
三重・伊賀市
~ 幸せの手作りジャム ~

三重県伊賀市が舞台。大阪から移住し、ジャムの専門店を始めた髙濵みつ子さん(70歳)と文明さん(74歳)が主人公です。
熊本県出身のみつ子さんは大阪で看護師をしていました。22歳の時に患者として入院してきた文明さんと出会い結婚。文明さんが営んでいた電気工事の会社を手伝いながら腎臓が悪い文明さんのため、食事はできるだけ体に良いものを作るようにしてきました。3人の子ども達にも時間を見つけてはキャラメルやジャムを手作りしていました。
園芸が好きで、大阪のマンションのベランダで花や野菜を育てていたみつ子さんでしたが、もっと沢山植えられるようにと、伊賀市に所有していた土地を畑にして、週末に文明さんと通うようになります。その後64歳の時に次女の江利さんと3人で伊賀市に移住。お菓子作りが趣味だったみつ子さんは、やがてジャム作りに没頭するようになります。周囲からの評判は上々で、店でも開いたらと言われることもありました。そして2014年6月、手作りコンフィチュールのお店「メリ樹(Meriju)」をオープンしました。
コンフィチュールとは、フランス語でジャムという意味。メリ樹には果実だけでなく、野菜を使ったコンフィチュールもあります。原料となる野菜を作っているのは文明さん。丁寧に畑を整備し、畑の仲間達に支えられながら日々野菜作りに励んでいます。コンフィチュールを作るのはみつ子さん、販売は次女の江利さん(39歳)の担当です。
「花や野菜を育てたい」と移住した田園広がる豊かな町で、美味しくて体に優しいものを食べてもらいたいと始めた手作りジャムの店。親子3人の奮闘ぶりと、応援してくれている地域の皆さんとの交流の様子を紹介します。


メリ樹の人気商品「ガーデンハックルベリー」を始め、みつ子さんは色々なコンフィチュールを作ってきました。中には野菜と米糀を使った「おかずジャム」と呼んでいるものがあります。この日は山椒の実を使って「おかずジャム」作りです。自宅の畑になっていた山椒を見て「何かに使えないか」と試行錯誤の末、完成しました。「新しいレシピを考えている時が楽しい」と笑顔で語るみつ子さん。創作意欲はとどまることを知りません!



夫の文明さんはコンフィチュールの材料となる野菜を栽培しています。独学で野菜作りを始めた文明さんには何かと心強い仲間がいます。その一人がご近所の中森さん。「パプリカは小さいうちに間引きしないとダメ」と新芽摘みを手伝ってくれます。また、卵をお裾分けしてくれる藪本さん。野菜作りばかりでなく、二ホンミツバチの巣箱も藪本さんに教わり作りました。移住して6年、畑から仲間の輪が広がっています。



髙濵家の夕食は、自家製野菜たっぷりのサラダや鶏肉料理など、みつ子さんの得意料理が並びます。元看護師のみつ子さんは文明さんの体調を考え、塩分控えめで体に優しくて美味しい食事作りを心掛けてきました。文明さんは「今も元気なのは家内のおかげ」と、長年支えてくれたみつ子さんに感謝の気持ちを伝えていました。



キャラメルの作り方を学ぼうと厨房に入った江利さん。子どもの頃、おやつに食べていた母・みつこさんの手作りキャラメル。「手作りの優しい甘さを江利さんに受け継いで欲しい」とみつ子さんは考えていました。そんな母の指導の元、江利さんは緊張しながらも初めてキャラメルを作りました。出来たてのキャラメルを文明さんも一緒に試食です。「子どもの頃より今の方が美味しい」と笑顔の江利さん。改めて家族で移住して来て良かったと、笑顔の3人でした。




メリ樹~Meriju~
文明さんが育てた野菜を使い、みつ子さんが作るコンフィチュールのお店です。定番の果実ジャムの他にも、山椒や山菜を使ったおかずジャムもあります。季節ごとにみつ子さんが一つ一つ手作りしているため、売り切れの際はご了承ください。
電話番号:0595-47-0320
営業時間:午前10時~午後5時
定休日:月曜日、最終日曜日
ガーデンハックルベリー:750円~
実山椒糀:734円~
キャラメル(5個):216円
※キャラメルの購入は「1人2袋まで」とさせていただきます。