
山梨・甲州市
~ ゆったり 手作り茶房 ~

山梨県甲州市が舞台。甘味とうどんの店『茶房あらい』を開いた荒井博さん(63歳)と妻・孝子さん(60歳)が主人公です。
甲州市出身の博さんは高校を卒業後、地元の通信会社に就職。27歳の時に孝子さんと職場結婚をして、二人の息子が生まれました。甘い物が好きで、料理も得意な博さんは京都に旅行した時に食べた、あぶり餅が忘れられず、自分でも作ってみることにしました。そしていつしか「お客さんがゆったり寛げるような甘味処を開きたい」と夢を描くようになりました。さらにうどんを15年間学んだ博さんは、60代になると、理想の店を自宅の庭に建て始めました。お金をかけずに自分がイメージした古民家風の店にするため、実家にあった古い建具などを利用しました。そんな博さんの力になりたいと、手を差し伸べてくれたのが、知り合いの大工さんや同級生、近所の人たち。多くの人々の協力を得て、1年かけて建物が完成。その後、博さんは会社を退職。そして去年4月、構想15年の夢を叶え『茶房あらい』をオープンしました。
『茶房あらい』は店の建築を手伝ってくれた仲間やご近所さんが訪れる憩いの場。最初は反対していた妻の孝子さんも、会社勤めが休みの日は店を手伝います。のんびりと寛げる時間と場所を提供したい博さんは「1日2、3人お客さんが来ていただくのが理想」と言います。
長年の夢を叶えた手作りの店『茶房あらい』。のんびりとした時間の中で、仲間や家族と絆を深めるご夫婦の暮らしをご紹介します。



築1年ですが、どこか懐かしく感じる『茶房あらい』。「昭和の古い家」をイメージして博さんが自身の手で建てました。博さんを幼い頃から知る、ご近所さんも「非常に瀟洒で、素晴らしい」と喜んでいます。建築中には何度も心が折れそうになった博さんですが、様々な人たちの協力があり素晴らしい店が完成しました。



普段は会社勤めの孝子さんですが、休みの日はお店を手伝います。この日は博さんと2人でご近所さんにかき氷を出前します。2人を待つのは、ご近所のフルーツ農家、武井さんご家族。ビニールハウスでの作業の中、つかの間の涼をとることができました。



店の裏手にはお隣に住む桃農家、荒井さんの畑があり『茶房あらい』から桃の木が見え、借景となっています。この日はお店の定休日。博さんと孝子さんは、荒井さんご夫婦に桃の手入れを教わります。ご近所のみなさんが『茶房あらい』を応援してくれています。



「あまり忙しくしたくない」という博さん。その理由の1つが、毎日来てくれる可愛いお客様の存在です。次男のお嫁さんの古都音さんが連れて来る孫の紬ちゃんです。お孫さんたちと過ごす時間が博さん、一番のお気に入り。この日は、3人で物作りを楽しみます。博さんは木彫り、古都音さんはつまみ細工。のんびりと家族の絆を紡いでいます。



博さんの高校時代の同級生がお店に集まりました。みなさん、お店の完成を喜んでいます。そんな中、お披露目するのは『茶房あらい』1周年記念ビデオ。映像制作の仕事をしている次男の一丸さんが撮影しました。映し出されたのは、美しく切り取られた『茶房あらい』の日常の風景。息子から父へ、素敵なプレゼントになりました。




茶房あらい
甘味とうどんのお店『茶房あらい』。
平日は博さん1人が切り盛りしているので対応できないこともあります。
のんびり、ゆったりすることがモットーのお店です。
前日までに必ずお電話でご予約ください。
電話番号:0553-33-5122
(受付は午後5時~午後6時)
※前日までに必ずご予約ください
営業時間:午前11時~午後4時30分
定休日:日・月・火曜(臨時休業あり)
うどんは1日10食(午前11時~午後1時)