
三重・菰野町
~ 骨董楽しむ美味パン店 ~

鈴鹿山脈を望む、自然豊かな三重県菰野町の住宅街に出来た、ユニークなお店。
扉を開ければ、美味しそうな匂いに包まれ、沢山のパンが並んでいます。そして、そんな店内大部分を占めているのが、古い器や昭和レトロの骨董品の数々。こちらは安田龍一さん(66歳)と照子さん(67歳)ご夫婦それぞれの趣味を生かしたお店です。
高校卒業後、自動車販売店で整備士として働いていた龍一さん。ある日、社内のイベントで出会った照子さんに一目惚れし交際をスタート。当時はオイルショックの頃、安定を求めた龍一さんは警察官に転職し、翌年に照子さんと結婚、2人の子どもが生まれました。龍一さんが骨董に興味を持ち始めたのは40歳の頃。骨董品を紹介するテレビ番組を見て、骨董市に出かけたところ、懐かしい物や歴史ある物たちの魅力にはまってしまいました。以来、小遣いで骨董品をコツコツと買い集め、気がつけばコレクションは家に入りきらないほどの量に!一方の照子さんは、子育てが一段落し、趣味でパン作りを始めていました。そこで集めに集めた骨董品を何とかできないかと考えた龍一さんは、「骨董と、手作りパンを売る店を始めよう」と決意します。
自宅の脇に店舗を構え、2012年に、まずは照子さんが骨董とパンの店「やすだ屋」をオープン。4年後に龍一さんも合流しました。
天然酵母や北海道産の小麦粉など、こだわりの素材を使った照子さんのパンは売り切れるほど大好評。一方、龍一さんの骨董品は眺める人はいてもなかなか売れません。
夫婦それぞれの得意分野を生かして働いている時間が大切な宝物となっています。
大の骨董品好きの夫と、パン作りが趣味の妻、そんな2人が生み出すユニークな空間。地域の人々にとっても、他にはない雰囲気を楽しめる、楽しい場所になりました。


北海道産の小麦と天然酵母を使うことがパン作りのこだわり。天然酵母の発酵には24時間、生地の発酵には9~10時間かかるので、たとえお店が休みの日であっても照子さんは工房にこもりっきり。9種類の生地を1人で仕込みます。こうして時間をかけて丁寧に作られた照子さんのパンは、どれももっちりとした食感と、小麦の香りが生きているのが特徴です。お客さんもそんな味に魅力を感じ、通ってくれます。照子さんが1人苦労して作っていることを知っている常連さんは、一度に沢山買ってしまわないように遠慮しながら購入してくれるんです。


営業日の朝は、午前3時半から生地の成形と焼き作業に追われる照子さん。お店の隣に住む娘の洋美さん(39歳)は、朝のオープン前に駆けつけてくれる心強い助っ人です。朝早くから頑張る母の姿を、「真似できない」と尊敬の眼差しで見ています。母娘の力を合わせて、この日は25種類のパンが店頭に並びました。そして、閉店時間の1時間半前には完売!手間暇かけて焼き上げた味が、地元の皆さんに認められています。


店内の販売スペース約7割は、龍一さんの骨董品が占めています。大正や明治、江戸時代に作られた器に、レトロなブリキの玩具、古布やランプシェードなど、あらゆる骨董品が所狭しと並んでいます。しかし残念ながら、骨董部門の売り上げはほとんどありません。趣味で、集めに集めた骨董品を整理するためにお店を始めた龍一さん。結果的には照子さんの手作りパンが好評を博したため、今やエプロン姿で接客をすべて担当し、照子さんを全面的にサポートしている龍一さんです。


この日、ご夫婦は亀山市にある、人気の釣り堀にやって来ました。孫の優花さん(9歳)と美咲さん(6歳)が最近釣りに夢中です!今回はニジマス釣りに来ました。こちらの施設では、釣った魚をその場で調理してくれます。今回は洗い、フライ、塩焼きに。みんなで美味しく頂きました。普段、お店の営業で忙しいご夫婦は、釣りを楽しみ、モリモリ食べて大喜びのお孫さんたちの笑顔を見て、たくさん元気をもらっていました。




やすだ屋
照子さんが作る天然酵母パンと、龍一さんが集めた骨董品が買えるユニークなお店。手作りパンを店内で、コーヒーなどドリンクと共にイートインすることも出来ます。ただし、パンは照子さんがたった1人で作っているため、数に限りがありますのでご了承下さい。
骨董品は在庫が豊富ですので、どんどんお買い求めください!
金額については、骨董担当・龍一さんとご相談下さい。
電話番号:059-394-7358
営業日:木・土曜
営業時間:午前10時~午後5時30分