
香川・男木島
~ たこ飯が自慢 夫婦の漁師宿 ~

舞台は香川県高松市の男木島。この島で7年前に漁師民宿をオープンした大江哲夫さん(65歳)と妻の和美さん(58歳)が主人公です。
男木島で生まれ育った哲夫さんは、島を出て、高松市街で就職。地元出身の和美さんと知り合い2年後に結婚し2人の女の子が生まれました。
哲夫さんは36歳の時、母の他界をきっかけに家業である海苔養殖業を継ぐため、家族で男木島へUターンします。海苔の養殖は過酷ながらも生活は安定し、三女も生まれました。ところが男木島周辺の海の環境変化により、海苔の色落ち被害が拡大。続けることが困難となり2006年に廃業します。その代わりに夫婦でタコ壺漁と刺し網漁を始めます。
更なる転機が訪れたのは2010年。瀬戸内海の島々を舞台とした「瀬戸内国際芸術祭」が開催され、多くの観光客が男木島を訪れました。当時、男木島に宿泊施設が2軒しかなかったため、夫婦は民宿を始めることを決意しました。
2011年「漁師yado民宿さくら」をオープン。タコ壺漁で捕ったタコを使う「さくらいろのたこ飯」が口コミで評判となり、多くのお客さんが民宿に訪れるようになりました。刺し網漁で捕れる新鮮な魚介類や、自家製野菜を漁師料理にして振る舞います。
男木島で民宿をオープンした大江哲夫さん和美さんご夫婦。訪れる客とのふれあいや、漁師仲間、移住者たちとの交流を紹介します。



ご夫婦は漁に出かけます。タコ壺や刺し網を使って、瀬戸内海の新鮮な魚介類を捕ります。2人で漁を始めてもう12年。船の上では阿吽の呼吸です。宿の献立は漁の結果次第、この日は大きなマダコやキジハタなどが捕れて一安心です。港に戻り、仲間と漁の成果を語らうのも楽しいひと時です。



和美さんは、お客さんにお出しする夕食の準備です。看板メニューの『さくらいろのたこ飯』は、タコがたくさん入って美味しく炊きあがりました。他にもキジハタやニシガイの刺し身、自家製野菜をふんだんに使った漁師料理を振る舞います。お客さんの感想を聞きたくて哲夫さん、カウンターで聞き耳を立てています。お客さんの「美味しい」が、2人の元気の源です。



島民の必須アイテムである『オンバ(乳母車)』を押して港に向かう和美さん。高松の業者に頼んでいた品物をグループで仕分けするんです。それでも足りないモノがあれば高松の市街地まで買いに出かけます。哲夫さんは、男木島の魅力を多くの人に知ってもらいたいと新たに改装したゲストハウスのベッドを製作中。民宿もゲストハウスも、哲夫さんが漁の合間にコツコツと作りました。



この日、ご夫婦は仲良く島内を散歩。島を見渡せばたくさんのネコが暮らしているのも男木島の魅力です。本が好きな和美さんのお気に入りの場所である『男木島図書館』を訪れました。最近、島で増えてきた若い移住者の福井さんご夫婦、西川さんご一家と交流。皆さんにとって男木島は、新たな挑戦を見守ってくれる温かい故郷です。



ONBA FACTORY
坂道や路地の多い男木島での必需品『オンバ』をオーダーメイドできる店です。全国へ向けてオンバの販売もおこなっており、世界に一台だけのオリジナルオンバをお届けします。
開館日:土・日曜・祝日
営業時間:午前11時~午後4時30分
入場料:300円



漁師yado民宿さくら
ご夫婦が漁で捕ってくる瀬戸内海の新鮮な魚介類、自家製野菜を使った漁師料理が楽しめる宿です。タコ壺漁で捕れるタコをふんだんに使った『さくらいろたこ飯』が人気です。
電話番号:087-873-0515
定休日:不定休
1泊2食付き:6,500円
さくらゲストハウス:宿泊3,000円~