
石川・中能登町
~ 自家製米でどぶろく造り ~

石川県中能登町が舞台。自宅で、どぶろく造りと農家レストランを営む田中良夫さん(65歳)と妻の幸子さん(62歳)が主人公です。
56歳でJAを退職後、専業農家として米や野菜作りをしていた良夫さん。近所の神社に神酒用の酒米を奉納していたことから、酒造りに興味を持つようになりました。町には、許可を得て神酒用のどぶろく醸造をしている神社が3社あったことから、良夫さんは町を「どぶろく特区」に認定できないかと中能登町に相談。特産にしていければと町も協力し、2014年に中能登町は「どぶろく特区」に認定されました。良夫さんは、どぶろくを提供するための農家レストラン「太郎右衛門」をオープンし、2015年12月にどぶろくの醸造免許を取得、どぶろく造りを始めました。
どぶろくは、仕込み方で味が変わるのが面白いと、日々熱心に勉強を続ける良夫さん。
そんな良夫さん自慢のどぶろくと、幸子さんが作るかぶら寿しや自家製野菜の料理などを食べながら、思う存分に楽しむことができる農家レストランは、農閑期に限った1月から3月までの3ヵ月間、冬限定の営業です。
どぶろくで、中能登町を少しでも盛り上げることが出来ればと頑張る、田中さんご夫婦を紹介します。


この日、どぶろく造りで大切な麹づくりを行いました。良い麹が出来ないと、良いお酒は出来ないという良夫さん。蒸した酒米に種麹をかけて丁寧に混ぜていきます。混ぜ込んだ後、温度管理をしながら麹菌が酒米に根付いていくのをじっくり待ちます。2日後、きれいな麹ができました。良夫さんもひと安心のようです。


良夫さんは、できあがった麹を使ってどぶろくの仕込みを行います。炊いたお米に水と麹を足して1日寝かせ、「もろみ」をつくります。これに、酒米と井戸水、酵母を加え、毎日優しくかき混ぜ続けると、炭酸ガスが発生し、やがて40日から50日ほどで、良夫さん自慢のどぶろくが完成します。


良夫さんの本業は農業です。畑には冬でも、数種類の野菜が育っています。この日は、お孫さんたちと一緒に収穫へやってきました。石川県特産の能登むすめや、ネギにダイコンを、手伝って貰いながら収穫。この自家製の野菜が、農家レストランでお客様に振舞われます。お孫さんたちは野菜を収穫した後、畑の傍でソリ遊びに大はしゃぎ。かわいい声に包まれ、良夫さんと幸子さんは賑やかな生活を送っています。


農家レストラン「太郎右衛門」に予約のお客様がやってきました。囲炉裏を囲んで、幸子さんが作った「かぶら寿し」や「いのしし鍋」を楽しみます。もちろん、良夫さん自慢のどぶろくや甘酒も振舞います。どぶろくは飲み放題なので、食事は大盛り上がり。最後は良夫さんも加わって、一緒にどぶろくを楽しみました。


中能登町でもう一軒、どぶろくを造っている農家レストラン「まる」に集まった良夫さんと仲間たち。今後、どぶろくを造りたいと考えている、農家民宿を営む藤井さんと、去年、新規就農した松田さんが加わり、「太郎右衛門」と「まる」のどぶろくを、飲み比べます。将来的には、町でどぶろく祭りができるようになりたいと語る良夫さん。仲間たちと夢の実現に向けて、一歩ずつ進んでいきます。




農家レストラン「太郎右衛門」
田中さん夫婦が営む、農家レストラン「太郎右衛門」。自家製野菜を使ったかぶら寿しや、囲炉裏で食べるいのしし鍋が人気です。
もちろん、良夫さんの造るどぶろくも楽しめます。
農閑期の1月~3月までの営業で、1日1組限定の予約制ですので、事前の予約をお願いします。
電話番号:0767-76-1204
問い合わせ時間:午後5時~午後8時
※1月から3月末までの営業。1日1組限定の予約制。
コース1人前:3,000円
どぶろく量り売り
720ml:1,200円
ビン代は別途100円