
滋賀・長浜市
~ 幸せの味 夫婦うどん ~

琵琶湖の眺めが美しく、歴史ロマンあふれる滋賀県長浜市が舞台です。
町のシンボル・長浜城の目の前にある小さなお店。暖簾をくぐると「いらっしゃいませ~!」と夫婦の元気な声が響きます。地元のお客さんで賑わい活気ある店内、みなさん美味しそうにすすっているのが…うどん!
主人公の岩坪健一さん(56歳)と妻の千佳さん(55歳)が3年前に始めた『うどん馳走 山石土平』。モチモチとした自家製麺が自慢、茹でたてを水でしめ、上には揚げたての天ぷら、特製のつゆをかけて頂くさぬき系の「ぶっかけ」が人気です。
長浜市出身の健一さんは24歳の時、高校の陸上部で知り合った千佳さんと結婚、2人の娘が生まれました。市役所勤めで真面目に仕事に取り組んできたものの、40代になると「このままでいいのか、やりたいことはこれなのか」と、ふと立ち止まるようになりました。健一さんが刺激を受けたのが、千佳さんのご両親。2人は地元の皆さんに愛されていた小さな店「ふたば食堂」を営んでいました。しかし12年前、千佳さんのお母さんが亡くなり、千佳さんと共に健一さんも皿洗いなどを手伝うように。後継者がいない店の将来を案じた健一さんは、料理経験の無い自分にも出来る事はないか模索し始めます。そんな時に知ったのが、製麺機を使って作るさぬき系のうどん。製法を学ぶ講習も受けました。しかしその矢先、千佳さんの父・実太郎さんが病気で突然亡くなり、店舗だけが残されました。「やるなら今しかない」とご夫婦は動き始めます。健一さんは30年勤めた市役所を早期退職し、有名うどん店で修業も経験。店内を改装し、2015年に「うどん馳走 山石土平」をオープンさせました。目指すは、千佳さんの両親のように、地元のお客さんに愛されるお店です。
50代を過ぎて、市役所職員から飲食業への転身。それだけにお客さんに満足してもらえる美味しいうどん作りにはこだわりました。小麦粉の銘柄、配合の割合を何度も試し、データを積み重ねて研究。健一さんはつるつるっとした喉越しでモチモチした麺を目指しています。そんな健一さんのうどんの味を求め、地元の皆さんがやってきます。
今改めて、「やってよかった、毎日が楽しい」という健一さんと千佳さん。お店を通じて沢山のお客さんと交流し、忙しい毎日をおくる岩坪さんご夫婦の暮らしは、とっても充実しています!



前日からうどんの仕込みをする健一さん。北海道産・九州産、三重県産の小麦粉をブレンドし、モッチリした食感に仕上げています。営業が始まると、健一さんはうどん担当、千佳さんは天ぷら担当。15分ほどかかるうどんの茹であがりにあわせて、カリッと揚げたての天ぷらが出来上がるようにしています。また、ユニークなのが健一さんの麺の盛り付け方。ひねりながらぐるぐるとねじるように丸めて盛るのですが、師匠のようには出来ず、自己流で…「トルネード」なるネーミングまであるそうです。この麺の上に、千佳さんが揚げたチクワと鶏肉、舞茸の熱々天ぷらをのせた「讃岐天ぶっかけ」はお客さんに大人気!「ここのうどん食べたら他の食べられへん」と大絶賛でした。


お店には沢山の顔馴染みの方々が来店します。ふらっとやって来た井上嘉彦さんは健一さんの同級生。なんと、「早期退職して新たな挑戦を始める」と健一さんに報告しに来てくれました。早期退職し、うどん店を始めた健一さんに刺激を受けたそうですよ!
また、池渕さんご夫婦は筋金入りの常連。2人は千佳さんのご両親がここで食堂を営んでいた頃から通ってくれているんです。池渕さんご夫婦が来ると、食堂だった頃の思い出話に花が咲きます。そして「思い出の場所でこんな美味しいうどんを出してくれて嬉しい」と仰っていました。今もここは、昔と同じようにみんなに愛されているお店です。


ある日の閉店後、ランニングウェアを着て自宅から颯爽と駆けていった健一さん。マラソン歴40年、中学生の頃からたくさん優勝している選手なんです。以前は毎日走っていましたが、今は店が忙しくその時間が減ってしまったそうです…。
走るのは決まって天気の良い夕方。向かうは琵琶湖の脇に伸びる道です。この時間は水面に映る夕日が黄金色に輝き、素晴らしい眺望!そして、天候以外にも、走るのにある条件が…。それは「お店が暇だった時。店の片付けはすぐ終わるし、憂さ晴らしに走りに出掛ける」のだそうですよ。スカッと気分転換して明日も頑張れます!



週一度の定休日。健一さんと千佳さんは2人で近所の「黒壁スクエア」を訪れました。このあたりは明治時代や大正時代に建てられたノスタルジックな建造物が立ち並ぶ地域で、人気の観光スポット。お二人が向かったのは江戸時代から続く器の店「かわ重」です。店の六代目・川村好平さんは「うどん馳走 山石土平」の雰囲気に合わせて食器をコーディネートしてくれた方。今日の目的は夏の新作メニューの食器選びです。「器はお料理のお洋服」と言う川村さんの薦めで、今回は白地に紺の丸模様がかわいらしいポップな柄の器を選んだ健一さん。夏限定のうどんをどんな風に装ってくれるのか、楽しみです。



長女の友佳里さん一家、次女のあやかさんご夫婦、そして同居している健一さんの母・道子さん。家族全員が集まったこの日の食事は、すき焼きです。そして、サプライズで「ハッピーバースディ」の合唱と共にロウソクの灯ったでっかいケーキが登場!この日は、健一さんの誕生日会。健一さんと一緒にロウソクを消した3歳の孫・一輝くんも「じいちゃんおめでとう」と元気にお祝いしてくれました。娘の夫たちも「かっこいい」「お母さんが支えているのがすごい」とご夫婦を尊敬しています。そんな言葉に、千佳さんは思わず涙…。家族みんなが、ご夫婦を支えてくれています。




公益社団法人 長浜観光協会
美しい琵琶湖の自然や、レトロな建物が建ち並ぶ黒壁スクエアなどがある長浜市。中が歴史博物館になっている長浜城など見所が色々あります。
電話番号:0749-65-6521
問い合わせ:平日 午前8時30分~午後5時15分



うどん馳走 山石土平
主人公・岩坪さんご夫婦が営むうどん専門店。
うどんは1日60食限定。
無くなり次第閉店となりますのでご了承下さい。
健一さん特製・牛スジカレーうどんは金曜日限定のメニュー。
また、月替わりで限定うどんが登場します。
番組中で試作した「トマトの冷製うどん」は現在改良中。
8月頃登場の予定です。
電話番号:0749-53-4639
営業時間:午前11時30分~午後2時30分
(限定60食・なくなり次第閉店)
定休日:木曜日