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2019年2月2日如月の壱

岡山・美咲町
~ 里山手作りペン工房 ~

舞台は岡山県久米郡美咲町。この地に移住し、銘木を使ったペンを作る『里山の木工房 真空(まそら)』を開いた西村博文さん(62歳)と妻の信美さん(52歳)が主人公です。
山口県で生まれ、大阪府で育った博文さん。電気機器メーカーに勤め、信美さんと職場結婚し、1男1女を育てました。30代になると新たなプロジェクトを立ち上げるため群馬県伊勢崎市へ転勤となります。仕事に奮闘する日々の中で、ゆったりした田舎暮らしを夢見るようになったお2人。岡山県美咲町の中古住宅を購入すると、リフレッシュのため長期の休暇をとって、リフォームを始めました。万年筆の愛好家だった博文さんは、その時に目にした木材の切れ端から「これでペンが出来たら」と考えるように。早速、ペン作りの講座に参加した後、独学でペン作りを学んでいきました。博文さんが定年退職すると夫婦で岡山県美咲町に移住。2018年自宅の車庫を改装して「里山の木工房 真空(まそら)」を始めました。納得できるものが出来るようになった今は、販売も始めています。
博文さんの作品は万年筆、ボールペン、シャープペンシルの3種類。こだわりは、美しい木目を見せること。また、自然な風合いを大事に仕上げるため、出来たペンは木の香りがします。世界に1つだけの美しいペンは評判が良く、イベントにも出店。信美さんも、岡山県の特産の1つである「畳縁(たたみべり) 」を使って小物を製作しています。
博文さんはロードバイクを楽しんだり、信美さんは家庭菜園や味噌作りを始めたりと、田舎暮らしを満喫。ご近所から、野菜をお裾分けしてもらうなど交流が深まっています。
棲家を見つけた西村さんご夫婦の、趣味を極めた暮らしと地域の方々とのふれあいをご紹介します。

この日お2人はペンの材料となる木材の仕入れに兵庫県小野市にやって来ました。世界中の銘木に囲まれ、博文さんは興奮気味です。木が育つ様々な条件により、偶然に生まれる模様が『杢』。お二人は、複雑な杢を描く美しい木材を見つけました。白く光るようにできた模様を前に「すごいペンが出来る」と期待が膨らむ博文さんです。

工房にてペン作りが始まります。実は材料をカットする最初の工程が一番悩むところ。木の1番良い部分を厳選して切り出します。続いて軸部分とキャップ部分に分けた材料に穴をあけ、そこに真鍮のパイプを接着。削り、形が整ったら研磨剤で何度も磨き、艶を出していきます。最後に、金属パーツを組み込んで完成。狙い通りに浮かび上がった模様に博文さんも信美さんも大満足です。

地域の皆さんとの交流も田舎暮らしの楽しみです。町の広報誌を配るために伺ったお宅では、立派な白菜と大根を分けて頂きました。また、ご近所の赤崎さんは信美さんにとって畑の先生。博文さんは、美咲町で森林保護活動を続けている方から余った木を頂きました。この木でペンを作り、博文さんも美咲町を盛り上げたいと考えています。地域の皆さんが、ご夫婦を温かく見守ってくれています。

美咲町での暮らしを満喫している信美さん。味噌作りにとりかかりました。お手伝いをしてくれる長男の妻、里彩さんは味噌作り初体験です。大豆を潰すと大豆の良い匂いが。そこに米麹を少しずつ混ぜます。丸めたら、空気を抜くため力いっぱい桶の中へ。2人で作った味噌の出来が楽しみです。そしてこの日は、長男家族と一緒に食卓を囲みました。「幸せです」と微笑む博文さん。素敵な家族です。

楽園通信

里山の木工房 真空(まそら)

博文さんが作るペンは、工房での販売のほか、インターネットでも取り扱っています。興味のある方はぜひ、検索してみてください。

シャープペンシル:4,200円~
ボールペン:3,600円~
万年筆:25,000円~
※モデルにより価格は異なります。
電話番号:0868-66-2050
営業時間:午前9時~午後5時
定休日:不定休(事前にお問い合わせ下さい)