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2019年2月9日如月の弐

石川・七尾市
~ あったか囲炉裏カフェ ~

2017年、自宅の座敷を使って『田舎のカフェいろり庵』を始めた北川猛さん(70歳)と妻・千賀子さん(65歳)が主人公です。
七尾市で生まれ育った猛さんは高校卒業後、神奈川県の農業機械メーカーに就職。金沢市への転勤を機に故郷で仕事をしたいと22歳で退職。七尾市で建材業を始めます。26歳の時、千賀子さんと結婚。同年に建築会社を設立し、千賀子さんも一緒に働きながら3人の子どもを育てました。
猛さん52歳の時、景気が悪くなり、やむなく会社を畳みました。夫婦2人で細々と仕事を続けましたが、62歳で建築業に区切りをつけます。その後、千賀子さんは介護の仕事に就き、猛さんは自宅で何か商売が出来ないかと考えました。当時、古民家を使った民泊やカフェなどが流行っていた時期で、猛さんも自宅の座敷を活かして飲食店を始めたいと考えました。しかし、料理経験がほとんど無い猛さんは「建築も料理も同じ物づくり、出来ないわけがない」その一心で、インターネット等を見ながら料理を一から学び、次第にレパートリーを増やしていきました。そして、2017年10月『田舎のカフェいろり庵』をオープンしました。
客席は能登地方の昔ながらの建築様式を取り入れた座敷2間。まず目に付くのが、大きな自在鉤が吊るされた自慢の囲炉裏。「囲炉裏があると雰囲気が良くて、落ち着く」とお客様にも人気です。
ランチとディナーは完全予約制。『おまかせランチ』は、寒ブリのアラを使ったブリ大根やカキの炊き込みご飯など能登の食材を活かした献立。夜の『おまかせディナー』は、自家製野菜をたっぷり入れた出汁で食べるブリしゃぶが冬の定番。
長年続けてきた建築業から一転、自宅の座敷を使ってカフェを始めた猛さんと、それを支える妻・千賀子さんとの暮らしぶり。そして、2人を応援してくれる地域の仲間たちとの交流を紹介します。

猛さんが自ら設計した自宅で始めた「田舎のカフェいろり庵」。名前の由来は座敷にある大きな囲炉裏。猛さんの自慢です。鴨居や欄間、建具など能登地方の伝統技法を見ることができます。「土縁」と呼ばれる坪庭のような空間は、冠婚葬祭などで神主さんやお坊さんをお迎えする時の玄関として使われたんだそうです。

冷え込んだ朝。猛さんは自宅裏の畑で野菜の収穫。お店で出すものは出来るだけ自家製の物を使いたいとカブや大根、白菜などを育てています。妻の千賀子さん、孫の歩美さん、健成くんも手伝ってくれます。2人ともお爺ちゃんが作った野菜が大好きなんです。

猛さんの小中学校時代の同級生14人がディナーにやってきました。大人数なので妻の千賀子さんもお手伝い。今宵のメイン料理は寒ブリのしゃぶしゃぶです。みなさん声を揃え「しゃぶ、しゃぶ」と、楽しそうに舌鼓を打っていました。いつも応援してくれる友人達。「気心のわかる友は一番の宝」と猛さん。宴は遅くまで続きました。

この日、ご夫婦が首を長くして待っていた方がやってきました。神奈川で暮らす長男の春樹さんご家族。1年半ぶりの帰省です。夕飯は各々が作った料理がテーブルに並びました。千賀子さんは得意料理の鶏手羽のから揚げ。春樹さんは子供たちが大好きなハンバーグ。猛さんは、ブリのかま焼き、茶碗蒸し、そしてブリしゃぶです。猛さんの弟さん夫婦にも声をかけ、賑やかな夕食です。猛さん自慢の座敷がいつもより、なんだか温かでした。

楽園通信

田舎のカフェ いろり庵

囲炉裏が自慢のカフェです。地元の食材を使ったランチやディナーが楽しめます。おまかせランチ、ディナーは前日までに予約をお願いします。
コーヒーなど喫茶利用は予約無しでもOKです。

おまかせランチ:1,500円~
おまかせディナー:2,000円~
電話番号:0767-57-2311
営業時間:午前11時~午後9時
定休日:水曜日
※前日午前中までの完全予約制(最大20名まで)