これまでの放送

  • 年別にみる
  • 地域別にみる
2018年9月29日長月の伍

岩手・一戸町
~ ちょい飲みできる魚屋さん ~


岩手県の北部に位置する一戸町が舞台。この町で今年、鮮魚店をオープンした田口健さん(66歳)と妻のさとみさん(64歳)が主人公です。
一戸町で生まれ育った健さんは高校を卒業後、町内の鮮魚店に就職します。26歳の時、隣町二戸市出身のさとみさんと結婚。2人の男の子が生まれました。
長年、鮮魚に携わる仕事をしてきた健さんは40歳で大手スーパーに転職。ここでも鮮魚の担当でしたが、盛岡市への転勤をきっかけに退職を決意します。その後は地元の障害者支援施設で働いていました。しかし、「もう一度、鮮魚に携わる仕事がしたい」。更には「自分のお店を持ちたい」というかつての夢も蘇りました。「やらないで後悔するより、やって後悔する方がいい」と、65歳で一念発起した。空き店舗を借りて店内を改築、今年5月に念願の鮮魚店「さかなや」をオープンしました。更に2カ月後の7月には同店舗内で、魚をつまみにお酒が飲める「ちょい飲み処」も始めました。
鮮魚店「さかなや」では、健さんが盛岡市の市場で仕入れた鮮魚の他に、さとみさん手作りの総菜も販売しています。それらの鮮魚や総菜は、酒のつまみとして「ちょい飲み処」で食べることもできるとあって、常連さんも増えています。
65歳で長年の夢を叶え、地元で鮮魚店と飲み処「さかなや」を始めた田口さん夫婦の日常と、店を訪れる人々との交流を紹介します。

朝4時半に家を出て、車でおよそ1時間。健さんは、盛岡市の中央卸売市場へ魚の仕入れにやって来ました。健さんがスーパーで働いていた頃から20年来の付き合いという「丸和水産」で鮮魚を選びます。魚選びのポイントは「勘」と笑顔で語る健さんは、まるで“水を得た魚”の様に市場をスイスイと巡り魚を仕入れていました!

市場から戻り開店準備。お店には健さんが仕入れた魚と、さとみさん手作りの総菜が並びます。「あくまでも魚屋の方がメイン」と言いますが、「ちょい飲み処」も健さん厳選の美味しい魚が食べられるとあって人気です。店舗の大家、山口英美さん(73歳)は、毎日の様に通う常連さん。奇麗になった店舗を見て「逆に家賃を払わないといけない」と言います。健さんは「家賃以上に飲んでもらっています」と笑顔!

お店の定休日。ご夫婦は岩手県内に暮らす2人の息子たちの家へ向かいました。売れ残った魚がもったいないので、それを届けに行くのが定休日の恒例に。とは言え魚はあくまでも口実。本当は孫に会うのが目的なんです。長男・晴之介さん(38歳)は「休みの度に売れ残りと言って魚を持ってくると、商売として大丈夫か心配になるが頑張って欲しい」と2人のエールを送っています。

ある夜、「ちょい飲み処」に開店の際にお世話になった方々が集まりました。包丁を握る健さんも張り切っています。この日のメニューは、アジのタタキにホヤ酢、お刺身は水ダコと本マグロ。皆さんほろ酔い気分になったところで、さとみさんがサプライズで健さん&お客さんの誕生日会を開催!とても賑やかな夜でした。

お2人はよくドライブに出掛けます。車窓に広がる奥中山高原の風景を眺めながら向かったのは、ジェラートのお店。実は健さんジェラートが大好き!この日はラムレーズンとトマトのダブルを注文。高原の風景を眺めながら美味しそうに食べる、仲良しのお2人でした。

楽園通信

さかなや

田口さんご夫妻のお店「さかなや」は、お酒も飲める鮮魚店です。「ちょい飲み処」はメニューもありますが、隣の販売スペースから好きなお総菜などを持ってくることも出来ます。

電話番号:0195-35-2950
営業時間:午前10時~午後9時
(ちょい飲み処のラストオーダーは午後8時30分頃)
定休日:水・日曜