通いパンを入れる籠を作り、また友人たちとハイキングに出掛けるなど、南房総の暮らしを楽しんでいます。そんな敦子さんの日々の暮らしと支える家族の姿。そして、応援してくれる仲間たちとの交流を紹介します。



お店の名前「あぱん工房」は「敦子さんのパン」という意味です。売り場は自宅の庭先で、予約したお客さんが買いに来るシステムです。
長年の友人の富田清美さん(58歳)が息子さんといらっしゃいました。「やるって言ったらやる人なので、楽しみにしていました」という清美さん。心強い応援団の一人です。
背中を押してくれた友人の伊藤弘子さん(60歳)も来店しました。「パン売ればいいじゃないって言ったんです」と伊藤さん。「その一言で木に登ってしまった」と笑顔の敦子さん。敦子さんのパン店「あぱん工房」は皆さんに愛されています。



「あぱん工房」の営業日以外は、様々なことにチャレンジしている敦子さん。ヨガもやっています。と言っても、ヨガの先生は、母・千代子さん(86歳)。場所は地域の公民館。当初は千代子さんの送り迎えだけでしたが、せっかくだからと3カ月前から一緒にヨガを始めました。86歳とは思えない柔軟な千代子さんに参加者の皆さんはビックリ。
また、月に一度、竹細工教室にも参加している敦子さん。作るのはパンを並べたり運んだりするための籠。竹を割り、竹ヒゴを作り1本1本編み上げるため、完成は次回の教室まで持ち越しです。



友人からの特別な注文が入りました。配達先は朗読の会の皆さん。友人が注文をまとめてしてくれました。アップルロールパンと亜麻仁とゴマのパンを試食用に準備しました。初めて注文された方は「噛めば噛むほど味わいがある」と嬉しい一言。友人のお陰で、「あぱん工房」のファンが増えました。



木更津市で暮らすお孫さん3人と、広島市で暮らす長姉・啓子さん(63歳)と所沢市で暮らしている次姉・純子さん(61歳)が遊びに来ました。夫・裕さんがオコワを作っておもてなしです。夕食時、お姉さんは「敦子のパンは昔から大好きで、ここに来る楽しみの一つ」「パンを売るようになってパン作りの腕はグンと上った」と敦子さんのパンを大絶賛でした。



お友だち2人と春めいてきた南房総の里山をハイキングです。普段からウォーキングなどを一緒にする仲良し3人。草花や景色を眺めながら片道1時間ほどのハイキング。
自然を感じながら仲間と過ごす楽しいひととき。「ここは、海も近いし、山もあり、人もいいし暮しやすい」と、南房総の良さを改めて感じる敦子さんでした。



あぱん工房
自家製天然酵母のパンは噛むほどに味わいのあるハード系のパンです。
外皮は硬めで、中はもっちりとした食感です。
敦子さんが一人で作っているのでパンの数には限りがあります。
ご注文方法は、あぱん工房のブログをご確認下さい。
【メニュー】
・全粒粉入り食パン
・クランベリーパン
・ベーコンパン
・アールグレイパン
・生姜パン
・オレンジピールパン
他
各種:400円
営業日:日曜日
時間:午前10時30分~午後4時