
京都・宮津市&新潟・十日町市
~ 冬こそ楽し!海暮らし山暮らし ~

今回は、1時間の拡大スペシャル。漁師町、京都府宮津市と、豪雪地帯として知られる新潟県十日町市が舞台。「海」と「山」、それぞれに特色ある暮らしを楽しんでいる2組の夫婦のお話です。
1組目は、京都府宮津市で漁家民泊を始めた嶋﨑長夫さん(69歳)と妻の郁子さん(64歳)ご夫婦が主人公です。
漁業の町、宮津市大島地区に生まれ育った長夫さん。高校を卒業すると地元で働き始め、保育士をしていた郁子さんと結婚しました。幼少期から海と共に暮らしてきた長夫さんは、何か海での仕事をしたいと、56歳で退職し漁師に転身。一方、郁子さんは保育士として勤めを続けていましたが、「退職後は全く違う仕事を経験してみたい」と考え始めます。家に沢山の人が寄り、楽しいことが良いと思った郁子さん。「お父さんの海の幸を使って、宿を始めたらどうだろう」と考えます。あまり乗り気でなかった長夫さんを巻き込み、2015年8月に「農家・漁家民泊 長栄丸」をオープンさせました。一日一組限定で、自宅の一室が宿泊部屋です。長夫さんが磯に仕掛けた網を引き上げる「もんどり漁」の体験や新鮮な魚を地元ならではの調理法で食べられるとお客様には評判。しかし、オープンから1年4カ月。冬場の今は、全くお客さんが来ない長栄丸。ご夫婦は、冬でもお客さんに楽しんでもらえるものは何かと考えています…旬の食べ物や冬の海だからこその体験メニューなど試行錯誤の毎日です。


嶋﨑さん夫婦の昼食。食卓には、目の前の海で取れた魚の煮付けや、海藻で作った伝統料理など、漁師のお宅ならではのおかずが並びました。漁師町で自分たちが昔から食べてきたものを、お客様にも味わって欲しいと考えている郁子さん。豊かな若狭湾に面し、人々が海の恩恵を受けて暮らしてきた宮津市大島。長夫さんも郁子さんも、この町ならではの文化や伝統を大勢の人に知って貰いたいと考えています。


冬場にどんな体験が出来るのかを知って貰おうと、友人を宿に招待し、意見を聞くことにした嶋﨑さんご夫婦。この季節ならではの海の幸満載の料理はもちろん、大好評だったのが、長夫さんの漁船に同乗してもらう漁の体験です。「箱眼鏡」という箱にガラスを張った道具を使えば、冬ならではの澄んで綺麗な海の底がはっきり見えます。また、その場で長夫さんが獲ったアワビをぶつ切りにして食べます。この美味しさにはお客さんも歓喜の声をあげていました。また、舟屋で有名な隣の伊根町へも、船に乗って観光に出掛けられます。いろんな海の体験に、友人たちは大満足のご様子でした。

2組目は、冬季に3~4メートルの積雪となる豪雪地帯、新潟県十日町市の山間で、山の暮らしを楽しむ本間三春さん(69歳)と妻の美和子さん(64歳)ご夫婦が主人公です。
佐渡島出身の三春さんは、就職のために上京、美和子さんと出会い、結婚します。元々自然が大好きで、休日には登山やキャンプなどを楽しむうち「いずれは山で暮らしたい」と思うようになりました。移住地探しをするなかで出会ったのが、十日町市の中心部から車で30分ほどの山の中にある「高倉集落」でした。周囲を山々に囲まれた豊かな自然と、集落の人々の温かさに触れてこの地が気に入った本間さんご夫婦は、中古の家を購入。2011年に高倉集落へ移住しました。ご夫婦が一番驚いたのが冬の暮らし。話には聞いていたものの、実際に4メートルもの積雪の中での生活は大変なことばかり。それでも、ご近所さんに助けてもらいながら、年々冬を楽しめるようになりました。晩秋には、冬の到来に向けて漬け物作りや収穫した野菜の保存など、越冬の準備が沢山!そんな冬支度一つ一つを楽しみながら行っています。そして今年も、白銀の季節が訪れ、あたりは見渡す限り真っ白に。こうなるとまた、キノコ採りや雪遊びなど、楽しみがいっぱいあるんです。


畑で育てている野菜を収穫しに来た本間さんご夫婦。雪が降る前に、ネギやキャベツ、白菜を収穫してしまわないといけません。そんなご夫婦が暮らす家は、豪雪地帯ならではの高床式住宅。雪国ならではの工夫がされたお宅は、1階部分が車庫や物置になっていて、冬になると野菜や保存食を保管する天然の冷蔵庫になります。更に、収穫したキャベツや白菜などは根っこを残してこの物置に置くことで、日持ちを良くすることが出来ます。ご近所さんから教えて貰った雪国ならではの知恵です。


12月半ば。十日町市に本格的な冬が訪れ、紅葉も姿を消して辺り一面がすっぽりと雪に包まれました。これからは日々、雪との戦いです。雪が降る度、玄関前に積もった雪を除雪しなければいけません。大変そうですが、「いい運動になる」と笑うお二人。雪の中での暮らしは苦労も多いですが、雪国の美しい風景を愛で、恩恵も受けます。本間さんご夫婦は高倉集落の仲間たちと共に、山暮らしを存分に楽しんでいます。



農家・漁家民泊 長栄丸
主人公、嶋﨑さんご夫婦が自宅を使って始めたお宿です。
目の前に広がる若狭湾の海の幸と、「もんどり漁」などの漁体験を楽しむことが出来ます。これから試行錯誤して、体験メニューを増やしていく予定。四季折々、漁師ならではの家庭の味と、美しい海が自慢です。
電話番号:0772-28-0739
問い合わせ時間:午前8時~午後8時
1泊2食:6,200円(1日1組の予約限定)
※アワビ料理は別料金。獲れた時のみ提供可。
アワビ料理:1人前 2,000円より(大きさ、量によって変わります)


割烹そば処 松苧
本間さんご夫婦が暮らす十日町市は、お蕎麦も有名です。
この地域では、つなぎに海藻のフノリを使った「へぎそば」が一般的に食べられています。
のどごしツルツルの絶品のお蕎麦は食べてみる価値ありです。
電話番号:025-597-3052
営業時間:午前11時~午後2時
定休日:水曜、1月1日
へぎそば:900円