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2018年9月15日長月の参

兵庫・上郡町
~ 旬野菜のまんぷく料理店 ~

舞台は田園風景が広がるのどかな里、兵庫県赤穂郡上郡町。この町で、料理が大好きな主人公・秋岡安子さん(72歳)が始めたのが、完全予約制の料理店『四季菜の里 秋翠亭』です。店の目の前の畑で夫の立三(たつみ)さん(75歳)が四季折々の野菜を栽培、安子さんが旬の野菜でコース料理に仕立てます。田舎町にありながら、そんなスタイルが好評で、いつも予約で一杯のお店なんです。
岡山県出身で、昔から料理が趣味だった安子さん。25歳で結婚すると、兵庫県赤穂市で夫・立三さんが金物店を開業。3人の娘の子育てをしながら店を手伝います。それでも料理に手を抜くことは決してなく、常に手の込んだ料理を作りました。子育てが落ち着くと、料理コンテストに挑戦し、料理雑誌などで受賞するように。そんな中、家業の金物店は経営難に陥り、21年営んだ店を廃業することになりました。その後夫婦ともに再就職し、田舎暮らしがしたいと2002年に兵庫県上郡町に移住します。こちらでも料理の腕前は評判となり、「何もしないで人生終わるよりも、やってみよう」と料理店を始める決意をした安子さん。近所の空き家を借り、2012年に、完全予約制の料理店『四季菜の里 秋翠亭』をオープンしました。
店の料理は収穫出来る野菜に合わせ季節ごとにメニューを変えます。旬の味をおなか一杯味わってもらうのが“安子流おもてなし”。晩夏には、夏野菜の彩り鮮やかなバンバンジーや豆乳が入ったトマトのスープなど。初秋には、カボチャを柿に見立てた饅頭や秋ナスを使ったエビのすり身揚げなど、四季を味わうことが出来ます。そんな手間と工夫が凝らされたボリューム満点の「彩り昼食膳」はお客さんに大評判!
すべての料理に欠かせないのが新鮮野菜。夫の立三さんは、これまで育児や仕事を頑張ってくれた妻のためにと、年間50種類以上を育て、珍しい野菜の栽培にもチャレンジ。無類の料理好き安子さんと、野菜作りで妻を支える立三さん。夢を叶えてオープンさせたお店で、たくさんの人を、おなかいっぱい、笑顔いっぱいにしています。

完全予約制の料理店『四季菜の里 秋翠亭』。3名の常連さんがご来店です。旬野菜のピクルスとアンチョビ特製ソースを載せて焼いたズッキーニを始め、採りたてトマトとキュウリがもりもりのバンバンジー、煮たトマトを裏ごしして豆乳などを加えたスープ。次々と料理をお出しする中、旬野菜のせいろ蒸しを食べていたお客さんにハプニング…。「お父さん、水下さ~い!」と叫ぶお客さん、激辛の“万願寺とうがらし”に当たってしまったんです。今年は猛暑の影響で、辛味は全く無いはずの万願寺とうがらしの中に辛いものが出来てしまったんです。でもそこは常連さん、「刺激もないと」と笑って許してくれました。さらに、具沢山の春巻きとご飯、デザート・コーヒーが付いて、2160円。大満足のコース料理です。

安子さんの料理に欠かせないのが、店の目の前の畑で夫・立三さんが作る野菜です。これまで、金物店での仕事や子育てを頑張ってくれた安子さんのため、店のサポートをしようと決めた立三さん。四季によって作る野菜を変えて、年間50種類以上を育てています。特に、立三さんの作るトマトは糖度が高く、とっても甘くて美味しいと評判です。珍しい野菜があればすぐに栽培に挑戦し、安子さんを喜ばせています。この日は、花も食べられるという珍しいバジルを植えました。そしてもう一人、安子さんが頼りにしている方が、15歳年上の兄・聰雅さんです。姫路市から泊りがけでやって来ては、畑の草むしりなどを手伝ってくれるんです。安子さんのことを、頼れる夫と兄が支えてくれています。

定休日の朝、『四季菜の里 秋翠亭』に続々と集まって来たご近所さんたち。皆さんは安子さんのボランティア活動の仲間『神明寺いきいきクラブ』。地域のためにイベントを開催し、会場で振舞うサンドイッチやサラダを見事なチームワークで作ります。作りたての食事を運んでやってきたのは、地域の公民館。近所の高齢者の方々が集まってきました。安子さんの昔なじみ『黒川会』の皆さんを招き、踊りや歌を披露して頂きます。その後は地元の皆さん、いきいきクラブのメンバー、黒川会の皆さんも一緒に会食が始まります。
美味しいものを食べて、語り、笑う。安子さんも元気をもらっています。

『四季菜の里 秋翠亭』、今日からは初秋を意識したメニューです。
カボチャを茹でて潰し、砂糖を加えて丸め、そこに切り抜いた昆布を載せると…小さな柿に変身!秋らしい前菜の出来上がりです。到着したお客様からは、「かわいい!」の声が。さらに、色づき始めた山を模したキュウリやニンジンのなます、秋ナスやズッキーニがたっぷり入った温かいラタトゥイユ、自家製のシソ味噌がアクセントのエビのすり身と秋ナスの挟み揚げなど、秋を感じるメニューが揃いました。食べ終わったお客さんからは「何を食べても美味しい」とお褒めの言葉を頂きました。“安子流おもてなし”、大好評!

休日の秋岡家に、次女の里佳さんと子供達、三女の文香さん一家が来てくれました。みんな近くに暮らしているので、よく遊びに来てくれます。会うと互いにハイタッチで挨拶する仲良し一家!もちろん安子さんは、家族にも料理の腕を振るいます。この日は岡山県で買ってきた新鮮な魚介類を料理。孫たちの大好物であるサバ寿司に、サワラの刺し身など、テーブルいっぱいにご馳走が並びました。まるでお盆やお正月の食卓みたいですが、秋岡家ではこの豪華さが普通なんだそうです。「お店をそろそろ辞めようかと思ったけど、もう少し頑張ろうかな」と言う安子さんに、お孫さんからは「あと10年!」との声が。家族みんなから応援されている安子さんと立三さんです。

楽園通信

四季菜の里 秋翠亭

1日2組限定、完全予約制の料理店。自家製野菜をふんだんに使った、四季を味わえるコース料理が堪能出来ます。メニューは季節によって変わります。お越しの際は、前日までに必ず電話でご予約下さい。

彩り昼食膳:2,160円(税込み)
電話番号:0791-52-7008
営業時間:午前11時30分~午後2時30分
定休日:日・月曜日
(予約は前日午後3時まで)