
長野・飯島町
~ アルプス望む蔵のカフェ ~

中央アルプスと南アルプスの雄大な景色を望む長野県飯島町で、築140年の蔵を改装し、カフェを始めた鈴木直人さん(63歳)と妻のむつ子さん(62歳)が主人公です。
名古屋市出身の直人さんは大学院で農学を学んだ後、総合化学メーカーに就職。農薬の開発や技術普及に取り組みました。青森県出身で薬剤師をしていたむつ子さんとは28歳の時に結婚し、3年後には長女が生まれました。結婚後、直人さんは福岡や仙台、東京と転勤を重ね、やがて田舎暮らしに憧れを抱くようになりました。
ある日、実家がある名古屋市に帰る途中で、中央アルプスと南アルプスに囲まれた美しい飯島町を目にした直人さんとむつ子さん。その景色に惹かれ、飯島町で移住先を探し始めると、広大な敷地に建つ築140年の蔵と出合いました。2013年に物件を取得すると、東京と長野を行き来し、自宅の建築と蔵の改装を夫婦で進めました。そして、2015年に直人さんが定年退職を迎えると夫婦で飯島町に移住し、蔵カフェ「飯島茶寮」をオープンしました。
様々な人たちの思い出が詰まった築140年の蔵を引き継ぎ、カフェを始めたご夫婦の暮らしぶりと、地域の方々との交流を紹介します。



築140年の蔵を夫婦で改装し、イメージ通りの重厚な雰囲気のカフェが完成しました。音楽好きの直人さんは、店内にピアノやギターを置き、営業中はジャズを流します。蔵のすぐ隣には自宅を建てました。白壁と黒の腰板が蔵の雰囲気とぴったり合っています。中央アルプスを望む縁側は2人のお気に入りの場所です。



店の看板メニューはガレット。生地に使うソバ粉は飯島町で生産されたものです。それに塩と水だけを使い、ソバ粉の香りを引き立たせます。生地はフライパンではなくホットプレートで焼き上げます。油を引かなくても焦げ付かず、ヘルシーなガレットに仕上がるそうです。盛り付けはむつ子さんが担当。生地のもちもちとした食感と鮮やかな盛り付けがお客様に好評です。


直人さんは、カフェの常連客である中山さんのお宅を訪ねました。中山さんの家にも蔵があり、「飯島茶寮」のようなオーディオルームにしたいと考えているそうです。何重にもなった厳重な扉を開けると、古い帳簿や掛け軸が出てきました。直人さんは興味津々で蔵を見学しながら、蔵の改装についてアドバイスもしました。


お店が休みの日、2人は名古屋に住む直人さんの母親に会いに行ったり、畑仕事をしたりして過ごします。敷地内にある竹林でタケノコを収穫したり、茶畑で茶摘みをしたりと大忙しです。更に近所の栗畑の草刈りにも参加。作業をした後は、地域の方とおしゃべりを楽しみます。移住して3年、すっかり飯島町の住人になりました。




蔵カフェ 飯島茶寮
雄大な中央アルプスを望む蔵カフェ。飯島町産のソバ粉を使ったこだわりのガレットとジャズが楽しめます。2階には隠れ家風の座敷席もありますよ。また、不定期でジャズライブも開催しています!
営業時間:午前11時~午後5時
営業日:土・日・祝日