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2018年4月7日卯月の壱

岩手・大船渡市
~ 絆をつむぐ夫婦の里山 ~

舞台は海と山、自然に恵まれた岩手県大船渡市三陸町綾里。この地にUターンし里山再生を目指す、千田耕基さん(71歳)と永久世さん(70歳)ご夫婦が主人公です。
福島県出身で、上京し働きながら夜間大学に通っていた永久世さん。アパートでたまたま隣の部屋に住んでいた耕基さんと出会い、結婚。3人の子どもが生まれました。耕基さんの故郷は大船渡市・綾里地区。家は昔から「大小迫(おおこばさま)」の屋号で呼ばれ、両親が先祖から受け継ぐ山林や農地を管理していました。盆正月には家族で帰省し、永久世さんも里山での暮らし方やしきたりを学んでいきます。しかし、耕基さんの両親が亡くなると、里山は次第に荒れていきました。耕基さんの定年が近づくと「このままにしておいては先祖が悲しむ、里山再生をしたい」と考え始めます。
そして2010年、夫婦で神奈川県から大船渡市にUターンし、活動をスタートさせたお二人。両親が暮らしていた築141年の母屋を「大小迫つむぎの家」と名付け、里山再生の拠点とすることにしました。
夫婦の暮らしは里山の自然や恵み、資源を大切に使いながらの自給自足。山を整備し、伐採した木は薪や炭にして有効活用します。そんなご夫婦のもとには、ご近所さんや地元の子どもたちが日々集い、とってもにぎやか!
四季折々の自然と共に歩む「里山暮らし」を守り、後世に受け継いでいこうと情熱を傾ける千田さんご夫婦。70歳を迎えてもまだまだやりたいことが一杯!夢は尽きません。

築141年の母屋は夫婦2人で暮らすには大きすぎるため、Uターンした年から里山再生活動の拠点とすることにしました。屋号の『大小迫』と、「自然と人、人と人を繋ぎ、繋いだ糸を“つむぎ”、次世代に渡したい」という思いを込め、『大小迫 つむぎの家』と名付けました。ここで小学生を集めて体験学習をしたり、ご近所の皆さんとの集いなど、様々な活動を行っています。裏手に新しく建てた自宅には、犬のヤマトとヤギのユキもいて、里山再生の仕事で忙しくも、楽しく充実した日々を過ごしています。

8年前は荒れ果てていた自宅の山林。地域の方々や子どもたちの力も借りながら、倒木や伸び放題の木を伐採、下草を刈ったり、苗木の植林など年々手入れを続けています。整備された山では、地元の子供たちが駆け回り、自然の中でのびのび遊んでいます。また、山から切り出した木は、薪や炭などにして有効活用。果樹や山菜などの恵みももたらしてくれる山は、資源の宝庫です。それらを余すことなく生活に取り入れ、この先も伝えていきたいと千田さんご夫婦は考えています。

“つむぎの家”にご近所の方々を招き、定期的に開かれる「お茶っこ会」。この日は、郷土のおやつをみんなでこしらえてからの茶会です。作るのは、小麦粉に砂糖やくるみなどを混ぜて蒸す『がんづき』や、ふかした米粉に砂糖やくるみ、醤油を練りこむ『ゆべし』。このゆべし、ご近所の美恵子さんがかつて、耕基さんの亡き母から伝授してもらったレシピなんだそう。昔語りに耳を傾けながら和気あいあいとした雰囲気の中、お茶菓子が出来上がりました。囲炉裏を囲んでおやつとお茶に舌鼓を打ちながら、話に花が咲きます。

里山に地元の子供たちを招いて「炭焼き体験教室」が開かれました。まずはみんなで炊き付け材用の杉の葉を集め、炭の上にのせ、マッチで着火の体験。マッチに慣れていない子どもたちはなかなか火をつけられず苦戦していました。次は、耕基さんが里山の木で、事前に作っておいた炭を炭焼き小屋から出していきます。真っ暗な小屋の中に子供たちは驚いた様子。炭の大切さや、活用方法なども千田さんご夫婦から学びます。最後はお楽しみ、炭でじっくり焼いたホクホク焼き芋!「うまい!」と笑顔がこぼれていました。

楽園通信

(有)千葉勝商店

3~4月が旬の「三陸産綾里ワカメ」。肉厚で歯ごたえがあります。
新鮮なうちに塩蔵したものを販売。酢の物やお刺し身などがお勧めです。

電話番号:0192-42-2850
営業時間:午前8時30分~午後5時
定休日:土日祝日

(有)森良水産

三陸の外洋で育てられたホタテは、鮮度が良く大きくて肉厚。刺し身でも焼いても美味しさ抜群です。
※天候や貝毒の発生により出荷を規制する場合があります。予めご了承ください。

電話番号:0192-42-2111
営業時間:午前8時~午後1時
定休日:火・土曜