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2018年4月21日卯月の参

長崎・佐世保市
~ 想い出つなぐ夫婦桜 ~

長崎県北部に位置する佐世保市が舞台。市内を望む高台で2年前、カフェを始めた寺田克成さん(56歳)と妻の弘美さん(56歳)が主人公です。
佐世保市出身で大学卒業後に実家の酒屋を継いだ克成さん。しかし10年後、量販店の勢いに押され止む無く店を畳み、量販店の店長として働き始めます。その後、デパートで働いていた弘美さんと結婚し、新たな生活が始まりました。
ある日、祖父母の家(母親の実家)を売却するという話が持ち上がります。暮らしていたのは母方の叔母と叔父で、二人とも高齢のため家を維持するのが難しいことが理由でした。そこで克成さんは「思い出が残る祖父母の家が人手に渡るくらいなら、自分が叔母叔父の面倒を見ながら家を守る」と決意し、2014年に移住しました。
家は築約130年の古民家でリフォームが必要なほど老朽化していました。母屋の隣に建つ納屋はさらに傷みが激しく、克成さんは掃除と修理を始めます。そしていつしか、この納屋で地域住民が集えるようなカフェを始めたいと考え、1年間のリフォームを経て、2016年7月『カフェこもれび』をスタートしました。
この家の敷地には、75年前に祖父が植えた2本の桜の木があります。祖父は「この桜が大きくなったら皆で花見をしたらいい」と言い大切に守って来た桜です。今年もその桜が満開を迎え『カフェこもれび』主催の花見大会が行われました。集まった地域住民30人。中には3年ぶりに訪ねてきた人など、思い思いに桜を楽しんでいました。
沢山の思い出が残る祖父母の家と桜を守りながら、納屋を改装しカフェを始めた克成さん、弘美さんの日常と『カフェこもれび』に集う地域住民とのふれあいを紹介します。

築130年の納屋を改装した『カフェこもれび』。店内は克成さんの祖父母が使っていた骨董品が飾られ、落ち着いた雰囲気。人気のメニューは克成さんがケチャップで絵を描いて仕上げるオムライス。常連のご家族は「近所にカフェが出来て嬉しい」と笑顔で話していました。

市内の産地直売所『柚木よかもん市』に買い出しに出掛けたお2人。地元農家さんが作った新鮮な野菜が並びます。いずれは自分たちも野菜作りをしたいと話す寺田さんご夫婦。自家製野菜でカフェのメニューもまかないたいと考えているんです。

友人たちの要望で金曜、土曜は夜も営業している『カフェこもれび』。この日、友人たちを迎えたのが、ライトアップした真一爺ちゃん、よしの婆ちゃんの夫婦桜です。そして月明かりも夜桜を優しく照らしてくれました。友人たち、そして一緒に暮らす叔父の金次郎さんは、いつまでも夜桜を眺めていました。

月に一度開催している『こもれびサロン』。ご近所の高齢者が集まり運動やゲームをして楽しみます。「みんなが集えるカフェにしたい」と語る克成さんの思いが伝わってくるイベントです。庭でお茶を飲みながら夫婦桜を眺める皆さん。「桜が満開の時は夜道も明るい」と話すお婆ちゃんもいました。

満開を迎えた夫婦桜の下で『カフェこもれび』主催の花見が開かれました。集まったのはご近所さんと友人たち。お弁当を広げ思い思いに桜を楽しみます。克成さんの祖父・真一さんが「桜が大きくなって満開になったら花見でもしたらいい」と語り植えた2本のソメイヨシノは、ご近所さんとの絆も繋いできたんです。

楽園通信

カフェこもれび

佐世保市街地を望む高台にある寺田さんご夫婦が営むカフェ。
店内には克成さんの祖父母が使っていた骨董品が飾られ落ち着いた雰囲気。
天気のいい日は庭先のデッキ席で食事を楽しむこともできます。
尚、駐車場が狭いためバスなどでのご来店をお勧めします。

カフェこもれび
電話番号:0956-24-2449
営業時間:日~水曜 午前11時~午後7時
     金、土曜 午前11時~午後11時
定休日:木・第三日曜日
メニュー
オムライス:650円
ナポリタン:700円
ケーキセット:700円