
京都・京都市久多
~ 雪の山里 古民家暮らし ~

京都市の最北端に位置する左京区久多が舞台。この地に移住し、農家民宿を営む奥出一順さん(52歳)と妻の留美さん(52歳)が主人公です。
京都府出身で中学生時代から付き合っていたお2人は24歳で結婚。結婚後は海外で仕事がしたいとの一順さんの希望でアメリカとイギリスで暮らし、一順さんは鮮魚の運搬や販売の仕事をしていました。29歳の時、長男の誕生を機に帰国。京都のスーパーで鮮魚の買い付けの仕事に就き、早朝から深夜まで仕事に追われていました。そんな日々を過ごしている中で、家族との時間を犠牲にしてまで働くことに疑問を感じ始めた一順さん。ある日、知り合いに誘われ、夫婦で久多を訪ねます。初めて訪れた久多の風景にすっかり魅了されたお2人は、久多に畑を借りて休日に農業を始めます。更に「子供たちをこの久多の自然の中で育てたい」と考えるようになりました。そして、2001年に築250年以上と言われる古民家を購入。2年後、家族で久多に移住し、本格的に暮らし始めます。
自然と寄り添う久多の生活を満喫していたご夫婦。やがて息子2人も独立し生活に余裕が出来たお2人は、「自分達が大好きになった久多の暮らしを、沢山の人に体験して欲しい」と考え、2015年5月に京都市で第一号となる「農家民宿おくで」を開業しました。
久多の自然に魅せられ移住した奥出さんご夫婦の日常と、お2人を温かく見守り、支えてくれる地域住民との交流など、冬の山里暮らしを紹介します。


月に1度「農家民宿おくで」で開催している田舎暮らし講座。季節ごとの田舎暮らし体験が出来ます。今回はスノーシューを履いての雪遊びや雪灯篭作り。たっぷり雪遊びした後は、皆で作った鶏のすき焼きをいただきます。初めて参加した方もいますが、直ぐに打ち解け和やかな雰囲気。「居心地がいい」「奥出さんのおもてなし力がすごい」と皆さん満足そう。そんな声に一順さんは「自分が1番楽しませてもらっている」と笑顔で応えていました。



一順さんは地元の猟友会に所属しています。この日は狩猟歴50年の師匠・小瀧さんと共に狩猟に出ました。相棒のくう太とサブロウが獲物を見つけ知らせてくれます。見つけたのは野生の鹿。一順さん、狙いを定め猟銃の引き金を引きます。周囲に響く銃声!果たして…。次に響いたのは「くっそー!」という一順さんの悔しそうな声でした…。一方、留美さんは地域のコミュニティーセンターでお仕事です。地元のお婆ちゃんたちと一緒に「どんど焼き」の灰を使って、火の用心のお守りを作っていました。ここは皆さんの憩いの場。留美さんにとっても地元の方と触れ合える大切な場所です。


家族みんなで夕食を作る奥出家。民宿のお手伝いをしてくれている秋月さんも一緒に台所に立ちます。今夜は鹿肉の野菜炒めなど山のご馳走が並び、京都市内で暮らす次男・航二郎さんも帰って来て食卓を囲みました。普段独り暮らしの航二郎さんは「親の顔を見ると安心する、ご飯が進む」と笑顔。お腹も心も温まる奥出家の夕食でした。


隣に住む小南道子さんは漬物作りの名人。夫婦は道子さんに教わり初めて漬け込んだタクワンの味見です。カリッといい音!「美味しい」「ええアテになる」と夫婦は大喜び。普段から何かとお世話になっている道子さんに改めて感謝です。道子さんは「奥出さんが久多に来てくれて本当嬉しかった」と話してくれました。これからもご近所仲良く暮らしてくださいね。



農家民宿おくで
奥出さんご夫婦が営む「農家民宿おくで」では、季節に合わせた様々な田舎暮らし体験をすることが出来ます。食事は山の幸を使い奥出さん夫婦と一緒に作ります。築250年と言われる古民家でのんびり過ごしてください。月に1度の田舎暮らし講座も好評です!開催日時など詳細はお問い合わせください。
電話番号:075-748-2024
1泊2食付き
「地鶏すき焼きコース」もしくは「発酵ご膳コース」
※1日1組限定:2~5人まで
2名利用:1人13,500円(税抜き)
3~5名利用:1人10,500円(税抜き)